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クエリ検索: "市立御前崎総合病院"
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  • 赤堀 準, 西下 卓美, 秦野 吉徳
    日本予防理学療法学会 学術大会プログラム・抄録集
    2022年 1.Suppl.No.1 巻
    発行日: 2022/12/01
    公開日: 2023/06/07
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに、目的】

    現在、各地で要介護状態の予防・悪化防止を目的とした介護予防事業(以下、予防事業)が展開されているが、地域の実情により実施状況には各自治体で差が生じている。また、予防事業における最大の事業成果は要介護認定率の低減と考えられるが、成果判定には期間を要すことや様々な交絡因子の影響がある。静岡県御前崎市(以下、当市)では、2003年より行政とリハビリ専門職(以下、専門職)が連携して予防事業を開始した。今回、15年以上に渡り実施してきた当市の予防事業を振返り、予防事業の実施成果を要介護認定率の経年変化と虚弱高齢者割合から推察したので報告する。

    【方法】

    当市予防事業の変遷は、2003年に事業を開始、2007年より住民の互助組織形成を目的に通いの場創設に関わる事業を開始した。その後、事業展開を進めながら、2016年より行政に理学療法士を配置し、更なる推進を図っている。当市の予防事業は、包括的な介護予防の地域づくりを目指し、専門職によるポピュレーション戦略とハイリスク戦略、住民の互助組織創設と支援を主体として、行政と専門職・住民が連携して実施してきた。今回、予防事業の振返りとして、プロセス評価とアウトカム評価を実施した。プロセス評価は、介護予防・日常生活支援総合事業の実施状況に関する調査結果を基に専門職の地域支援事業での活動状況と週一回以上の住民主体の通いの場の参加率を当市と静岡県(以下、県)・全国で比較した。アウトカム評価は、介護保険状況報告を基に2004年から2019年までの要介護認定率の経年変化を当市と県・全国で比較した。また、一般高齢者のうちの虚弱高齢者割合を基本チェックリストの選定基準を基に項目毎算出し、当市と全国で比較した。

    【結果】

    当市専門職の地域支援事業での活動は他自治体と比較して活発な傾向にあった。また、週一回以上の住民主体の通いの場の参加率は、当市3.5%に対して県1.7%、全国2.2%であった。要介護認定率は、2004年時点で当市12.7%、県13.3%、全国15.7%に対して、2019年時点では当市12.7%、県16.1%、全国18.5%であった。また、当市の虚弱高齢者割合は全ての項目で全国より低かった。

    【結論】

    当市の予防事業は他自治体と比較して活発な傾向にあり、要介護認定率は県・全国と比較して低値を推移、虚弱高齢者割合も全国より低かった。近年、予防事業や社会活動と新規要介護認定、フレイル発生等との関係が報告されており、本結果は当市の予防事業の実施成果が影響していると推察できる。しかし、要介護認定率等には様々な要因が影響するため一概に予防事業の実施成果としては捉えられない。ただし、予防事業を長期に渡り実施することは住民の社会性や心身機能の向上に寄与し、結果的に要介護認定率等に影響すると考える。今後も当市では、予防事業の推進を図っていきたい。

