詳細検索結果
以下の条件での結果を表示する: 検索条件を変更
クエリ検索: "宮城県立拓桃支援学校"
6件中 1-6の結果を表示しています
  • 櫻田 博
    日本重症心身障害学会誌
    2014年 39 巻 1 号 43
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/08/25
    ジャーナル フリー
    Ⅰ.はじめに 私は、石巻支援学校長として勤務していたときに震災を経験し、児童生徒の安否確認や避難所運営、学校再開へ向けた取組を経て学校教育の復興等に向けた様々な取組を行った。震災では、4名の児童生徒が家庭で津波の犠牲になった。そこで、災害から障害がある子どもの命を守るために何が必要か?また、災害に対してどんな準備をすればよいのか?体験から学んだことを中心に報告したい。 Ⅱ.東日本大震災時の概要 1.被害状況     ① 児童生徒:4名が津波の犠牲、全壊・半壊:51名(157名の内、約3割) ② 教 職 員:全員無事、全壊・半壊21名(約2割) 2.避難所の運営 3/11~5/8(約2カ月)最大で81人(介護高齢者21人 在籍者13人) 3.学校再開日 5/12(学校再開まで心理的ケアを目的とした家庭訪問2回)  Ⅲ.まとめ  東日本大震災から学んだ教訓として次のことが挙げられる。  1.危機管理マニュアルの見直し ① 津波を想定した通学バス避難場所の指定 ②地区割り担当者の決定 ③災害用児童生徒名簿の整備(緊急時の連絡先一覧と避難場所の掲載) ④災害用備蓄品の整備(食料、発電機、ラジオ)・医療的ケア児童生徒の持ち出し物品の整備 ⑤体験的防災教育の推進(教育課程の編成、防災教育力の育成、SOSファイルの作成) 2.関係諸機関との連携 大災害時は、学校独自の力だけでは困難を乗り切ることはできない。普段から各学校が関係諸機関と協力関係を構築しながら連携を点から線へ(継続性)そして面へ(広域性)と拡充・発展させる必要がある。 3.障害児の理解・啓発 学校を積極的に公開するとともに、学校間交流や居住地校学習の深化・拡充を図りながら障害児の理解・啓発活動を充実させることが重要である。石巻支援学校では、PTAを中心に障害児の理解・啓発活動として「ハートバッチ運動」が展開されるようになった。 4.特別支援学校の役割 大災害時に障害児が地域の小・中学校等で避難所生活を送れることが最も望ましい社会の姿であろう。しかし、どうしても地域での避難所生活が立ちゆかない場合は、特別支援学校が最後の砦として避難所を開設する使命を担っていると考える。 5.学校の危機管理能力の向上 危機管理能力は、イマジネーション力である。不安感情をコントロールし、具体的・組織的行動力に変えていくことが、今学校に問われている命題である。
  • 櫻田 博
    日本重症心身障害学会誌
    2013年 38 巻 2 号 233
    発行日: 2013年
    公開日: 2022/04/28
    ジャーナル フリー
    私は、石巻支援学校長として勤務していたときに震災を経験し、児童生徒の安否確認や避難所運営、学校再開へ向けた取組を経て学校教育の復興等に向けた様々な取組を行った。震災当日は、小・中学部の卒業式で高等部は臨時休業日。小・中学部は、卒業式を終え、全員下校後であった。学校には津波は来なかったものの、甚大な被害を受けた。4名の児童生徒が津波の犠牲になった。また、約3割の児童生徒の家屋が全壊・半壊状態にあった。幸い教師は全員無事であったが、約2割の教師が家を失った。学校は震災当日から避難所になり、3月11日から5月8日まで約2カ月間避難所運営を行った。最大で81人の避難者がおり、その中には介護が必要な高齢者21名、在籍児童生徒が延べ13人利用した。避難所運営の当初の課題は食料がなかったことである。食料調達のために教職員は奔走した。それを救ってくれたのは、近隣の地域住民であった。地域の農家や工務店、議員等が食料提供を申し出てくれたのである。