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クエリ検索: "外側胸筋神経"
33件中 1-20の結果を表示しています
  • 高藤 豊治, 佐藤 泰司, 神林 隆幸, 東 昇吾, 竹内 隆治, 川島 帝都夫, 戸澤 孝夫, 五十嵐 純, 池谷 知格, 横山 寿光
    杏林医学会雑誌
    1988年 19 巻 1 号 45-53
    発行日: 1988/03/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    日本人成人88体176体側例の三角筋の支配神経について検索し,以下の所見を得た。通常,三角筋前部(鎖骨部)と大胸筋鎖骨部は互いに分離(I型,97.7±1.13%)して付着し,各々異なる神経に支配される。今回,両筋の鎖骨部間の癒合型(II型,2.3±1.13%)を4例認めたが,うち2例では三角筋の前部筋束の一部に大胸筋鎖骨部を支配する
    外側胸筋神経
    が分布(II-B型,1.1±0.79%)するのを認めた。尚,II型の両筋癒合型では,大胸筋の停止腱の上縁に三角筋前部の深層筋束の一部が移行筋束として停止していたが,II-B型では三角筋のこの深層の移行筋束に
    外側胸筋神経
    が,浅層の筋束には腋窩神経が分布し,両神経は互いにoverlapしていた。
  • 松平 秀樹, 野田 祐基, 石川 あい, 荒川 智嗣, 吉田 和彦, 森川 利昭
    日本臨床外科学会雑誌
    2018年 79 巻 1 号 79-83
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/08/01
    ジャーナル フリー
    一般に,胸部に発生する神経鞘腫の大部分は後縦隔に認められ,胸壁原発の神経鞘腫の発生頻度は低い.また,四肢や頭頸部領域には触知される神経鞘腫の報告が散見されるが,体幹,特に胸壁に触知される神経鞘腫の報告は極めて少ない.症例は62歳,男性. 狭心症で通院中に,内科医が触診で左前胸部に4cm大の可動性が乏しい皮下腫瘤を指摘し,精査目的に当科へ依頼となった.MRI検査でのT2強調画像にて内部性状は中心部が低信号,周辺部が高信号の同心円状の信号を呈しており,神経鞘腫と診断し切除した.術中所見では
    外側胸筋神経
    が発生母地と考えられた.体表から触知される胸壁神経鞘腫は稀な病態であり,さらに
    外側胸筋神経
    から発生した神経鞘腫の報告例は検索しえなかった.われわれが経験した1切除例を若干の文献的考察を加え報告する.
  • 尾上 貴紀, 益永 陽子, 堀内 俊孝, 長畑 敏弘
    Oncoplastic Breast Surgery
    2020年 5 巻 4 号 82-87
    発行日: 2020/12/28
    公開日: 2020/12/28
    ジャーナル フリー

    序文 : 乳房一次二期再建におけるエキスパンダー挿入術は, 術後に強い疼痛を伴うことが多い。エキスパンダー挿入術の術後疼痛に対して持続前胸壁ブロックによる疼痛管理を行い, その有用性を検討した。

    方法 : 当院で乳房一次二期再建にてエキスパンダー挿入術を行った症例を対象として, 術後, 持続前胸壁ブロック施行群と非施行群に大別し, visual analogue scale (以下VAS) を用いて, 乳房および腋窩の疼痛の強さ, 手術後の鎮痛薬の使用状況を後ろ向きに比較検討した。

    結果 : 翌朝までの最大VASは乳房・腋窩ともに持続ブロックあり群で有意に低く, 翌朝までに鎮痛薬を使用した症例数も, ブロックあり群で有意に少なかった。術後最初に鎮痛薬を内服するまでの時間は, ブロックあり群でより長い傾向にあったが, 有意差は認めなかった。

    考察 : 持続前胸壁ブロックは, 乳癌術後エキスパンダー挿入術周術期の疼痛緩和に寄与する一つの方法であると考えられた。

  • 橘田 正人, 林 省吾, 國田 佳子, 浅本 憲, 中野 隆
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 A-P-06
