本実践では、五線譜の知識の有無に関わらず、誰もが参加しやすい合奏の実現を目指して、視覚支援教材の開発を行なった。円形のアニメーションである本教材は、中心から円周に向けてノーツが動くことで発音のタイミングを示す。実際の音楽科授業では、プロジェクタを用いて本教材を床面に投影した上で、その周囲を囲むように生徒が座り、ハンドベル合奏を行った。その結果、ノーツの大きさを分けることで、生徒が音の強弱に意識を向け、音楽的な見方・考え方を働かせながら合奏に参加できることが示唆された。
特別支援学校高等部の音楽授業において、個別最適なギター学習と協働的なギター合奏を一体として実現する観点から、アニメーションを用いた視覚支援教材を開発した。知的障害のある生徒(30名)に対し、本教材を取り入れた授業実践(全9回)を行った。第1,7,9回目授業後に計3回の質問紙調査を実施した結果、本教材を取り入れた音楽授業により音楽全般およびギター演奏に関する感情的な側面がポジティブに高まること、演奏スキルが向上することが明らかとなった。
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