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  • -COVID-19による研修形式の見直し-
    熊沢 僚, 井上 博信, 高須 孝広
    理学療法学Supplement
    2021年 48S1 巻 EO-5-5
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/24
    会議録・要旨集 フリー
  • 関田惇也, 坂本美喜, 渡邊裕之, 松永篤彦, 岩崎麟太郎, 岩村元気, 大野敦生, 湯田健二, 角南浩史, 草場敦, 近藤宰司
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2016年 35 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/03/12
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】片側性変形性股関節症(股OA)患者の下肢筋力は,患側のみならず健側においても低下が生じることが指摘されているが,健常者と比較した報告は少なく,筋力低下の出現部位や低下の程度に関する調査は未だ不十分である.そこで本研究は,股OA 患者の両側の下肢筋力を健常者と比較し,筋力低下を認める筋群とその低下の程度を把握することを目的とした.

    【方法】 対象は末期片側性股OA と診断された女性21 名(股OA 群)(63±8 歳,罹患期間:12±9 年)とした.除外基準は健側股関節に疼痛や変形を伴う者,股関節以外の運動器疾患や神経学的疾患を有する者とした.対照群は地域在住健常女性47 名(63±12 歳)とし,下肢関節痛を伴う者は除外した.両側の股関節の外転,伸展,屈曲,ならびに膝関節の伸展,屈曲の等尺性筋力を測定した.測定にはhand-held dynamometer(μTas F-1,Anima)を用い,トルク体重比を算出した.対照群の筋力値は両側を平均して求めた.統計的解析は対照群と股OA 群における筋力の差異をt検定を用いて比較し,有意水準は5%とした.また,対照群の筋力値を100%としたときの股OA 群の筋力値の比率を求めた.なお,本研究は当院の研究倫理委員会で承認を得て実施した.

    【結果】 対照群の筋力(Nm/kg)は,股屈曲1.27±0.21,股伸展1.43±0.41,股外転1.29±0.26,膝伸展

    1.41±0.34,および膝屈曲0.69±0.18 であった.股OA 群の患側筋力は対照群と比べて全ての部位で有意に低く,股屈曲は対照群の50%,股伸展56%,股外転56%,膝伸展71%,および膝屈曲71%であった.一方,股OA 群の健側筋力は,膝伸展以外の全ての部位で有意に低く,股屈曲は対照群の79%,股伸展81%,股外転65%,膝伸展89%,および膝屈曲74%であった.

    【結論】 片側性股OA 患者であっても,下肢筋力は患側および健側ともに低下しており,患側の筋力は最大で健常者の5 割,健側では6 割までに低下していることが推察された.

  • 岩崎 麟太郎, 関田 惇也, 高須 孝広
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2017年 36 巻
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    【背景、目的】

    人工股関節全置換術(以下、THA)後の快適歩行速度(以下、歩行速度)と生活の質には関連があることが指摘されており、歩行速度を改善させることは重要である。しかし、歩行速度に着目した研究は少なく、歩行速度に影響を及ぼす因子は十分な検討はされていない。そこで、本研究は、THA 後の歩行速度に影響を及ぼす因子を明らかにすることを目的とした。

    【方法】

    対象は、片側の初回THA を施行した女性65 名(63.1 ± 7.9 歳) とした。測定時期は術後3 ヶ月時点とした。除外基準は股関節以外に運動器疾患や神経学的疾患を有する者とした。項目は歩行速度、下肢筋力(股関節伸展筋力、外転筋力、膝関節伸展筋力)、股関節可動域( 股関節屈曲、伸展、外転、内転、外旋、内旋) および疼痛を測定した。筋力測定にはHand-Held

    Dynamometer を用い、測定後にトルク体重比を算出した。疼痛はVisual Analog Scale を用いて測定した。各測定項目は、術側ならびに非術側ともに行った。統計解析には、従属変数を歩行速度、説明変数を年齢、下肢筋力、股関節可動域および疼痛とし、ステップワイズ重回帰分析を行った。有意水準は1%とした。なお、本研究は当院の研究倫理委員会で承認を得て実施した。