食料や水等の公的な支援が入ったのは、避難所申請をした震災後5日後からであった。また、県内の特別支援学校および高校、宮城教育大学等からのボランティアを有効活用して避難所運営を行った。学校再開は、5月12日であった。学校再開へ向けた取組として、家庭訪問を2期に分けて実施し家庭状況の把握に基づく心理的ケアを継続して行った。 東日本大震災から学んだ教訓として次のことが挙げられる。 (1)危機管理マニュアルの見直し ア 津波を想定した通学バス避難場所の指定 イ 地区割り担当者の決定 ウ 災害用児童生徒名簿の整備(緊急時の連絡先一覧と避難場所の掲載) エ 災害用備蓄品の整備(食料、発電機、ラジオ)・医療的ケア児童生徒の持ち出し物品の整備 オ 体験的防災教育の推進(教育課程の編成、防災教育力の育成、SOSファイルの作成) (2)関係諸機関との連携 大災害時は、学校独自の力だけでは困難を乗り切ることはできない。普段から各学校が関係諸機関と協力関係を構築しながら連携を点から線へ(継続性)そして面へ(広域性)と拡充・発展させる必要がある。 (3)障害児の理解・啓発 学校を積極的に公開するとともに、学校間交流や居住地校学習の深化・拡充を図りながら障害児の理解・啓発活動を充実させることが重要である。石巻支援学校では、PTAを中心に障害児の理解・啓発活動として「ハートバッチ運動」が展開されるようになった。 (4)特別支援学校の役割 大災害時に障害児が地域の小・中学校等で避難所生活を送れることが最も望ましい社会の姿であろう。しかし、どうしても地域での避難所生活が立ちゆかない場合は、特別支援学校が最後の砦として避難所を開設する使命を担っていると考える。 (5)学校の危機管理能力の向上 危機管理能力は、イマジネーション力である。不安感情をコントロールし、具体的・組織的行動力に変えていくことが、今学校に問われている命題である。 略歴 櫻田 博(さくらだ ひろし) 
    宮城県立拓桃支援学校
    校長 東北大学教育学部・教育心理学科卒業後、宮城県内の中学校に7年間、特別支援学校に13年間勤務。 その後、特殊教育センター指導主事、特別支援学校教頭、中学校長、特別支援教育室副参事、石巻支援学校長を経て現在に至る。東日本大震災時は、石巻支援学校長として震災対応や避難所運営に当たり、その経験を踏まえて各種雑誌や講演等で「学校の危機管理体制」について提言している。
  • 伊東 宗行, 田中 総一郎
    日本重症心身障害学会誌
    2014年 39 巻 1 号 39-40
    発行日: 2014年
    公開日: 2021/08/25
    ジャーナル フリー
    2011年3月の東日本大震災の被害は甚大で、世界中から救援、復旧のために多くの援助と励ましをいただいたことを感謝する。被災地では復興と防災対策に取り組み2年余を経過したが、多くの犠牲を払い未解決の課題を残している。本シンポジウムは災害時に特別な援護を必要とする障害者、特に重症心身障害児(者)が受けた被害状況とその救援・支援について当時の実践者が検証し、今後の大規模災害時の具体的な対策を提言することを目的に企画された。被災当初から支援活動に尽力された5名のシンポジストによって医療、教育、福祉、行政の専門領域の視点から現場の状況と対応を報告し、今後の対策について課題と解決策を提言し、参会者とともに討論を行い、災害弱者への重要な支援策を共有することができた。 シンポジウムの前半は、福島整肢療護園・吉原康診療部長が東日本大震災発災時の福島原発事故による医療施設の緊急対応、主に患者の避難移動状況を報告し、通常時の避難訓練と情報確認の重要性を強調し、
    宮城県立拓桃支援学校
