らい患者の側頭骨内顔面神経, 前庭神経, 聴神経へのらい菌感染を検索するために, らい腫らい3例の病理解剖例より側頭骨を採取した. 脱灰操作の後パラフィン包埋を行い連続切片を作製し, 10枚ごとにHE染色を行い解剖学的指標としその前後を免疫染色に用いた. 抗ニューロフィラメント抗体, 抗MBP (Myelin Basic Protein) 抗体, 抗BCG抗体, 抗PGL抗体 (M. leprae specific phenolic glycolipid-1) を用いてABC法による免疫染色を行った. 1例で, 顔面神経のみへのらい菌感染を確認した. しかし, この例においても神経線維や髄鞘の損傷は形態学的に認められなかった. この結果は中枢神経感染の可能性を示唆するものである.
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