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】肩甲上神経は,棘上筋および棘下筋を支配する運動神経として知られているが,肩関節包および肩鎖関節包への枝(以下,知覚枝)や皮枝を含むとする報告も散見される(Aszmann et al. 1996, Horiguchi 1980).しかしながら,知覚枝がどの部位において分岐し,どのように走行するかについては,明確な記載が見当たらない.今回,肩甲上神経知覚枝について,分岐部と分布域を解剖学的に観察し,両者の対応関係を明らかにすることを試みた.さらに,肩関節包に分布する神経終末の組織学的所見を含めて報告する.【方法】愛知医科大学医学部において,研究用に供された解剖実習体9 体17 肩を対象とした.僧帽筋・三角筋を切離し,棘上筋・棘下筋・小円筋を剖出した.小円筋を切離した後,棘上筋・棘下筋を肩甲骨の骨膜とともに剥離,反転した.上肩甲横靭帯の腹側を通過する肩甲上神経を同定し,その分岐部および分布域を確認した.肩関節包,肩鎖関節包,肩峰下滑液包に付着する肩甲上神経の分枝を知覚枝と同定し,その分布域を解剖学的に確認した.さらに,棘窩切痕より上部および下部の領域において肩関節包とともに知覚枝を摘出し,薄切切片を作成してHE染色を行い,組織学的に観察した.【倫理的配慮、説明と同意】本研究は,死体解剖保存法に基づいて実施し,生前に本人の同意により篤志献体団体に入会し研究・教育に供された解剖実習体を使用した.観察は,愛知医科大学医学部解剖学講座教授の指導の下に行った.【結果】知覚枝は,17 肩中15 肩(88.2%)で確認できた.知覚枝は,15 肩において計33 枝が存在し,上肩甲横靱帯通過前で分岐するもの(以下,パターン1)2 枝(6.1%),上肩甲横靱帯通過直後で分岐するもの(以下,パターン2)6 枝(18.2%),棘上筋の腹側面(深層)で分岐するもの(以下,パターン3)21 枝(63.6%),下肩甲横靱帯通過直後で分岐するもの(以下,パターン4)4 枝(12.1%)に分類された.また,棘下筋の腹側面で分岐するものは観察されなかった.それぞれの主な分布域は,パターン1 および2 は肩鎖関節包および肩関節包の後面上部,パターン3 は肩峰下滑液包および関節後面の上部から中央部,パターン4 は肩関節包の後面中央下部であった.知覚枝が肩関節包に進入する部位の組織学的観察において,神経線維およびPacini小体様の固有知覚受容器が認められた.【考察】Aszmannら(1996)は,肩関節包の知覚について,前方部は肩甲下神経・腋窩神経・
    外側胸筋神経
    が,後方部は肩甲上神経・腋窩神経が支配すると報告している.また,肩甲上神経知覚枝として,上肩甲横靱帯通過付近で分岐し肩鎖関節・肩峰下滑液包・肩関節包後面上部に分布する枝,および棘窩切痕付近で分岐し肩関節包後面中央部から下部にかけて分布する枝を図示している.さらに,肩関節包にはPacini小体,Golgi-Mazzoni小体,Ruffini小体等の固有知覚受容器が存在し,圧力変化や加速度,とくに振動などの深部知覚の感受に関与することが知られている(Rowinski 1985).今回の観察では,肩甲上神経知覚枝は,棘上筋の腹側面(深層)において分岐する例(パターン3)が多く,主に肩関節包上部から後面中央部に分布していた.さらに,知覚枝が肩関節包に進入する部位において,Pacini小体様の固有知覚受容器が認められた.今回の結果および先行研究から,肩甲上神経知覚枝は,主に肩関節包上部から後面中央部の深部知覚を司り,それを中枢神経系へフィードバックすることによって,肩関節の内旋や水平屈曲のコントロールに関与することが示唆される.一方,今回の観察において,肩関節包後面下部に分布する知覚枝は確認されなかった.肩関節後面下部の知覚は,主に腋窩神経が司り,肩関節の外旋や挙上のコントロールに関与すると推測される.【理学療法学研究としての意義】肩関節可動域の改善を目的とする理学療法において,肩関節後面にアプローチする上で,肩関節包に分布する脊髄神経の走行および知覚枝の分布域を考慮することは重要である.さらに,根拠に基づく理学療法を行うためには,解剖学的所見だけではなく組織学的所見を含めて,機能解剖学的かつ病態生理学的な考察が不可欠である.本研究は,肩甲上神経知覚枝が肩関節運動のコントロールに関与する可能性を示唆するものであり,肩関節運動障害の病態理解や治療の発展にも寄与すると考える.