    (前石巻支援学校)・櫻田博校長は前任の石巻支援学校で被災し、直後から学校が地域の避難所になった2カ月間の運営を経験し、当時の避難活動の教訓をもとに、特別支援学校の役割と危機管理マニュアルの見直し等を提言した。後半は、社会福祉法人りとるらいふ・片桐公彦理事長が2007年中越沖地震等において被災地の障害者福祉施設の支援活動の実績から、東日本大震災直後から障害者入所施設での外部からの支援をビジターコーディネートとして組織的に実践したことを報告するとともに、災害時のコーディネート機能の特性と重要性を述べ、東北大学小児科(前宮城県拓桃医療療育センター小児科医療部長)・田中総一郎准教授は発災直後から被災地の障害児(者)、施設、支援者等と連携し、切迫する現場のニーズに応え活動した経験をもとに実効ある支援体制と緊急用の医療介護機器の活用等具体的な支援内容を提示した。最後に福井県総合福祉相談所(前厚生労働省障害福祉課障害児支援専門官)・光真坊浩史判定課長は当時、厚生労働省で障害者支援業務を担当し、被災地の障害のある人々および障害福祉サービス事業所の被害状況の把握、支援体制の整備等に従事した経験から現状を再考し、現場ニーズの迅速な集約と救援の組織的対応をきめ細かに実践する重要性を強調された。 東日本大震災の情報は、岩手、宮城、福島の3県が主たる被災地として集約されているが、全国集計(2013年4月10日警察庁発表)では死者15,883人、行方不明者2,681人であり、要援護者である福祉サービス利用者の死亡・行方不明者は54人(2012年10月現在)であった。注目すべきことは、障害のある人が災害時の被害者になる割合が高かったことである。東北3県の沿岸31自治体の調査では被害者数の割合が一般人0.8%に対して障害者手帳所持者は1.5%で約2倍であった(2012年9月24日付、河北新報)。 これらの報道や調査公表に含まれない被害者も多数あったと推測されるが、自力ないし家族の支援のみで避難ができない高齢者、障害者を災害時に支援する「要援護者避難支援計画」について東北3県の沿岸37自治体を対象とした調査では、計画を策定していた24自治体のうち10自治体が「実際には役立たなかった」と回答している(2013年4月、共同通信社)。また、医療を要する障害児113家庭での「福祉避難所」所在の周知度20%、利用者0%と示されたように、重症心身障害児(者)・災害弱者への災害対策は住み慣れた地域での生命と生活の保障のために実効性のある包括的支援体制の整備が喫緊に必要である。
  • 東日本大震災の実情と今後の対策(座長メッセージ)
    伊東 宗行, 田中 総一郎
    日本重症心身障害学会誌
    2013年 38 巻 2 号 231
    発行日: 2013年
    公開日: 2022/04/28
    ジャーナル フリー
    未曽有の災害2011年3月の東日本大震災・大津波は人々に大きな衝撃を与え、世界中から救援、復旧のために多くの援助と励ましをいただき、被災地では復興と防災対策に取り組み2年余を経過した。災害時に特別な援護を必要とする障害者、特に重症心身障害児(者)が受けた被害状況とその救援と支援対応について具体的に検証し、今後の災害対策に役立てることが喫緊の課題である。本シンポジウムは、発災当初の現場の状況と対応および今後の対策・とるべき具体的な備え等について、医療、教育、福祉、行政等の現場・地域で支援活動に尽力された5名の当事者によって各々の専門職の視点から発表していただき、課題と解決策を関係各位と共に協議し、災害弱者への有効な支援策を共有することを目標して企画された。東日本大震災の情報は、岩手、宮城、福島の3県が主たる被災地として集約されているが、全国集計(2013年4月10日警察庁発表)では死者15,883人、行方不明者2,681人であり、要援護者である福祉サービス利用者の死亡・行方不明者は54人(2012年10月現在)であった。注目すべきことは、障がいのある人が災害時の被害者になる割合が高かったことである。東北3県の沿岸31自治体の調査では被害者数の割合が一般人0.8%に対して障害者手帳所持者は1.5%で約2倍であった。