    【倫理的配慮、説明と同意】

    本報告は、

    市立御前崎総合病院
    倫理委員会の承認を得た。

  • 戸塚 啓二, 松下 一也
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2012年 22 巻 P1-456
    発行日: 2012/10/10
    公開日: 2019/01/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 戸塚 啓二, 中村 靖子, 松下 一也
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2009年 19 巻 P2-333
    発行日: 2009/09/15
    公開日: 2019/01/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 戸塚 啓二, 川口 尚子, 石黒 森夫, 岡村 正巧
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2008年 18 巻 20-P1-171
    発行日: 2008/09/01
    公開日: 2019/01/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 戸塚 啓二, 川口 尚子, 井出 健治, 岡村 正巧
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2006年 16 巻 30P3-190
    発行日: 2006/09/01
    公開日: 2019/01/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 戸塚 啓二, 岡村 正巧
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2005年 15 巻 P-519
    発行日: 2005/09/01
    公開日: 2019/01/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 酒井 直人, 難波 宏樹, 三浦 克敏, 馬場 聡, 礒田 治夫, 横山 徹夫
    脳卒中の外科
    2010年 38 巻 5 号 342-347
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/04/29
    ジャーナル フリー
    Cerebral amyloid angiopathy (CAA) is an important cause of lober intracerebral hemorrhage in the elderly. Although leptomeningeal and cortical arteries with the deposition of the amyloid β-protein (Aβ) have been thought to rupture in CAA, the pathogenesis of CAA-related hemorrhage still remains obscure.
    We studied 10 cases of CAA according to the Boston criteria from April 2006 to July 2009 in Omaezaki Municipal Hospital. Based on clinical data, we examined the primary site of hemorrhage and hypothesized the mechanisms of bleeding. Intracerebral hematoma evacuation was performed to alleviate neurological deteriolation in 2 patients and to make diagnosis in 3 patients. The surgical specimens were pathologically examined.
    The characteristic MR images of CAA related hemorrhage were characterized by microbleeds, superficial siderosis, subpial or subarachnoid hemorrhage, subcortical hemorrhage and lober intracerebral hemorrhage. Chronological images obtained in 1 patient revealed that lober intracerebral hemorrhage developed from microbleed with subpial hemorrhage without subarachnoid hemorrhage in one side of the cortex in the affected facing cerebral sulci. Operative findings showed subpial and subarachnoid hemorrhages around the cortical veins on the affected cerebral sulci in all cases. Abnormal fragile vessels existed in one side of the cortex of the affected sulci but not in the other side of the cortex. Complete hamatoma evacuation was performed in 4 cases. The surgical specimens of the hematoma and the adjacent brain parenchyma were pathologically examined by tissue staining with hematoxylin-eosin and Congo red. Many vessels in subpial, subcortical and subarachnoid space along the cerebral sulci were deposited with Aβ.
    From these findings, we speculated that the primary hemorrhage related to CAA occurred from the cortical arteries with Aβ deposition in the subpial space along the cerebral sulci and formed a lober intracerebral hematoma. Subarachnoid hemorrhage subsequently occurred due to the destruction of the pia matter by the primary hemorrhage.
  • —いわゆるfar-out syndromeへの低侵襲手術—
    河岡 大悟, 北浜 義博, 南 学
    脊髄外科
    2017年 31 巻 2 号 168-172
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/28
    ジャーナル フリー

      A 70-year-old woman presented with right leg pain induced by walking and standing retention. The symptoms were improved by bending forward. We suspected L5 nerve injury on the basis of neurological findings. We found no lesions in the spinal canal on magnetic resonance imaging and myelography.

      Flow of contrast medium from the foramen into the spinal canal in the right L5 nerve root was smooth. However, the flow was horizontal in the distal nerve root. At the time of contrast medium injection, the patient felt leg pain, but the pain disappeared when xylocaine root block was performed at the same time.

      The L5 nerve root was compressed by the L5S1 osteophytes of the vertebral body with a hernia, L5 transverse process, and sacral wing (kissing area). We diagnosed the patient with L5 nerve root compression or the so-called “far-out syndrome”. We used the percutaneous endoscopic laminectomy (PEL) technique for treating the patient under general anesthesia. An 8-mm skin incision was made just above the kissing area, and then the PEL-dedicated 3.5-mm ultra-long bar was used for partial resection of the sacral wing and transverse process. After peeling off the surrounding soft tissue, we identified the nerve root and removed the fragment.

      Two hours after the operation, the patient was relieved of the leg pain and could walk. She was discharged on the following day post surgery. In this case, we could approach the lesion using the PEL technique without performing a bone elimination of the facet joint. The PEL technique is minimally invasive to the lumbar spine fascia and erector muscle of the spine.

