本研究ではラミー糸を用いた組紐と異なる種類のマトリックスを用いた複合材料の引張特性を明らかにすることを目的とした。そこで,ラミー糸を用いた組紐を作製し,それらを
変成シリコーン
ゴム,2液型シリコーンゴム,エポキシ樹脂とそれぞれ複合化した。さらに組紐のみ,シリコーンゴムのみ,エポキシ樹脂のみのサンプルを作製し,引張試験によってこれらの引張特性について検討した。その結果,組紐とエポキシ樹脂を複合化したサンプルでは組紐が引張強度の増大に影響するのに対して,組紐とシリコーンゴムを複合した試験片では,引張強度には大きな違いは認められなかった。一方,破断伸びには大きな違いがみられた。2液型シリコーンゴムと複合した場合の破断伸びは,
変成シリコーン
ゴムと複合した場合よりも約34%大きくなることが確認できた。
抄録全体を表示