本発表の目的は, 与えられたテーマ(「現代日本にある多様な文化はそれぞれ, 情報技術とどのような相互作用を持っている(あるいは持っていない)」)のであろうか)について, 知覚の変化という観点から, 現代を「メタ複製技術時代」として捉え考察することである。事例としては, 初音ミクのライブを扱う。そのなかでまず, 既存の初音ミク論について整理した後, フラッシュモブとハクティビズムという現代の文化現象が, ロックフェスティバルとハッカー文化にその原型をもっていること, そしてそれらの関連性について述べる。その後それらのことから, 複製技術時代からメタ複製技術時代への移行と音楽聴取形態の変容が関連して起きていることを示す。また, 以上の議論から, 文化領域における情報の価値についても考察を試みる。
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