    【結果】

    重回帰分析を行った結果、歩行速度(1.25 ± 0.20m/ 秒)に影響を及ぼす因子は、術側の疼痛(12.9 ± 17.8cm、β:-0.32)、年齢(β:-0.32)、非術側の疼痛(9.2 ± 15.4cm、β:-0.27)および非術側膝関節伸展筋力(1.18 ± 0.30Nm/kg、β:

    0.24)が抽出(決定係数0.46、p <0.01)された。

    【結語】

    THA 後3 ヶ月時点の歩行速度には、年齢、術側ならびに非術側の疼痛および非術側の膝関節伸展筋力が影響を及ぼすことが示唆された。

  • 岩村元気, 豊田裕司, 関田惇也, 湯田健二
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2016年 35 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/03/12
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】本症例は変形性膝関節症により,立脚中期(MSt)に踵骨と下腿が一体となって外側傾斜するLateral Thrust(LT)を認め,左下腿外側部痛を訴えた.ST 関節の回内運動を促した結果,LT 軽減および疼痛軽減を認めたため報告する.

    【症例】70 代女性.平成27 年に両変形性膝関節症と診断.

    【説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき,目的および方法を説明し同意を得た.

    【評価】疼痛:左下腿外側(NRS:5).長腓骨筋(FL)に圧痛を認めた.ROM(右/左):膝関節伸展(0°/0°).足関節背屈:(20°/10°).MMT(右/左):大腿四頭筋(5/5).片脚立位(右/左):踵骨外側傾斜角度(FHA)(2°/13°),Leg heel angle(LHA)(7°/0°),舟状骨沈降度(NDT)(9mm/1mm),第一列底屈角度(8°/13°).歩行(左MSt):膝関節内反角度14°,下腿外側傾斜角度13°,FHA13°.

    【仮説】本症例は,舟状骨が下制しないことや第一列底屈角度が大きいこと,LHA が0°であることからST 関節の回内運動は乏しいと思われる.踵骨と下腿が一体となって外側傾斜するLT を呈し,FL の回内作用にて制動していたことで,歩行時にFL に疼痛を認めたと考える.

    【治療】1.FL リリース 2.足部モビライゼーション【結果】疼痛:左下腿外側(NRS:1).片脚立位(右/左):FHA

    (2°/6°),LHA(7°/4°),NDT(9mm/5mm),第一列底屈角度(8°/10°).歩行(左MSt):膝関節内反角度

    8°,下腿外側傾斜角度8°, FHA4°.

    【考察】介入後,舟状骨の下制,第一列底屈角度の減少を認め,LHA が増加したことからST 関節回内運動が出現したと思われる.ST 関節回内は,踵骨が外転による外方へ転位し,相対的に距骨が内方へ転位する.踵骨が内側傾斜する傾向にあり,距骨は踵骨上を前内下方へ滑る.これらの運動により,下腿外側傾斜角度が減少し,FL の活動が軽減したと考えられる.結果としてLT 軽減および左下腿外側部痛の軽減を認めたと思われる.

  • -当院における取り組みの紹介-
    井上 博信, 熊沢 僚, 高須 孝広, 湯田 健二
    理学療法学Supplement
    2020年 47S1 巻 PM-17
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/31
    会議録・要旨集 フリー
  • 上野 愛, 関田 惇也, 工藤 将, 高須 孝広
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2021年 40 巻
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/28
    会議録・要旨集 フリー

    【背景】変形性股関節症(股OA)患者に対する保存療法の疼痛改善効果には一定の見解が得られていない.変形の程度や形態的特徴は保存療法の効果に影響を及ぼす可能性があるが詳細は不明である.そこで,股OA 患者に対する保存療法の効果を検討し,変形の程度や形態的特徴が疼痛の改善に及ぼす影響について明らかにすることを本研究の目的とした.