  • 秋山 奈菜子, 並木 奈緒美, 松本 令子, 田草川 純子, 中島 朋子, 堀井 直美
    日本CNS看護学会誌
    2024年 11 巻 supplement 号 57
    発行日: 2024/06/08
    公開日: 2025/01/24
    ジャーナル フリー
  • 鈴木 大介, 木本 理, 澤田 仁, 下山 久美子, 河島 昌典, 向井 知之, 大橋 弘幸, 山村 昌弘, 小川 法良
    日本臨床免疫学会会誌
    2011年 34 巻 3 号 149-153
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/06/30
    ジャーナル フリー
      背景 ミゾリビンは抗リウマチ薬として用いられるプリンアナログである.我々はメトトレキサート(MTX)治療抵抗例におけるミゾリビン(MZB)併用療法の安全性と有効性を検討した.
      方法 米国リウマチ学会の関節リウマチ診断基準(1987年)を満たし,MTXの効果が不十分な31症例(男性9例,女性22例,平均年齢68±12歳)を対象とした.MTXに加えて,MZB一日150 mgを連日単回投与した.DAS28-CRPを投与前,投与後1, 3, 6, 12カ月で評価し,有害事象を記録した.
      結果 DAS28-CRPは投与前の4.4±1.0から3か月,6か月,12か月でそれぞれ3.1±1.3(p<0.01), 2.7±0.68(p<0.01), 2.4±1.4(p<0.01)と有意に改善した.17例(55%)でmoderate response以上の改善を認めた.有効例では投与前の腫脹関節数が無効例に比して有意に少なかった.DAS28-CRPは投与後一か月の時点で有効例(0.91±0.74)では無効例(0.18±0.66)に比べて有意(p<0.01)に改善していた.最終観察時点で,9例(29%)が寛解に至った.有害事象は4例に認められ,感染症が多かったが,重篤なものはなかった.
      結論 MTX治療抵抗例に対するMZB追加併用療法は有効で忍容性がある.
  • 大石 康介, 落合 秀人, 柏原 貴之, 山本 尚人, 大石 俊明
    日本臨床外科学会雑誌
    2005年 66 巻 10 号 2558-2563
    発行日: 2005/10/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は47歳,男性.平成14年7月,検診にて肝酵素の軽度上昇あり超音波検査を施行し,脾内に最大径50mm迄の多発嚢胞を認めた.以後画像検査で経過観察され,増大傾向は認めなかった.平成15年4月,左上腹部痛を主訴に来院し,腹部超音波検査で脾臓に接する後腹膜側に血腫を認めたが,このとき特に外傷,打撲などはなかった.腹部造影CTでは脾門部に平成14年12月のMRIに比べ増大した脾嚢胞と嚢胞内出血を認め,脾被膜下の出血がみられた.特発性脾嚢胞破裂と診断し,翌日のCTで病変部の悪化はなく保存療法としたが,腹痛の増悪があり,開腹下に手術を施行した.脾被膜下の血腫は膿瘍状の腔を形成し,脾門部から後腹膜,膵尾部に繋がっており,膵尾部との剥離は困難であった.このため術式を脾摘,膵尾部切除とした.病理組織診断では,脾嚢胞は膵由来の仮性嚢胞であった.本症例は慢性膵炎による脾内膵仮性嚢胞が脾臓に穿破して脾破裂を起こしたと考えられた.
  • 杉原 守, 大石 康介
    日本臨床外科学会雑誌
    2025年 86 巻 1 号 110-114
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/31
    ジャーナル フリー

    症例は74歳,女性.右鼠径部の膨隆を主訴に受診した.CTで脂肪の脱出した右鼠径ヘルニアと診断し,待機的に手術加療の方針となった.腹腔鏡による観察では腹膜の陥凹は認めなかったが,腹膜を切開し,腹膜前腔を剥離すると,内鼠径輪より鼠径管内に脱出した腫瘤を認めた.腫瘤周囲を剥離すると,円靱帯由来の腫瘍が示唆され,腹腔鏡下に摘出した.腫瘤摘出後の内鼠径輪は2cm程度の開大を認め,メッシュを用いて修復した.腫瘤は病理学的検査で脂肪腫と診断された.術後約1年となるが,再発は認めていない.欧米では腹膜陥凹を認めず,精索・円靱帯脂肪腫や腹膜前脂肪組織の脱出により鼠径ヘルニア様の症状を呈するsacless sliding fatty inguinal hernia(SSFIH)の概念が提唱されているが,本邦では十分に認知されていない.円靱帯脂肪腫によるSSFIHは特に稀であり,文献的考察を加えて報告する.

