国産ワカメ小売価格は,圧倒的な市場シェアを占める外国産ワカメ小売価格と比較して,数倍の価格水準を実現している。しかも,消費スタイルに適応した乾燥カット・ワカメが中心となっている外国産ワカメ商品に対して,国産ワカメ商品はこの価格差を実現できている。もし,単純な価格競争であれば,ワカメ養殖業は存在せず,主産地は漁村崩壊の危機に立たされていたであろう。
本研究は,このような国産ワカメ小売価格水準を実現可能にした競争力の解明などを目的としている。
官能評価,消費者・量販店アンケート,商品分析などを行った結果,国産ワカメの競争力は,産地名,すなわち産地ブランドが大きな要因であると考えられた。その背景として,消費者が長期に亘り国産ワカメを購入し続けたことによって親しみが生まれ,それらなどが蓄積してブランド・エクイティを形成し,競争力につながったと考えられた。
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