  • 神立 将幸, 奥貫 慎太郎, 時田 幸之輔, 小島 龍平, 永島 雅文, 穐田 真澄, 熊木 克治, 佐藤 昇
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 P3-048
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】腋窩動脈は,鎖骨下動脈につづく動脈で,鎖骨の下縁から大胸筋下縁に至るまでの間をいい,正中神経と併走し,上腕動脈に移る.この動脈から出る枝に,胸壁に至るもの(最上胸動脈,胸肩峰動脈,外側胸動脈),腋窩の後壁に至るもの(肩甲下動脈),上腕の上端に至るもの(前上腕回旋動脈,後上腕回旋動脈)の3種がある.今回,腋窩動脈はもちろんのこと,腋窩の後壁に至る動脈及び上腕の上端に至る動脈を詳細に観察し,腋窩動脈あるいは上肢の動脈の特徴を明らかにしようと試みた.
    【方法】2008年度の埼玉医科大学理学療法学科構造系実習及び新潟大学医学部肉眼解剖学セミナーで観察された実習体のうちの8体8側の腕神経叢と腋窩動脈とその枝についての分枝位置,走行経路,分布及び神経との局所関係を肉眼解剖学的に詳細に観察した.
    【説明と同意】これらの観察はすべて, 死体解剖保存法, 及び, いわゆる献体法に従って行われた.
    【結果】 1.腋窩動脈と腕神経叢の位置関係: 腋窩動脈が正中神経ワナ(内側神経束と外側神経束が交わるもの)を貫き正中神経の深層に至り上腕へ達するものが6側(標準型),腋窩動脈が正中神経の深層へ移る際に正中神経ワナを貫かず,内側神経束の下縁を迂回するものが1側(迂回型),腋窩動脈が終始正中神経の浅層を走行するものが1側(浅上腕動脈型)観察された. 2.肩甲下動脈の分枝位置・肩甲下動脈と橈骨神経の位置関係: 標準型では,正中神経ワナを貫く前で肩甲下動脈を分枝するものが3側, 正中神経ワナを貫いた後に肩甲下動脈を分岐するものが3側あった. 前者は, すべて橈骨神経の内側を通っていた.後者は橈骨神経の内側を通るのが1側, 橈骨神経の外側を通るのが2側あった. 迂回型では,正中神経の深層に達した後に肩甲下動脈を分枝し, 橈骨神経の外側を通っていた. 浅上腕動脈型では, 胸筋神経ワナ(内側胸筋神経と
    外側胸筋神経
    が交わるもの)貫く前で肩甲下動脈を分枝し, 橈骨神経の内側を通っていた. 3.腋窩での肩甲下動脈と他の枝との関係: 肩甲下動脈と肩甲下動脈以外の肩甲骨周辺へ分布する動脈との関係を観察すると, 後上腕回旋動脈(5側),上腕深動脈(1側)と共通幹を成す例が観察された. 5側中1側の上腕回旋動脈は橈骨神経の外側を通る肩甲下動脈から分岐され, 他の4側は橈骨神経の内側を通る肩甲下動脈から分岐していた. そのうちの1側は後上腕回旋動脈と上腕深動脈ともに共同幹を形成していた.