    【方法】対象は股OA と診断された男女37 名(62.7 歳)とした.保存療法の期間は12 週とし,筋力トレーニングと患者教育を中心に行った.評価項目は疼痛(VAS),Sharp角, Center-Edge Angle (CE角),acetabular roof obliquity

    (ARO),acetabular head index (AHI),最小関節裂隙幅(MJS),オフセット,および脚長差とした.統計解析として,介入前後の疼痛変化を元に改善群(≧18)と非改善群(<18)の2 群に分け両群の評価項目を比較した.両側例は疼痛が強い側を対象とした.疼痛改善に及ぼす影響を明らかにするため,目的変数を疼痛改善の有無,説明変数を各測定項目としたステップワイズ法によるロジスティック回帰分析を用いた.抽出された説明変数はROC 解析よりカットオフ値を求めた.有意水準は5%とした.

    【倫理的配慮】ヘルシンキ宣言に基づき,配慮を行ったうえで調査を実施した.

    【結果】平均介入数は7 回であった.介入後の疼痛(51mm)は初回(68mm)と比較して有意な改善を認めなかった.改善群は15 名,非改善群は23 名であった.改善群のMJS(2.2mm)は非改善群の値(0mm)と比較して有意に高値であった.ロジスティック回帰分析の結果,有意な説明変数としてMJS(p 値<0.05,OR: 2.35)が抽出され,カットオフ値は0.5mm ,曲線化面積は0.73 であった.

    【考察】股OA に対する保存療法の効果はMJS によって規定され,MJS が0.5mm 未満であると疼痛軽減効果は乏しくなることが示唆された.保存加療の効果を予測する際にMJS を考慮することは極めて重要である.

  • 宮谷 洋平, 豊田 裕司, 高須 孝広
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2021年 40 巻
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/11/28
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】内側半月板縫合術を施行し,術後に伏在神経領域に疼痛と知覚鈍麻を呈した症例を経験した.創部周囲の介入が症状緩和を認めたため報告する.

    【説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき目的及び方法を十分に説明し同意を得た.

    【症例紹介】50 代男性.右膝内側半月板の水平断裂と診断され,鏡視下半月板縫合術を施行した.術後プランは4 週間装具着用,術後1 週より屈曲60 度の可動域練習開始であった.伏在神経領域の疼痛と知覚鈍麻は術後4 日目以降認めた.

    【理学療法所見】評価は術後11 日目に行った.疼痛部位は右下腿近位内側から下腿遠位内側に認めた.疼痛強度はVisual Analogue Scale(以下VAS)で65mm であった.圧痛は内転筋管,縫工筋,創部周囲に認めた.再現痛は右股関節外旋位の屈曲動作で認めた.右股関節内旋位と中間位の屈曲動作や股関節外転動作で疼痛増強は認めなかった.感覚は伏在神経領域に知覚鈍麻(3/10)を認めた.周径は内外側膝関節裂隙上で右39.5cm、左

    38.5cm であった.介入で縫工筋と内転筋管へ滑走促通後に症状の変化は認めなかった. 【治療】創部周囲皮膚へ縦横方向の運動と摘み運動

    【結果】疼痛はVAS で65mm から45mm,知覚鈍麻は3/10 から5/10 へ変化を認めた.

    【考察】本症例の障害部位は内転筋管と縫工筋に対してアプローチ後改善が乏しかったこと,症状が下腿内側近位から遠位まで認めたことから,内側下腿皮枝で症状が引き起こされていると考えた.術後よりコラーゲン線維は生成し,装具着用と術後1週より可動域訓練開始で創部周囲の動きが不足していること,腫脹によるコンパートメントの内圧が高いことが皮下組織の滑走を低下させ伏在神経の症状を引き起こしたと考えた.本症例より同症状を呈する症例は,手術侵襲や神経走行を解剖学的に考慮する必要があると考える.