  • 小泉 貴弘, 大石 俊明, 龍野 玄樹
    日本外科系連合学会誌
    2011年 36 巻 4 号 697-701
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/08/25
    ジャーナル フリー
     巨大な後腹膜嚢胞性リンパ管腫の1切除例を経験した.症例は38歳の男性で右腹部の膨隆を主訴に来院した.腹部超音波検査で右腹部に巨大な嚢胞性腫瘤を認めた.腹部CT検査では腫瘤は下大静脈,十二指腸,膵臓,右側結腸などの圧排を認めた.有症状,確定診断もつかないことより手術を施行した.切除標本は18×14×7cmの嚢胞で内腔面には結節などは認めなかった.病理学的にリンパ管腫と診断された.リンパ管腫は小児に多く,成人での報告は少ない.特に後腹膜リンパ管腫は発生率が0.25%とリンパ管腫の中でも少ない疾患である.良性疾患ではあるが,特に有症状例は手術適応とされている.再発例や後腹膜海綿状リンパ管腫では悪性化例の報告もあり,対処に注意を要する疾患である.
  • *臼井 晴信, 西田 裕介
    東海北陸理学療法学術大会誌
    2012年 28 巻 O-03
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/01/10
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 慢性炎症は、生活習慣病を発症、進行させる一要因である。主に内臓脂肪中の免役細胞により慢性炎症が生じる。免疫細胞は自律神経の支配を受け、慢性炎症は一部自律神経活動により調節されると考えられる。心拍変動の周波数領域解析によるVLF(Very Low Frequency)の低下は、炎症反応や生命予後との関連が認められている。本研究ではVLFを慢性炎症に関与する自律神経活動の指標として用いる。
     先行研究ではストレス負荷後30分以上遅延して炎症指標が増加し、その後持続することが認められている。本研究では心理ストレス課題により、VLFが課題後に遅延・持続して低下するという仮説を検証し、心理ストレスによる慢性炎症に関する自律神経活動の亢進を確認することを目的とする。
    【方法】 健常成人男性10名(26.3±4歳)を対象に測定した。座位による安静10分(課題前安静)の後、Stroop課題を20分間実施し、その後2時間座位による安静(課題後安静)をとった。課題前安静から課題後安静終了までの間、心拍数計(RX-800 Polar社)にて心拍を計測した。心拍のR-R間隔データに周波数領域解析を行い(Memcalc/Tarawa)、課題前安静、課題時、課題後安静10, 20, 30, 45, 60, 90, 120分の各時間のVLF値を算出した。また、BMI、腹囲を測定した。VLF値の変化を課題前安静値で除し、VLF変化率とした。各時間のVLF変化率と身体計測値についてSpeamanの順位相関係数にて関連を検討した。課題後にVLFが課題前安静よりも低下した群をVLF低下群、低下しなかった群をVLF非低下群とし、身体計測値について対応のないt検定により群間で比較した。なお、本研究は聖隷クリストファー大学倫理委員会の承認を得ており、対象者には口頭と文書にて説明し同意を得た。
    【結果】 対象10名中7名において30分程度遅延したVLFの低下を認め、内6名においてVLFの低下は60分以上持続した。45分、60分でのVLF変化率とBMIには中程度の有意な負の相関を認めた(それぞれr=-0.69, p<0.05, r=-0.64, p<0.05)。VLF低下群はVLF非低下群に比べ、体重と腹囲が有意に大きかった(それぞれp<0.05)。
    【考察】 7名で30分程度VLFが遅延して低下し、6名で60分程度低下が持続した。VLF低下の遅延・持続時間は、先行研究におけるストレス負荷後の炎症反応指標の遅延・持続した増加と類似している。ストレス負荷により慢性炎症を生じる自律神経活動が亢進したことを反映すると考えらえる。腹囲、BMIは内臓脂肪量と正の相関が認められている。課題後45分、60分のVLF変化率とBMIに負の相関を認めたこと、VLF低下群で体重と腹囲が大きいことより、内臓脂肪量とVLFの低下しやすさに関連があると考えられる。ストレス負荷による慢性炎症は、内臓脂肪の多い人で生じやすいという先行研究の結果と一致している。本研究の結果は、内臓脂肪の多い人は自律神経機能が低下していることを示唆している。
    【まとめ】 本研究よりストレス負荷により慢性炎症を生じる自律神経活動が亢進することが示唆された。また、内臓脂肪の多い人は自律神経機能が低下している可能性を示唆したことより、理学療法士は自律神経機能の改善を目的とした介入をする必要があると考える。
