全国各地で様々な種類の災害が発生し,精神科医療においても災害対応の必要性が指摘されるようになっている。本稿では,災害対応に関わる精神科医療従事者に知っていただきたい最低限の知識として,広域災害救急医療情報システム(Emergency Medical Information System:EMIS)と事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を中心に概説する。
EMISにおける医療機関の緊急事入力は,病院自体の安否確認であり,発災時には確実な入力が必要となる。また,医療機関支援状況モニターを用いることで,被災病院にどのような支援が実施されているかを,瞬時に確認することができる。
BCPは,病院機能を維持するために必要な非常時優先業務の順位づけを行い,時間軸に沿って確実に実践していくためのものである。急性期対応もできる災害拠点精神科病院の指定要件の一つにもなっている。
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