  • 澤 朋希, 関田 惇也, 湯田 健二
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2017年 36 巻
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】

    心臓外科術後患者の呼吸機能は胸郭可動性低下や胸水,Deconditioning などの影響から,術前と比較して低下することが知られている.また,術後患者に生じうる合併症の一つとして反回神経麻痺があり,反回神経麻痺を発症した場合には,声帯の可動性低下に伴う気道の狭小化により,さらに呼吸機能は低下すると考えられる.しかしながら,反回神経麻痺の発症の有無に着目して術後の呼吸機能を比較検討した報告は少なく,詳細は明らかにされていない.そこで本研究では,反回神経麻痺の発症が術後患者の呼吸機能の低下に関与しているかどうかを明らかにすることを目的とした.

    【対象と方法】

    予定手術にて心臓外科術を施行した患者12 例(65.7± 6.9 歳,冠動脈バイパス術:1例,弁置換・形成術:8 例,人工血管置換術:3 例)を対象とした.除外基準は術前に呼吸器疾患を有するものとした.反回神経麻痺の診断を受けた対象者を反回神経麻痺群,それ以外の対象者を対照群に群分けした.調査ならびに測定項目は患者背景因子,手術情報(手術時間,挿管時間,出血量,人工心肺使用時間),肺機能検査{努力性肺活量(FVC),一秒量(FEV1.0),一秒率(%FEV1)}とした.測定時期は術前と病棟内歩行が自立した時点で行った.肺機能に関しては術前に対する術後の割合(術前比)を算出した.統計は二群間の差を検討するためにMann-Whitney U test を用い,有意水準は5%とした.本研究の趣旨を口頭にて説明し,回答をもって同意を得たこととした.

    【結果】

    反回神経麻痺群は4 例,対象群は8 例であった.FVC 術前比(%)は対照群(64.7± 5.9)と比較して反回神経麻痺群(58.4

    ±4.0)は有意に低値であった(p <0.05)が,その他の項目では有意差を認めなかった.【結論】

    反回神経麻痺群のFVC 術前比は対照群と比較して有意に低値であったことから,反回神経麻痺の発症は呼吸機能の中でもFVC の低下に関与している可能性が示唆された.

  • 鈴木 数基, 古西 幸夫, 菅原 成元, 浜辺 政晴
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2020年 38 巻 O-002
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/01
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】今回,黄色靭帯骨化症(OLF)により歩行障害を呈した症例に対して,段階的に装具の変更を行い,歩行自立に至ったため報告する.尚,ヘルシンキ宣言に則り説明し同意を得た.

    【症例紹介】70歳代女性.入院前ADL自立.診断名:胸椎OLF.頚椎後縦靭帯骨化症.診断から1年後に歩行困難となり第1-5胸椎後方固定術,第1-5/11-12胸椎椎弓切除術施行.術後22日目に当院に転院.

    【初期評価:入院1週目】MMT[右/左]股関節屈曲2/5,伸展2/3,外転3/4,膝関節伸展2/5,足関節背屈1/5,底屈2/2.握力(㎏)右28.0/左22.6.両下肢の深部感覚中等度鈍麻.Berg Balance Scale(BBS)12点.歩行:裸足で平行棒内両手支持軽介助.歩容は4動作前型.右遊脚期は下垂足.右初期接地で前足部接地後にExtension Thrust Pattern(ETP)と体幹前傾し,右立脚中期にTrendelenburgを呈する.FIM80点.

    【治療および経過】1週目:右シューホーン型短下肢装具使用.ETPの抑制は不十分.3週目:金属支柱付き短下肢装具に変更.足継手はダブルクレンザックを使用し背屈10°固定.車輪付き歩行器で歩行開始.6週目:ETP の軽減に伴い足継手を背屈遊動に変更.8週目:裸足で踵接地可能だが,足を擦るためオルトップLHに変更.9 週目:両手T字杖歩行開始.

    【最終評価:入院15週目】MMT股関節屈曲3/5,伸展4/5,外転4/5,膝関節伸展4/5,足関節背屈3/5,底屈2/3.BBS40点.歩行:右オルトップLH使用.両手T字杖自室内自立,車輪付き歩行器病棟内自立.歩行速度0.69m/秒.連続歩行距離240m.歩容は2動作前型.ETP,Trendelenburgは軽減.FIM110点.