    【考察】1.腋窩動脈が上腕へ達する経路: 通常,腋窩動脈が正中神経ワナを貫き,正中神経の深層に至り上腕動脈となるのが標準的である.しかし,今回腋窩動脈が正中神経の深層へ移る際に正中神経ワナを貫かず,内側神経束の下縁を迂回し上腕動脈に達するものと,腋窩動脈が終始正中神経の浅層を走行するものが観察された.以上より,腋窩動脈が上腕へ達する経路は3つのルートがあることが考えられる.いずれのルートも上肢の主幹動脈と成りうるものであると考える. 2.肩甲下動脈の分枝位置と走行経路: 肩甲下動脈の分枝位置と走行経路について観察すると,1)正中神経ワナ又は胸筋神経ワナの前で肩甲下動脈を分枝するもの,2)正中神経の深層に達し,橈骨神経の内側を通り肩甲下動脈を分枝するもの,3)正中神経の深層に達し,橈骨神経の外側を通り肩甲下動脈を分枝するものが観察された.以上により,肩甲下動脈は分枝位置と走行経路でみると,1)~3)の3つに分類できると考えた. 3.肩甲下動脈の分枝: 肩甲下動脈は腋窩の後壁に至る動脈である.今回,後上腕回旋動脈と上腕深動脈が肩甲下動脈との共通幹として観察される例があった.これらすべては,橈骨神経の内側を通る肩甲下動脈から分枝されていた.
    【理学療法学研究としての意義】運動器系の栄養動脈について, その起始, 経路, 分布の詳細を熟知することは, 理学療法学基礎研究として重要と考える.
  • 水野 茂, 仲西 直治, 佐藤 康幸, 竹内 元一, 杉浦 勇人, 藤本 牧生, 舟橋 啓臣
    日本臨床外科医学会雑誌
    1985年 46 巻 6 号 722-729
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    乳癌に対する手術の根治性を向上させる目的で,頚部と縦隔内のリンパ節も同時に郭清する広範囲郭清法を試みた.
    外側胸筋神経
    や胸肩峰動静脈を温存しながら非定型的乳房切断術を行なったのち,鎖骨下筋腱を切離して同じ皮膚切開創から頚腋窩管内組織や腋窩血管上部リンパ節,鎖骨上リンパ節,下内深頚リンパ節などを静脈角に至るまで一塊にして郭清する.この間,鎖骨や胸鎖関節には操作を加えない.つづいて胸骨縦切開を加え縦隔内から胸骨旁リンパ節,気管前リンパ節,気管旁リンパ節,胸骨柄後部リンパ節などをやはり静脈角に至るまで一塊にして郭清する.従って3群リンパ節までをすべて郭清しているがいずれも胸膜外で操作し肺は露出しない.このような広範囲郭清を49例に実施したところ術後の創痕や機能は通常の非定型的乳房切断術とまったくかわりがなく,また骨性組織の欠損がないため特別な疼痛もみられなかった.術後3年以上経過観察した症例でも上腕浮腫は通常の術式と差がなくやはり満足できる結果であった.以上,手術時間が多少長いが後遺症や合併症のほとんどみられないことから,早期症例にも十分応用できる術式と思われる.やや進行した症例には大胸筋も切除する定型的乳房切断術後に,本法にのべる広範囲郭清術式を行なう.以前進行症例に多く試みられた3領域郭清法(本法ではこれよりさらに広範囲の郭清を行なっている)は最近ほとんど行なわれなくなっているが,乳癌はリンパ節転移率の高い疾患であるので術創や後遺症の問題が極めて少ない本法なら改めて試みてみる価値があると思われる.なおこの広範囲郭清を行なっても多くの症例で輸血をしていないがそのための工夫や,頚部,縦隔内の郭清後に生じる大きな死腔の早期閉鎖法についても新しい試みを行なったので,その詳細についても述べる.