(2012年9月24日付、河北新報)これらの報道や調査公表に含まれない被害者も多数あったと推測されるが、自力ないし家族の支援のみで避難ができない高齢者、障害者を災害時に支援する「要援護者避難支援計画」について東北3県の沿岸37自治体を対象とした調査(2013年4月、共同通信社)では、計画を策定していた24自治体のうち10自治体が「実際には役立たなかった」と回答しているので、災害弱者への災害避難対策は住み慣れた地域での生命保護と生活維持に実効性のある組織体制の整備が必要である。シンポジウムでは、前半に福島整肢療護園・吉原診療部長は東日本大震災・津波発災時の医療施設の緊急対応、特に原発事故による患者・利用者の避難移動とその後の実情と課題を提示し、
    宮城県立拓桃支援学校
    (前石巻支援学校)・櫻田校長は支援学校現場での緊急対応の実情とその後の避難活動の経験を通して、学校教育の視点から防災対策を提言する。後半は、社会福祉法人りとるらいふ・片桐理事長は中越沖地震の被災支援の経験を踏まえて、東日本大震災直後から障害者入所施設での支援のニーズを組織的に救援した経過を報告するとともに、災害時のコーディネート機能の重要性を述べ、東北大学小児科(前宮城県拓桃医療療育センター小児科医療部長)・田中准教授は発災直後から被災地の障害児者、施設、支援者等と連携し、切迫する現場のニーズに応え活動した経験を基に実効ある支援体制と具体的な支援内容を提示し、福井県総合福祉相談所(前厚生労働省障害福祉課障害児支援専門官)・光真坊判定課長は発災当時、厚生労働省の障害児支援専門官として業務し、被災地の障がいのある人々および障害福祉サービス事業所の被害状況の把握、支援体制の整備、福祉サービスの提供等に関わった経験から当面の課題と今後の被災者支援体制のあり方を提言する。重症心身障害児(者)の災害時の救護と支援について、関係各位と共に課題を検討し、不測の事態においてもすみやかに対応できる地域の体制づくりと身近な備えを共有する機会となることを強く願う。 略歴 伊東宗行(1937年12月30日生)社会福祉法人新生会みちのく療育園 施設長 1962年 岩手医科大学医学部卒業 1963年 岩手医科大学小児科 1965年 釜石市民病院小児科 1967年 岩手医科大学小児科 1983年 国立療養所釜石病院 院長 2001年 現職 田中総一郎(1964年2月25日生)東北大学小児科 准教授 1989年 東北大学医学部卒業 1992年 国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科 1995年 東北大学小児科 1999年 心身障害児総合医療療育センター小児科 2000年 宮城県拓桃医療療育センター小児科 2012年 現職 震災関連の医療機器や資料の展示のお知らせ 学会会場内に災害時に役立つ緊急用の医療・介護機器の展示と実演コーナーを開催します。てんかんの薬などの医療情報を携帯するための「ヘルプカード」、電源を必要としない「手動式吸引器」や「足踏式吸引器」を実際に動かし、その作動方法や吸引圧を体感してください。 また、各地で防災用のパンフレットや「ヘルプカード」などを作成されていると存じます。お互いに紹介することができましたら、各地域での資料作りに役立つと思います。事前に、東北大学小児科田中総一郎soichiro@rose.ocn.ne.jpまでご連絡願います。供覧しやすいように準備します。
  • ― 東日本大震災における心理的支援のこれからを考える ―
    本郷 一夫, 工藤 与志文, 河村 茂雄, 櫻田 博, 鈴木 満, 石隈 利紀
    教育心理学年報
    2014年 53 巻 258-283
    発行日: 2014/03/30
    公開日: 2014/12/24
    ジャーナル フリー
  • 日本重症心身障害学会誌
    2013年 38 巻 2 号 189-222
    発行日: 2013年
    公開日: 2022/04/28
    ジャーナル フリー
feedback
Top