  • *和久田 未来, 臼井 晴信, 西田 裕介
    東海北陸理学療法学術大会誌
    2012年 28 巻 S-09
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/01/10
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】 疲労感は、発熱や疼痛などと共に身体の異常を認知する重要なアラームの1つであり、理学療法士は個々の疲労を客観的に評価し、疲労の程度に応じて理学療法を変更する必要がある。しかし現在、疲労を客観的に評価する方法としてはfMRIを用いたり、疲労の結果生じるパフォーマンスの低下を評価したりするものが一般的であり、これらの評価方法では、理学療法士が臨床場面で簡便に個々の疲労を評価することは困難である。慢性疲労は自律神経機能障害と関連しているという報告から、疲労感を自律神経活動で評価することができると考えられる。そこで本検討では、一症例の疲労感と自律神経活動の経時的な変化から、疲労感と自律神経活動との関係性について症例検討を行った。
    【方法】
    〔患者情報〕
     本症例は70代女性(身長152.5㎝、体重54㎏)で、H24年3月27日に転倒して左大腿骨頚部骨折と診断され、人工骨頭置換術を施行している。本症例は疲労の訴えが強く、疲労感が強い日は理学療法介入の阻害因子となった。
    〔測定方法〕
     測定期間はH24年5月20日から29日までの9日間で、疲労感と自律神経活動の経時的変化を測定した。疲労感の指標にはVisual analog scale(以下VAS)を使用した。自律神経活動は、心拍計(POLAR RS800CX Polar社製)を使用して背臥位でのRR間隔を5分間測定し、心拍変動解析から副交感神経活動の指標であるRMSSDとHF、交感神経活動の指標であるLF/HFを得た。統計学的分析は、疲労感のVASと自律神経活動との関係性はPearsonの積率相関係数を用いて検討した。さらに、疲労感のVASを従属変数として重回帰分析(ステップワイズ法)を行い、自律神経活動が疲労感へ与える影響を検討した。有意水準は危険率5%未満とした。本検討はヘルシンキ宣言に従い、症例に対して目的を説明して同意を得て実施した。
    【結果】 疲労感のVASと副交感神経活動(RMSSD、HF)の経時的変化では、鏡像現象が観察でき、疲労感のVASと副交感神経活動との間には有意な負の相関関係が認められた(RMSSD:r=-0.71 p<0.05、HF:r=-0.74 p<0.05)。交感神経活動(LF/HF)においては有意な正の相関関係が認められた(r=0.68 p<0.05)。分散分析表の結果は有意で、独立変数のうちHFのみが採択され、寄与率は54%であった(偏回帰係数:0.74、95%信頼区間:[7.48-10.29])。
    【考察】 疲労感は主観的なものであるため、不定愁訴として捉えられがちであったが、本検討より主観的な疲労感の強さは副交感神経活動の退縮によって生じていることが示唆された。慢性疲労の原因は、自律神経の調整に関与する前帯状回でのアセチルカルニチンの代謝異常であると報告されている。アセチルカルニチンはアセチルコリン産生を促進する物質であることから、副交感神経活動と疲労感に強い因果関係が生じたと考えられる。
    【まとめ】 本検討より、副交感神経活動の指標の中でもHFの変動を経時的に評価することで、個人間の疲労感を客観的に評価できる可能性が示唆された。理学療法士が疲労感を評価して、疲労の程度に応じた運動介入やプログラムの変更により、慢性疲労患者のパフォーマンスの向上に寄与できると考えられる。
  • 小泉 貴弘, 大石 俊明, 龍野 玄樹
    日本外科系連合学会誌
    2011年 36 巻 2 号 169-174
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/03/25
    ジャーナル フリー
     胃,大腸にそれぞれ多発癌を認めた膀胱癌を含む3重複癌の1例を経験した.症例は75歳の男性で立ちくらみを主訴に当院を受診した.貧血を認め,上部消化管内視鏡にて胃体下部後壁に3型の胃癌,幽門部に顆粒状隆起を認めた.術前検査でCT,大腸内視鏡検査を行うと直腸にLST,S/D junctionに2型の腫瘍および内腔の狭窄を認め,深部への挿入は不可能であった.以上より,多発癌を伴う胃癌,大腸癌と診断し,幽門側胃切除,結腸部分切除を施行した.術前adenomaと診断された幽門部の顆粒状隆起は病理で高分化腺癌と診断され,胃,大腸ともに多発癌であった.ともに多発癌を担った胃癌,大腸癌の一期的な切除例は報告がなく稀な症例であると考えられた.