  • 樫原 稔
    中国・四国整形外科学会雑誌
    2010年 22 巻 2 号 313-316
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/03/31
    ジャーナル 認証あり
    We investigated preoperative percentage vital capacity (%VC) and forced vital capacity in 1 second (FEV1%) in 75 patients with cervical spondylotic myelopathy (CSM) and 41 patients with lumbar canal stenosis (LCS) as a control group. In 32 CSM patients, postoperative spirometry was performed. In CSM patients we also compared %VC between those with upper cervical lesions and the others. The upper cervical lesion group had high intramedullary signal intensity changes and the other group had no signal changes on T2-weighted MRI on the cranial side from the C4/5 level. In terms of FEV1%, there were no significant differences between the CSM group and the LCS group. However, the %VC in the CSM group was significantly lower than that in LCS. The %VC in the CSM group improved slightly after surgery. The %VC in the upper cervical lesion group was lower than that in the other CSM patients, but there were no significant differences between the two groups. The spinal segments of the main inspiratory muscles are present in the cervical spinal cord, and those of the main expiratory muscles are located in the thoracic spinal cord. We considered that the preoperative decrease of %VC in CSM was due to weakness of the respiratory muscles. Respiratory dysfunction is considered to be one form of impairment in CSM.
  • 特に胸肩峰動脈胸筋枝について
    井出 行信
    歯科基礎医学会雑誌
    1995年 37 巻 4 号 255-275
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    大胸筋は前胸壁に広がる不正三角形の筋で, 起始部の位置より鎖骨部, 胸肋部, 腹部の三部に分けられている。また, 大胸筋へ分布する動脈は胸肩峰動脈とされている。近年, 臨床領域では頭頸部悪性腫瘍摘出後の再建手術として様々な筋皮弁手術が行われており, その中で大胸筋皮弁は使用頻度の高い方法として注目されている。これまで, 筋皮弁の血行形態について様々な研究が臨床領域においてなされてきた。一方, 解剖学的には, 胸肩峰動脈については腋窩動脈からの起始形態, 胸筋枝については大胸筋における筋内分布が報告されているが, いずれも見解は一致していない。また, 大胸筋上の皮下組織における動脈分布については報告は少なく, 不明な点が多く残されている。本研究では, 肉眼的剖出と血管造影法により, 大胸筋-皮下組織における起始から走行, さらには組織内分布にわたる一連の血管分布について究明を試みた。
  • 堀田 訓久, 平 幸輝, 竹内 護
    日本臨床麻酔学会誌
    2018年 38 巻 1 号 110-113
    発行日: 2018/01/15
    公開日: 2018/03/08
    ジャーナル フリー

    超音波ガイド下神経ブロックの進歩において,胸壁の末梢神経ブロックは比較的新しい神経ブロック手技である.PECS(pectoral nerves)ブロックや前鋸筋膜面ブロックをはじめとする胸壁の末梢神経ブロックは,筋膜間の神経血管面に局所麻酔薬を投与するコンパートメントブロックである.内側・

    外側胸筋神経
    のほか,肋間神経外側皮枝や前皮枝などの遮断により,前胸部や側胸部の鎮痛効果が得られる.また,これらの神経ブロック手技は,合併症リスクが低いと考えられており,硬膜外麻酔や胸部傍脊椎ブロックの代替法として普及しつつある.臨床研究や臨床経験の報告が増えており,有効性を示すエビデンスの蓄積が期待される.

  • 堀江 正司
    岡山医学会雑誌
    1992年 104 巻 1-2 号 57-62
    発行日: 1992年
    公開日: 2009/03/30
    ジャーナル フリー
    A well-developed nervous branch supplying the upper lateral cutanea of the arm, which arose from the suprascapular nerve, ran beneath the acromio-clavicular joint and penetrated the deltoid muscle, is described. In usual cases, this branch is thin and sometimes referred to as the accessory upper lateral cutaneous branch of the arm (Murakami) (or subacromial cutaneous nerve, Yamada). Some unusual supraclavicular nerves, which penetrated the clavicular bone or ran under this bone, are also described.
