障害のある子ども(以下、同胞)の兄弟姉妹(以下、きょうだい)がもつ特有の困難や悩みは、家族の関係性に根ざしていると考えられる。そこで、本研究では、家族が一緒に参加する支援プログラムを開発し、実践によりきょうだいの同胞に関する否定的感情や親子関係が改善するかどうかを検証した。知的障害あるいは発達障害のある同胞、きょうだい、親を対象に、自由遊び、家族全体でのムーブメント活動、きょうだい、親、同胞それぞれのグループ別活動、および親ときょうだいとのふれあい遊びの4部で構成した6セッションからなるプログラムを実施した。その結果、きょうだい16名とその母親に対する実践前後の質問紙調査と事後インタビューから、実践後にきょうだいの同胞に関する「余計な負担の感情」が有意に減少し、親子関係が安定化する傾向が確認された。また、事例から、親がきょうだいの不公平感や負担感を的確に判断し、対応できるようになったことがわかった。
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