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クエリ検索: "宇宙赤外線背景放射"
6件中 1-6の結果を表示しています
  • 中村 良介, 松浦 周二, 船瀬 龍, 矢野 創, 森 治, 津田 雄一, 吉田 二美, 高遠 徳尚, 小久保 英一郎
    日本惑星科学会誌遊星人
    2012年 21 巻 3 号 253-259
    発行日: 2012/09/25
    公開日: 2017/08/25
    ジャーナル フリー
    原始太陽系円盤を構成していた初期物質を探るためには,惑星形成時の熱変成の影響を免れた小惑星・彗星・惑星間塵といった小天体の研究が不可欠である.なかでも木星のラグランジュ点付近に存在するトロヤ群小惑星は,小惑星と彗星の間をつなぐ天体であり,原始太陽系円盤の物質分布や微惑星の成長・移動プロセスを調べる上で重要なターゲットである.本稿では,日本が世界に先駆けて実証したソーラー電力セイル技術を用いたトロヤ群小惑星探査ミッションを提案する.この探査は(1)トロヤ群小惑星の詳細な物質組成や熱史・衝突史を調べることで,その起源と進化を明らかにする, (2)惑星間塵の空間分布を測定することで,彗星・小惑星からの生成率や軌道進化に関する理解を深め,その結果を他の惑星系に応用する, (3)惑星間塵の影響の少ない小惑星帯以遠からの
    宇宙赤外線背景放射
    観測によって,宇宙初期に形成された第一世代の星を調べる,という科学目標をあわせ持つ,惑星科学・天文学・宇宙工学の融合ミッションである.
  • 福島 洋介
    航空宇宙技術
    2021年 20 巻 142-153
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/08
    ジャーナル 認証あり

    This paper describes the concept validation process of an onboard inertial platform by means of a motion stage as the low-cost supplementary device for the attitude control subsystem of ISAS/JAXA sounding rockets. The proposed device is a HEXA 6 DOF parallel robot consisting of parallel links with one moving plate to make up a motion stage, aiming at achieving the resolution of changing in its attitude angle is 0.1 degree. In addtion, this device is equipped with a single axis spin table installed on the top of the moving plate to enhance the spin dump/suppressing ability. The flight experiment has been performed January 2020 using S-310-45 rocket with successfully obtained telemetry data enough to conclude that this approach can be one of options for the low-cost attitude control assistant device.

  • 森 治, 佐伯 孝尚, 白澤 洋次, 加藤 秀樹, 船瀬 龍, 大野 剛, 松本 純, 中条 俊大, 菊地 翔太, 寺元 祐貴, 矢野 創, 中村 良介, 松浦 周二, 川口 淳一郎
    日本航空宇宙学会誌
    2015年 63 巻 4 号 117-122
    発行日: 2015/04/05
    公開日: 2017/06/12
    ジャーナル フリー
    ソーラー電力セイルはソーラーセイルにより燃料を節約できるだけでなく,太陽から遠く離れた場所でも,大面積の薄膜太陽電池を利用して探査機に十分な電力を確保できる.ソーラー電力セイルで得た電力を用いて,高性能なイオンエンジンを駆動すれば,ソーラーセイルと合わせたハイブリッドな推進が可能となる.JAXA ではこのコンセプトを踏まえ,ソーラー電力セイルによる外惑星領域探査計画を提案している.本計画では,日本独自の外惑星領域探査技術を確立し,日本が太陽系探査を先導すること,および,新しい科学分野であるスペース天文学等を切り拓くことを目指している.本稿では,本計画について紹介し,初期検討結果を示す.
  • 武藤 恭之, 大西 利和, 河野 孝太郎
    日本物理学会誌
    2019年 74 巻 4 号 201-209
    発行日: 2019/04/05
    公開日: 2019/09/05
    ジャーナル フリー

    南米チリのアタカマ高地に建設されたALMA(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array)は,波長が約3 mmから0.3 mmまでの電波(ミリ波・サブミリ波)を捉える世界最大の電波干渉計である.この望遠鏡は,これまでにない空間解像度・イメージング能力・感度を併せ持ち,宇宙における様々な現象について,革新的なデータを提供すると期待されている.ALMAは日本を含む東アジア・北米・欧州の三地域の協力によって建設・運用がされており,天文の分野としては初の大規模国際協力プロジェクトでもある.

    ALMAは,66台のアンテナから成る電波干渉計である.その建設途中であった2011年から「初期観測運用」と呼ばれるサイエンス観測が開始された.当初は16台のアンテナによる観測から始まったが,それでもなお,既存の望遠鏡を遥かに凌ぐ感度を有し,宇宙物理学の様々な分野において,価値あるデータを多数得ることに成功した.2014年6月には全てのアンテナが揃い,本格運用の段階に入りつつある.

    ALMAによって得られた成果は多岐にわたるが,ここでは,「星形成」をキーワードにその一部を紹介する.

    まず,ALMAにより,赤外線銀河背景放射をほぼ100%点源に分解することに初めて成功した.赤外線銀河背景放射は,過去の宇宙における天体形成史のうち,ダストに隠された部分の積分であると考えられており,その担い手を特定していく上で大きな前進をもたらした.また,宇宙再電離期の銀河において,多量のダストや電離した酸素の検出に成功し,宇宙最初期の重元素生成シナリオに対して新たな挑戦を突き付けている.

    また,ALMAは,現在の宇宙における星形成過程の研究にも新しい展開をもたらしている.

    第一に,これまで謎に包まれた部分の多かった,太陽の数10倍程度の質量を持つ「大質量星」について,その形成現場を直接観測して温度・速度などの基本的な物理量の情報を得ることが可能になった.その結果,星間空間における濃いガス塊の衝突が,大質量星の形成メカニズムとして重要である可能性が示唆される.