  • 高藤 豊治, 守屋 厚, 横山 寿光, 神林 隆幸, 斎藤 嘉代, 五十嵐 純, 佐藤 泰司
    杏林医学会雑誌
    1990年 21 巻 2 号 187-193
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    著者らは日本人成人20体,40体側例を検索し,きわめて稀な筋性腋窩弓muskuloser Achselbogenの1例(93歳女性の左側)を認めた。この腋窩弓は広背筋停止腱の近くで広背筋前縁の筋束の一部が前方に分離し,腋窩中央で2分する。この内の一束は分岐直後にさらに2分し,烏口突起と大胸筋腹部下縁に平行して並ぶ筋束として腹部筋膜に停止し,他の筋束は腹部筋束の深層を下走し,その筋膜上に終わっていた。この腋窩弓には広背筋側からは胸背神経からの枝が,胸筋側からは内側胸筋神経の枝が分布していた。尚,腹部に停止する浅深2葉の筋束には内側胸筋神経の主幹から各々独立して分岐した枝が分布していた。上記の所見から,今回遭遇した筋性腋窩弓は広背筋の一部の筋束と哺乳動物でよく発達している皮下胸筋の遺残が胎生初期に合して形成したものと考えた。
  • 村田 寛明
    日本臨床麻酔学会誌
    2019年 39 巻 2 号 184-192
    発行日: 2019/03/15
    公開日: 2019/04/19
    ジャーナル フリー

    胸壁で超音波ガイド下神経ブロックを行う際の注意点について胸部傍脊椎ブロックとPecs blockに焦点を当てて概説する.これらの超音波ガイド下神経ブロックでは標的とする神経が描出されないため,薬液を注入するコンパートメントを同定することが重要である.解剖を意識したプローブ操作が必要であり,各ブロックに共通の注意点は気胸と血管誤穿刺を回避することである.

  • 日本臨床外科医学会雑誌
    1983年 44 巻 7 号 762-794
    発行日: 1983/07/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
  • 古田 一徳, 朝戸 裕, 下山 豊, 坂田 道生, 宮部 理香
    医療
    1999年 53 巻 12 号 782-786
    発行日: 1999/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我々の行っている乳癌に対する内視鏡下腋窩リンパ節郭清術の最大の利点は, 従来法の手術に比べて, 腋窩の深胸筋膜の切開を行わず, 術後の腋窩のひきつれがなく, 肩関節の可動域の回復が非常に良好であり, リハビリテーションによる癒痛が軽いことである. また, 腋窩の傷が目立たず, 入院期間の短縮が可能であるなどである. 問題点として, 保険適応が現在のところない. 小範囲であるが, 皮下気腫が生じるなどがある.
    内視鏡下甲状腺切除術については, 利点としては従来の手術では, 疾患によらず, 前頚部の皮膚切開は両側に広範囲になることが多く, 手術瘢痕は人目に付きやすい. 内視鏡下手術では手術創は完全に下着によって被覆される. 合併症で反回神経の損傷についても, 内視鏡下手術では, 良好な拡大視野のために, 反回神経損傷は最小限に抑えられる. 今後の課題は, 手術時間の短縮である.
    これら内視鏡下手術とも手術に対する習熟や手技の工夫, 手術器具の開発がなされることで, 他の内視鏡下手術と同様に手術時間の短縮とともに今後, 適応の拡大がはかれると思われる.
  • 山門 浩太郎
    肩関節
    2012年 36 巻 2 号 775-778
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/10/25
    ジャーナル 認証あり
    Background: The purpose of this study was to examine the effectiveness of an arthroscopicaly placed catheter adjacent to the suprascapular nerve for controlling postoperative pain following arthroscopic rotator cuff repair (ARCR).
    Methods: This prospective, randomized study included 40 patients, who had 48-hour pain pump with 0.2% ropivacaine infusion and a continuous rate of 3 mL/h administrated via an arthroscopicaly placed catheter following ARCR with arthroscopic release of the superior transverse ligament: 21 patients had a continuous suprascapular nerve block (aSSN group), and 19 patients had a continuous subacromial bursal block (SAB group). Evaluation methods were rating the pain using the visual analogue scale (VAS, 0 - 100 mm) at 6 hours, 1st post-operative day, and 2nd post-operative day. The total number of additional pain reduction attempts was also counted during the first 3 post-operative days.
