二次元有効応力解析プログラムFLIPは,地震による被災事例や模型実験などの解析を積み重ねる中で,いくつかの問題に対処するためにプログラム改良が行われてきた.その中でも,1)変相線を越えた応力空間におけるせん断仕事の負のダイレイタンシーへの寄与の評価,2)応力~歪関係の非線形反復計算法の改良,の2項目は,これまでと同じデータの設定を行っても,解析結果に影響を与えるケースがあることがわかっている.そこで,本検討では,矢板式係船岸への適用性を把握するため,1983年日本海中部地震時に被災した秋田港大浜2号岸壁と,無被災であった大浜1号岸壁の事例解析を実施し,解析条件の設定法などの留意点を明らかにした.
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