  • *八木 裕介, 田島 光和, 秦野 吉徳
    東海北陸理学療法学術大会誌
    2006年 22 巻 O4
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/06
    会議録・要旨集 フリー
  • ~前額部センサーを用いた検討~
    *松下 学
    東海北陸理学療法学術大会誌
    2011年 27 巻 P-084
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/22
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】パルスオキシメータは低酸素血症の非侵襲的評価機器として臨床場面で繁用されており,いまや第5のバイタルサインといわれている.リハビリテーションの現場でもバイタルチェックや運動耐用能の評価,在宅酸素療法導入の指標などに使用される.当院でも慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)患者の低酸素血症の評価に使用しているが運動中または運動後の数値の著しい変動や低下が認められ信頼性に疑問を持った.
    経皮的酸素飽和度(以下SpO2)測定におけるセンサーの種類には手指,足趾,耳朶,前額部などがある.手指センサーは指先に装着でき簡便なため多く領域で最も広く用いられる.しかし体動や低灌流状態などで正確にモニタリングできない場合があることや,ディレイタイムが生じることなどの問題点が指摘されている.手指センサーに対し前額部センサーは低灌流状態や体動,ディレイタイムに感受性が高いとされている.四肢末梢の動脈は交感神経の反応に強く影響を受けるが前額部の血流は内頸動脈から分岐する眼窩上動脈によって供給されるため交感神経系の影響がほとんどなく,末梢血管収縮作用を受けにくい.そのため低灌流状態で四肢での測定が困難な場合は前額部での測定が有効とされている.
    そこで今回COPD患者を対象に前額部センサーを用いて手指測定の信頼性について評価した.
    【方法】対象は当院リハビリテーションセンターに依頼があったCOPD患者12名(男性11名 女性1名 平均年齢80.8±8.31歳).NELLCOR社製パルスオキシメータN-560を使用し,安静時と運動後のSpO2を手指と前額部を同時に測定した.前額部センサーはMax-Fastを使用しヘッドバンドで固定した.手指センサーは粘着テープ式センサーD-25を使用した.5分間の安静坐位の後,修正Borg スケール4程度(多少強い)の歩行を行ってもらい安静時の安定した値と運動後の最低値を記録した.解析方法は対応のあるt検定を用い,有意水準5%未満とした.
    なお本研究は当院倫理委員会の承認後,ヘルシンキ宣言に基づいて被検者に本研究の内容および危険性について説明し同意を得て実施した.
    【結果】安静時手指測定では平均96%±2.76に対し前額部では98±%1.51.平均の差は2.08%前額部が高かった.運動後手指測定では平均89%±6.01に対し前額部では91%±5.91で平均の差は2.25%前額部が高かった.解析結果では安静時,運動後ともに手指に対し前額部が有意に高い(p<0.05)測定値を示した.
    【考察】パルスオキシメータの各社の製品説明書では誤差±2%(測定範囲70~100%),国際規格であるISO9919では誤差±4%(測定範囲70~100%)と表記されている.今回の調査では安静時,運動後ともに手指に対し前額部が有意に高い測定値を認め,平均の差はそれぞれ2%であった.これらの結果よりISO規格の範囲内でSpO2は信頼できるものと考えられる.
    本研究のSpO2モニタリング中,手指測定において激しい変動を認めても,前額部測定では安定的な測定値が得られた.急激な数値の低下や変動は握りこみなどでの異常値である場合もある.特に歩行器を使用した歩行で著しい変動が観察された症例があった.このような数値の変動が激しい場合は前額部センサーの使用が推奨される.
    【まとめ】今回の調査では手指測定に対し前額部測定が有意に高い値を示したが,ISO規格の誤差範囲に留まった.数値の変動が激しい場合には前額部センサーでの測定の必要性が示唆された.
  • 日本血管外科学会雑誌
    2006年 15 巻 2 号 242-245
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/06/08
    ジャーナル オープンアクセス
  • *木村 昌隆, 尾崎 勝彦
    東海北陸理学療法学術大会誌
    2011年 27 巻 P-113
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/22