    Results: There were no differences between the study groups preoperatively. VAS scale of the aSSN group and SAB group were 9.0 and 19.0 (p = 0.12) at 6 hours post operation, 24 and 45 (p = 0.019) at the 1st post-operative day, 19 and 40 (p = 0.0060) at the 2nd post-operative day, and 18 and 28 (p = 0.21) at the 3rd post-operative day, respectively. The total number of additional pain reduction attempts of the aSSN group and SAB group were 0.3 times and 1.5 times (p = 0.0020), respectively.
    Conclusion: Placement of a pain catheter adjunct to the suprascapular nerve for delivery of ropivacaine was highly effective in controlling postoperative pain, and was thought to be effective to reduce post-operative pain in ARCR.
  • 荒川 高光
    理学療法学
    2010年 37 巻 4 号 263-265
    発行日: 2010/06/20
    公開日: 2018/09/12
    ジャーナル フリー
  • 河田 恭孝, 庄司 和彦, 宮田 耕志, 篠原 尚吾, 平野 滋, 児嶋 久剛
    耳鼻咽喉科臨床
    1997年 90 巻 1 号 85-88
    発行日: 1997/01/01
    公開日: 2011/11/04
    ジャーナル フリー
    The pectoralis major myocutaneous flap (PMMC flap) is extremely popular in head and neck reconstruction. This flap has many advantages over local cutaneous flaps, free flaps, and fasciocutaneous flaps. At our institute, this flap is the first choice among the various reconstructive methods used for the correction of tongue defects after primary tumor resection. We experienced synchronized contraction of the PMMC flap with adduction of the ipsilateral arm over a 1 year postoperative period. After severing of the nerves innervating the flap, this unusual contraction disappeared.
  • 横山 寿光
    杏林医学会雑誌
    1992年 23 巻 4 号 539-555
    発行日: 1992/12/31
    公開日: 2017/02/13
    ジャーナル フリー
    日本人成人遺体25体,50体側の大胸筋の栄養動脈を検索した結果を報告する。筋全体に分布する動脈の起始部と分布状態により6型に分類した。I型:胸肋部と腹部の内側に内胸動脈(Tin)が,鎖骨部全体と胸肋部の外側に胸肩峰動脈(Ta)が,腹部に腹部動脈(Pab)が分布し,各々単独枝で鎖骨下動脈および腋窩動脈から起始する。II型:TaとPabが共同幹を形成。III型:PabがTa以外の動脈と共同幹を形成。a型:Pabが腹部に分布する。b型:Pabが腹部から欠如。これらの型で最も高頻度はI-a型で40.0%,次いでII-a型で26.0%であった。鎖骨部下半と胸肋部の上1/3に分布するTaの枝の上部枝は,C型(胸筋枝から分枝)が最大で(46%),次いでB型(三角筋枝から分枝)が22.0%出現した。Pabは5%以上の分布面積比をもつa-2型が68%出現した。各動脈の分布面積比の平均はTinが41.8%,Taが50.4%,Pabが9.3%で,本筋の栄養動脈の数と出現率は3本が80%,2本が16%であった。
  • 日本ペインクリニック学会誌
    2004年 11 巻 3 号 205-211
    発行日: 2004/06/25
    公開日: 2009/12/21
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  • 松尾 輝政
    日本臨床麻酔学会誌
    2022年 42 巻 2 号 181-186
    発行日: 2022/03/15
    公開日: 2022/05/13
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    近年,経カテーテル的大動脈弁留置術など低侵襲心臓手術が普及している.胸骨正中切開と比べ創部は小さいが,術後の疼痛コントロールは依然として重要である.術後痛は患者の全身状態を悪化させる主要な因子であり,呼吸・心血管機能などに影響を及ぼしたり,遷延性術後痛をもたらしたりする.患者の生活の質を保つためにも,術後痛管理は非常に重要である.心臓外科手術の術後痛対策として,最近胸壁の神経ブロックが注目されている.出血等の合併症に注意しながら,これらのブロックを活用することで,心臓外科手術においてより良好な術後鎮痛を提供できる可能性がある.

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