高速道路建設では, 転圧を伴なう土質材料の締固めにおいて締固め層内の均質性を確保するため薄層による締固めを基本としている. しかしながら, 第二東名・名神等に代表される山岳部の道路建設では, 土工量が必然的に増大するため合理的な盛土施工が望まれている. そのため, 筆者らは盛土施工の効率化を目的として, 大型締固め機械による締固め層厚の厚層化に関する現場転圧試験を実施するとともに, 現地試験盛土および室内圧縮沈下試験を実施した. 一連の試験結果から, 締固め層厚60cmまでの厚層化は可能であり, かつ盛土の圧縮沈下においてその影響が懸念される密度分布の勾配についても, 締固め層内の平均密度を増加させることにより充分抑制できるなどの事実が判明した.
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