    【考察】本症例は胸椎以下の障害であり,両下肢の感覚障害と筋力低下を呈していたが,①上肢機能が維持されており歩行補助具の使用が可能であった点と②歩容の変化に合わせて段階的に装具の種類や設定を変更した点が,歩行自立に至った要因と推測される.

  • 関田 惇也, 岩崎 麟太郎, 高平 尚伸
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2017年 36 巻
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】

    人工股関節全置換術(THA)後の術側下肢筋力は,術後6 ヶ月の時点で股関節のみならず膝関節周囲筋力においても健常者筋力と比較して低値であることが指摘されているが,それ以降の縦断的な調査を行った報告は少なく,特に術後1年時に筋力低下が残存しているかどうかは明らかにされていない.そこで本研究は,THA 術後1 年までの術側下肢筋力を調査し,健常者筋力との比較を行うことで,術後1 年時に筋力低下が残存しているかどうかを明らかにすることを目的とした.

    【方法】

    対象はTHA を施行した女性15 名(61.3 ±7.0 歳,THA 群)とした.除外基準は股関節以外の運動器疾患や神経学的疾患を有する者とした.コントロールとして下肢関節痛のない健常女性36 名(61.8 ± 10.1 歳,健常者群)を対象とした.術前,術後3 ヶ月,6 ヶ月,および1年時に,抗重力筋である術側股関節外転,伸展,および膝関節伸展筋力を測定した.測定にはhand-held dynamometer(μTas F-1,Anima)を用い,トルク体重比と健常者群に対するTHA 群の筋力の比率(健常者比)を求めた.統計的解析では,各時期の筋力の比較には一元配置分散分析ならびにBonferroni の多重比較を用い,術後1年のTHA 群筋力と健常者群筋力との比較にはt 検定を用いた.有意水準は5%とした.なお,本研究は当院の研究倫理委員会で承認を得て実施した.

    【結果】

    股関節周囲筋力は,術前と比較して術後1年で有意に高値を示した(p <0.01)が,術後6 ヶ月と比較して術後1年で有意差を認めなかった.膝関節伸展筋力は術前と比較して術後1 年で有意に高値を示し(p <0 . 01),術後6 ヶ月と比較して術後1年でも有意に高値を示した(p <0.01).股関節周囲筋力の健常者比は75 ~85%,膝関節伸展筋力は86%であり,ともに健常者と比較して有意に低値であった.

    【結論】

    THA 術後1年を経過しても股関節のみならず膝関節周囲筋力にも筋力低下が残存していることが示唆された.

  • 大野敦生, 関田惇也, 豊田裕司, 岩村元気, 湯田健二
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2016年 35 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/03/12
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】臨床上,腰痛を呈している患者において骨盤水平面アライメントの左右差により,姿勢に問題が生じていると疑われる患者を多く経験する.この骨盤水平面アライメントは内方腸骨(以下,インフレア),外方腸骨 (以下,アウトフレア) で表現されることがあるが,明確な測定方法は存在しない.そこで本研究は骨盤水平面アライメントの評価法に関する検討を行った.

    【方法】対象は腰部疾患を有している成人男女30 名(年齢67.8±12.5 歳)とし,特定の放射線技士により撮影された第2 仙椎棘突起レベルでの骨盤水平面におけるCT 画像を用い,左右の寛骨の角度と第2 仙椎棘突起と寛骨下端との距離(以下,2 点間距離)を計測した.左右の寛骨の角度は仙骨前面を基準とし,寛骨の上端と下端の結んだ線との成す角度で算出した.加藤らが提唱する方法に準じて,角度を左右で比較し,角度が大きい側をアウトフレア,小さい側をインフレアと定義し,左がアウトフレアであるものをアウトフレア群,反対に左がインフレアであるものをインフレア群と

    した.2 点間距離に関しては左右の和に対する左の長さの割合(以下,比較距離)を算出した.そして両群における比較距離の差を比較検討するため,t-検定を行った.有意水準は1%とした.