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】
    多様な生活を送る高齢者がいる現在,施設入所者に関する主観的QOLや幸福感に関する研究の必要性は高い.それらを的確に評価し,影響因子を明らかにすることは,施設その他介護サービスの改善,向上にも貢献できるものと考えた.今回,当老健入所者を対象に,包括的主観的QOL尺度として生活満足度尺度K(以下LSIK),PGCモラールスケール(以下PGC)を使用し,それら得点に影響を与える因子についての調査を行った.
    【方法】
    対象は,平成23年1月1日から同年2月28日までの期間で当老健長期入所中であり,ご本人から同意を得られ,意識障害や認知症,失語症など日常生活上の意思疎通に支障をきたすような著明な障害が認められず,LSIK,PGCの2質問紙計26項目に,二者択一で明確な返答を口頭で行える者とした.個別面接にて質問を行い,回収された2質問紙の各合計点と,対象者の性別,精神疾患既往現病の有無,年齢,入所日数,介護度,訓練時歩行能力,食事形態,Barthel Index(以下BI)合計点,MMSE得点の9項目を変数として統計的な相関を調査した.以上項目は,面接実施日の前後1週間以内のものを使用した.統計処理にはSPSSを使用し,2質問紙得点と性別,精神疾患既往現病有無の有意差の判定には、Mann-WhitneyのU検定を用い,2質問紙得点と年齢,入所日数,介護度,訓練時歩行能力,食事形態,BI合計点,MMSE得点の各相関分析には,Spermanの順位相関係数を用いた.統計的有意水準は5%未満とした.なお,本調査は,
    市立御前崎総合病院
    倫理委員会において承認を得ている.
    【結果】
    質問紙の回収ができた者は,入所者46名中30名(65.2%)であった.内訳は,男性12名,女性18名で,平均年齢83±7.3歳であった.当入所者におけるLSIK平均得点は,5.17±1.8であり,PGC平均得点は,10.9±3.4であった.LSIKとPGC得点は相関が認められた(r=0.789).LSIKとPGC得点とも,性別,精神疾患既往現病有無で有意差は認められなかった.LSIKとPGC得点とも,年齢,入所日数,介護度,訓練時歩行能力,食事形態,BI得点,MMSE得点との明らかな相関は認められなかった.
    【考察】
    本調査では,QOL尺度としてLSIKとPGCを使用した.これらは,後期高齢者を対象とし、包括的なQOLを反映でき,また簡便性に優れた指標であるとされている.因子選定は,現場への応用が容易にできるよう,日常業務より簡易に情報収集できる固体要因とADL機能を反映する9項目とした.主観的QOLは一般人の場合,健康関連項目や生活制限因子が大きく影響するとの報告がある.しかし,今回LSIKとPGC得点では,前記9項目との明らかな相関は認められなかった.また,入所者LSIK平均5.17±1.8は,小谷野らの国内代表サンプルの平均4.6±2.2よりも高い値であった.PGC得点も諸家らの報告にある一般高齢者平均9.9~12.7と,当施設平均10.9±3.4は同等であった.入所すること自体がQOL低下に繋がるとの報告もあるが,本調査では明らかな傾向はみられなかった.これらより,施設生活内での各種サービスや援助により,利用者が自覚的な健康上の不安や,生活上の制限をさほど感じずに生活ができており,一般人と同程度の精神的健康状態を維持できている可能性も示唆される.また,白倉らは回復期リハビリ病棟入院患者の日常生活自立度とQOL評価を比較検討し,ADLとQOLに相関関係は認められなかったとしている.生活期、回復期いずれにせよ機能回復やADL向上を最重点とした現行のアプローチだけでは,患者,利用者の充実した満足度の高い生活には直結はせず,介入や支援の方法について再考していく必要性があると考えられる.今後は,環境因子や家族関係等の社会的因子も考慮し,各QOL尺度の妥当性や傾向なども明らかにしていく.在宅生活中であっても,介護疲れや状態の管理に難渋されている高齢者,ご家族も多いのも現実である.施設利用者の主観的な有用性を実証していければ,社会的にも施設入所生活という選択肢も理解を得られやすくなるのではないかと考えている.
    【まとめ】
    利用者個々のニーズに沿った形でサービスを提供していくことは必須であるが,施設内での集団生活,多人数が対象となるサービスを行っていく上で,利用者間の満足感やストレスを把握,比較できるような尺度の必要性は高い.それら心的状況を簡略的確に反映できるようなQOL尺度の選定や作成を行なっていくことが今後も重要であると考えている.
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