三次元空間上のn個の点列のペア {X_1,...,X_n}, {Y_1,...,Y_n} ∈ R^{3×n} に対し、剛体回転のみを用いた最適な重ね合わせについて考える。最も有名な定式化として、点列ペア間の RMSD (二乗平均平方根偏差) を最小化する回転行列を求める Kabsch-Umeyama algorithm による方法が広く知られている。本発表では、まずこの点列ペア間の RMSD 最小化に関する数理的な背景を整理し、RMSD 最小化問題がモニック
四次方程式
に帰着されるという先行研究を紹介する。その後、解の縮退に対しに数値的に不安定であったという問題を回避する実装を紹介し、この実装が単精度浮動小数点でも安定して計算できることを示す。
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