    【説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき,目的及び方法を説明し同意を得た.

    【結果】骨盤水平面アライメントにおいてアウトフレア群が14 名,インフレア群が16 名であった.比較距離はアウトフレア群で48.64±1.88%,左インフレア群で52.12±2.27%であり,インフレア群が有意に長かった(p<0.01).

    【考察】2 点間距離はアウトフレアに対し,インフレアであると長くなる傾向を認めた.そのため,アウトフレアとインフレアを判別する際に,左右の2 点間距離を比較することが有用である可能性が示唆された.

    【理学療法学研究としての意義】本研究は骨盤水平面アライメントの客観的評価方法を確立する際の一助となる.

  • 大野 敦生, 関田 惇也, 岩村 元気, 髙須 孝広
    理学療法学Supplement
    2020年 47S1 巻 P-64
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/31
    会議録・要旨集 フリー
  • 木村 遊, 大野 敦生, 豊田 裕司, 高須 孝広, 下川 翔平
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2020年 38 巻 O-001
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/01
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】本症例は肩関節初動時に放散痛と挙上最終域で衝突感を訴えていた.この原因が頚部の椎間関節障害によると仮説を立て介入を行い,改善が得られたため報告する.

    【症例】50代女性.平成31年1月に当院に受診し頚椎症,肩関節周囲炎と診断された.介入時は4月であり主訴は右肩関節挙上困難と運動時痛であった.

    【説明と同意】ヘルシンキ宣言に基づき,目的および方法を説明し同意を得た.

    【評価】疼痛:挙上初期から頚部右側〜右前腕尺側に放散痛(NRS7),挙上80°で衝突感(NRS4).筋緊張:僧帽筋上部線維,頭半棘筋の緊張亢進.肩関節ROM右:屈曲:80 °,外転:60 °.頚部ROM右:側屈:15 °.MMT(右/左):三角筋,棘上筋,上腕二頭筋(3 /4).整形外科テスト:Neer・Hawkins test,Spuring test右側陽性.動作観察:挙上運動で肩甲骨挙上,前傾が先行的に起こる.画像所見:頚椎MRI:C5 /6,C6 /7狭窄.

    【仮説】本症例の疼痛は筋力低下部位,頚椎MRIより椎間孔での狭窄によるものと考える.挙上困難な原因は椎間関節障害により主動作筋の筋力低下が生じ,大胸筋等で代償運動が出現した結果,ROM制限や衝突感が出現したと考えた.

    【治療】1.頚部筋緊張緩和2.頚椎モビライゼーション

    【結果】疼痛:放散痛消失,挙上110°で衝突感(NRS4).肩関節ROM右:屈曲110°,外転100°.頚部ROM右:側屈:30°.MMT(右/左):三角筋,棘上筋,上腕二頭筋(4 /4).整形外科テスト:Spuring test陰性.

    【考察】疼痛と挙上困難の原因は整形外科テストや主動作筋の筋力低下を生じていたことから神経根症状とインピンジメント徴候が考えられた.肩関節周囲炎が拘縮期に移行しており,ROMのEnd feelから軟部組織の伸張性が低下している.このことから上腕骨頭の骨頭偏位によりインピンジメント徴候が起こることも予想されるが,主訴である疼痛の質や部位がC5 〜C7神経支配領域であるため椎間関節障害の問題と考えた.

  • 柚村 梨々子, 坂本 美喜, 上出 直人, 佐藤 春彦, 柴 喜崇
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2020年 38 巻 O-046
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/01
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】疼痛は、高齢者における有訴率の上位を占め、歩行能力やADLの低下をきたす要因の一つである.そこで、本研究では1年間の追跡調査を行い、疼痛強度の変化が運動機能に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした.

