事務所を対象とした冷暖房熱負荷の簡易計算において，実験計画法による各種熱負荷の推定法について解説し，代表地点の札幌，東京，那覇の最大熱負荷ならびに年間熱負荷の傾向について報告する。具体的には，各種熱負荷に影響を及ぼす因子と水準を設定する。それらは設定温度や外皮性能等，室内条件や建物条件に関連する。各因子の主効果ならびに因子間の交互作用を検討することで，最終的に各種熱負荷を簡易に推定できるようなデータベースを構築する。

近年は非定常熱負荷計算を用いることが常識となっておりパソコンで計算される。しかしこの方法は入力を慎重にしないと非現実的な値となったり、手軽に熱負荷を求めるときには向かない手法である。入力の手間がなくて手軽に熱負荷を求めることができる手法が必要になるときがある。本稿は、最大負荷、年間負荷が簡単な足し算で、ある一定の精度のもと求められる方法を提案した。またパソコンを利用するとさらに応用範囲が拡大することも同時に提案した。

　The spread of energy saving buildings is desired in recent years. Also, it is necessary to improve quality of buildings energy saving buildings. In this study, we suggest design standard using performance code in office buildings considering locality based on design of experiments, and study the Influence of each design factor on the load of buildings. Also, we study standard city considering regional characteristics and suggest regional correction coefficient considering locality.

デシカント外気処理ユニットと水熱源ヒートポンプユニットを組み合わせた潜顕分離空調システムを対象に，試験結果に基づいて構築したシミュレーションモデルを用いて，システムシミュレーションを実施した．その結果，ユニット間のバランスがシステム全体の効率に大きく影響し，高効率化のためには各ユニットの連携運転や台数制御が重要であること，また，冬期に温熱源として排熱等を導入することで，年間を通して高効率な運転を実現できることを確認した．

冷暖房熱負荷の簡易計算法の研究に基づき、熱負荷を基準とした一次エネルギー消費量及びCO2排出量の計算への拡張し利便を図ったプログラムを開発した。本プログラムにおける、建物用途別・地域別に整理されたデータベースを利用して冷暖房熱負荷を計算する部分と、その結果からEFH法を用いた簡易に一次エネルギー消費量等を計算する部分について、その概要を説明する。

冷暖房熱負荷の簡易計算法に関する研究について、簡易熱負荷計算手順の要旨を報告する。簡易熱負荷計算法で算出可能な地点や建物用途を紹介し、主に手計算で計算する場合の手順および表の見方などの解説を行う。

冷暖房熱負荷の簡易計算法は、様々な計算ケースで年間非定常熱負荷計算を行って得られた熱負荷を、実験計画法を適用して、簡易計算用に熱負荷原単位の形に整理したものである。この年間非定常熱負荷計算を行うためは、専門的な入力条件設定が必要である。昨今の建物条件や室使用条件の変遷を踏まえて、標準的な入力条件を整理したので、事務所を例に、詳細に報告する。