    第二に,小質量星の形成においても,まさに星が生まれつつあるガス雲に,複雑な構造が存在することを明らかにした.この構造の解析から,例えば,激しい力学過程の中で多重星の系が生まれるというような星形成の描像を,観測に基づいて直接描いていくことができるようになった.

    さらに,ALMAは,若い星の周囲の原始惑星系円盤を,これまでにない空間解像度で観測することに成功している.その結果,細いリング状の構造や三日月状の構造など,これまでに想定をしていなかったような豊かな構造が円盤に存在していることが分かってきた.このような構造が,惑星形成や円盤の物理とどのように関係しているのか,活発な議論がなされている.

    以上のように,ALMAはこれまでの観測で,宇宙物理学の様々な分野において革新的なデータをもたらし,これまでの常識を覆すに足る観測を多く出してきている.今後も,星形成に関係した分野のみならず,我々の考える宇宙の姿が大きく変わっていくかもしれない.その進展が大いに期待されるところである.

  • 小玉 英雄, 吉野 裕高
    日本物理学会誌
    2018年 73 巻 11 号 752-761
    発行日: 2018/11/05
    公開日: 2019/05/24
    ジャーナル フリー

    すべての自然現象を統一的に記述する究極理論の構築は,理論物理学者の夢である.その実現における最大の難関は,重力理論と量子論を整合的に融合した量子重力理論をつくることである.この難関を摂動論レベルで克服したのが,超弦理論である.超弦理論は,また,他の量子重力理論候補と異なり,重力を含むすべての相互作用と物質が有機的に結合して理論の整合性を生み出していて,真の統一理論といえる.しかし,超弦理論が究極理論の候補となるには,まず,なんと言っても,低エネルギーでの有効理論として我々の知る自然の基本法則を再現することが必要である.

    Minkowski時空を真空解としてもつことと量子論の無矛盾性を要請すると,超弦理論は10次元時空の理論となる.我々の住む宇宙は4次元に見えるので,まず,4次元と10次元の関係を説明しないといけない.その方法として最もポピュラーなものは,余分な次元が小さく縮んでしまい,低エネルギーの状態では見えなくなるとするコンパクト化という方法である.整合的な10次元超弦理論として,これまでにヘテロ型,IIA型,IIB型など複数の理論が作られており,コンパクト化の詳細は理論ごとに異なるが,一般的には,余剰次元を担う多様体の構造,背景場の配位,ひもの高次元的な拡張であるブレーンの数や配置により指定される.これまでに数億のコンパクト化が計算機の力を借りてチェックされ,ゲージ群やフェルミ粒子の種類・世代数が標準模型と一致するものが発見されているが,未だ,ゲージ結合係数の値,湯川結合の構造と値などすべての点で標準模型を再現するものは見つかっていない.可能なモデルは,例えばIIA型理論だけでも1015個も存在し,そのすべてを計算機で調べ尽くすのは現状では不可能である.また,加速器実験などの地上実験により新たな情報を得る可能性も現状では難しい.

    このような状況で,コンパクト化の構造を探る新たなアプローチとして注目されているのが,隠れたセクターが引き起こす宇宙現象を用いる方法である.超弦理論に共通に含まれるフォーム場と呼ばれる一般化された10次元ゲージ場は,コンパクト化により,アクシオンと呼ばれる4次元擬スカラー場を生み出す.その種類は余剰次元の位相構造が複雑になるほど多くなる.また,その相互作用強度や質量は,余剰次元サイズやブレーン配位についての情報を担っている.

    アクシオンの質量maは,10-10 eV以下の範囲でlog maでみて広く分布していることが期待されるが,これらの微小質量アクシオンは,コンプトン波長が宇宙スケールとなるため,様々な宇宙現象を引き起こす.とくに,ma=10-10~10-20 eVの範囲にあるアクシオン場は,太陽の1~1010倍の質量をもつ回転ブラックホールの近傍で不安定となり,ゼロ点振動を種として,ブラックホールの周りにアクシオンの雲を形成する.これらの雲は,回転により定常的に重力波を放出すると共に,非線形相互作用によりしばしばバースト的重力波を放出する.我々の銀河内ないし近傍の銀河でこの現象が起きれば,現在稼働中の重力波干渉計や将来の衛星を用いた重力波干渉計で検出可能であり,重力波観測により超弦理論コンパクト化を探る道が開かれる.

  • 橘 省吾, 澤田 弘崇, 岡崎 隆司, 高野 淑識
    地球化学
    2014年 48 巻 4 号 265-278
    発行日: 2014/12/25
    公開日: 2015/01/06
    ジャーナル フリー
    Hayabusa2 is the sample return mission to the near-Earth C-type asteroid (162173) 1999 JU3 (2014–2020). Samples from C-type asteroids, which are abundantly present in the asteroid belt and of which reflectance spectra resemble those of carbonaceous chondrites, may well preserve the information covering the entire history of the Solar System; the epoch prior to the birth of the Sun, planetesimals and planet formation including a behavior of volatiles to terrestrial planets. Moreover, asteroidal surface samples record current surface geological processes and the dynamical evolution of small bodies in the Solar System, which are not recorded in meteoritic samples. The Hayabusa2 spacecraft will launch off in 2014, and arrive at the asteroid 1999 JU3 in mid-2018. Investigations by several remote sensing techniques and sample collections at three different locations will be carried out during its 18-month stay. The spacecraft will return to Earth with asteroidal samples in December 2020. In this article, we describe the outline and cosmochemical rationales of the Hayabusa2 mission with its significance in primitive small body exploration missions.
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