    【方法】1年間の追跡調査が可能であった地域在住高齢者109名のうち、Baseline時もしくは1年後に疼痛を有した地域在住高齢82名(平均年齢71.0歳,男性15名,女性67名)を対象に、疼痛部位,疼痛継続期間,疼痛の主観的強度(Numerical Rating Scale),疼痛の生活への支障の有無、運動習慣を調査した.また身長,体重, 5m最速歩行時間,5m快適歩行時間,Chair Stand test(CST),Timed Up and Go test(TUG)を測定した.疼痛強度の変化に関与する要因の検討には、疼痛強度の変化量を従属変数に、目的変数を年齢およびCST,TUG,快適歩行時間,最速歩行時間の各変化量とする重回帰分析を用いた.有意水準は5%とした.なお,本研究は北里大学医療衛生学部研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:2016-G021B).

    【結果】疼痛の主観的強度は、Baseline時は中央値3.0(範囲0-9)、1年後は中央値3.5(範囲0-9.5)であった.生活への支障に関しては,「支障なし」の回答が56%を占めた.運動習慣のある者の割合はBaseline時、1年後ともに約 80 %であった.疼痛強度の変化は、快適歩行時間の変化のみ正の関連性を示し、(p<0.05,回帰係数2.2、自由度調整済み決定係数=0.08)、他の項目は関連がなかった.

    【結論】疼痛強度が増加すると歩行時間が延長する傾向が認められたが、その影響は少ないことが示された.今回の対象者は、疼痛は有するものの生活に支障ない者が多く、運動機能への影響が少なかったと考えられた.

  • 後藤 未来, 佐藤 亮輔, 田口 崇, 藤田 聡行
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2020年 38 巻 O-045
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/01
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    【目的】FLIR ONE pro(FLIR Systems社製)は,スマートフォンに装着し赤外線サーモグラフィに変換可能な機器である.医療用実機では活動筋上の表面皮膚温度の描出が可能なことが報告されている.本研究では,FLIR ONE proを用いて,感覚閾値強度の神経筋電気刺激(以下NMES)と足関節背屈運動した際の表面皮膚温の変化を描出が可能か検討した.

    【方法】健常成人19名を対象とし,同一被験者に対しNMESと座位での足関節背屈運動(30回/分)を,(1)NMESのみ,(2)NMESと足関節背屈運動,(3)足関節背屈運動のみの3群に分けて15分間施行し,それぞれ前脛骨筋上の皮膚表面温度を測定した.NMESにはESPURGE(伊藤超短波製)を用い,電気刺激条件を周波数20Hz,パルス幅180μsec,刺激強度は感覚閾値とした.測定は日本サーモロジー学会のテクニカルガイドラインに準じて行った.測定開始時と15分後に撮影した画像から前脛骨筋直上の表面皮膚温の平均値を描出した.解析は測定開始時と15分後の皮膚温に対し,SteelDwass法にて多重比較を行った.

    【倫理的配慮】研究の趣旨と方法を説明し同意を得た.

    【結果】15分後の温度は(1)33.43±1.81,(2)35.76± 1.28,(3)35.66±1.79となり,(1)(2)群間,(1)(3)群間に有意差が認められ,(2)(3)群間で有意差は認められなかった.(2)NMESと足関節背屈運動と(3)足関節背屈運動のみを施行した群で,(1)NMESのみの群よりも有意に皮膚表面温度が上昇した.

    【考察】足関節背屈運動を施行した群において,表面皮膚温度の変化を捉えることができた.また感覚閾値でのNMESでは,表面皮膚温度の変化はみられなかった.このことから,スマートフォン用サーマルカメラを用いて,筋収縮が限局して減弱している筋活動を,表面皮膚温の変化により描出できる可能性が示唆された.

  • 下川 翔平, 木村 遊, 安田 透, 豊田 裕司, 髙須 孝広
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2020年 38 巻 F-022
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/01
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    【はじめに】大腿近位切断者に対側人工股関節全置換術(以下、THA)を施行した症例は渉猟する限り少なく、特に術後早期の経過を報告したものはみられない。また、唯一の支持脚にTHAを施行し、移動動作を再獲得する事の困難さは想像に難くない。そこで、左大腿近位切断者に右THAを施行した症例の術後経過を報告する。

    【症例】70代女性、術前ADLは車いす移動。階段昇降時のみ義足使用するが介助要する。2019年X月Y日に右THA施行。術翌日から全荷重可。既往歴は2004年胸部下行大動脈に解離性動脈瘤が生じ、左下肢虚血にて左大腿近位切断。同年に股義足作成、股継手は遊動式で伸展補助、固定膝継手の機能を持つ。現在、胸部下行大動脈瘤、腹部大動脈瘤、左総腸骨動脈瘤、高血圧症を有する。 術前日本整形外科学会股関節機能判定基準(以下、JOA score)は28点。日本整形外科学会股関節疾患評価質問表(以下、JHEQ)は3点。ヘルシンキ宣言に基づき、症例に目的及び方法を説明し同意を得た。

    【経過】Y+1日、離床。起居自立。移乗見守り。Y+3日、義足装着下で平行棒内歩行開始。Y+12日に見守りとなる。歩容は義足側の分回し歩行を呈す。Y+16日、心因性ストレスにより不穏が出現。Y+19日、自宅環境に合わせ4点杖と手すりにて階段昇降開始。Y+33日、自宅退院。退院時JOA score 69点。義足装着自立、階段昇降見守り。JHEQ59点。

    【考察】本症例の術前ADLは車椅子中心の生活を送っていたため、早期から義足装着することで2足での荷重感覚入力や荷重負荷軽減を図った。結果として、退院時のQOLは高値の改善を示し、ADLの向上も認めた。しかし、心血管系や過剰な負荷に伴う人工関節のルーズニング、周囲骨折などのリスクを考慮した結果、平行棒内での自立歩行獲得に期間を要した。先行研究では非切断者と比較し、長期的にみて満足な結果となったことが報告されており、移動動作獲得はリスク管理をしつつ長期的にみる必要があると考えられる。

  • 佐々木 和優, 長 正則, 大石 健太, 山岸 辰也, 今村 仁
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2020年 38 巻 F-021
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/01
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    【はじめに】精神疾患を合併した術後症例に関与する機会が増えてきており、精神疾患のリハビリテーション(以下リハ)の知識が必要な場面を多く経験する。しかし、術後リハの報告は精神疾患の合併で除外されやすく報告数が少ない。今回、TKA術後の統合失調症患者のリハを行い、精神的安定と共に機能改善し自宅復帰した一例を経験したため報告する。

    【説明と同意】ヘルシンキ宣言に沿って対象者に発表の主旨を説明し同意を得ている。

    【症例紹介】60歳代女性、既往歴は脊髄性小児麻痺(小児期に右肩関節固定術)。現病歴は統合失調症(5年前)。 左変形性膝関節症(2年前)。本年、左TKA目的で入院。

    【経過及び結果】入院時評価は、歩行は独歩自立。主訴は左膝荷重時痛でNRS8/10。全体像は通常の会話可能も内向的。従命反応緩慢であった。TKA翌日リハ再開。 全荷重下での立位訓練時に強い左膝折れを起こし、膝関節展開縫合部皮下断裂の診断。術後14日目に断裂部再縫合術施行。術後は筋力強化練習や慎重な荷重練習と歩行練習を実施。術後38日目から段差昇降練習を実施。術後47日目に自宅退院。退院時評価は、歩行はT字杖自立。 荷重時痛なし。全体像は笑顔が多くなり自らの発言増加。 従命反応良好。自主練習が増えた。

    【考察】本症例は術後、膝折れを起こし、関節展開縫合部皮下断裂を生じた。断裂部再縫合術後は、患者にわかりやすく丁寧に注意点や練習の目的などのオリエンテーションを行い、理解の向上で安全性を高める様に努めた。 統合失調症患者の多くは病識の欠如や理解力の低下を認めるが、症例はリハへの理解が深まり、指導した自主練習が増える等、ポジティブな行動変容が得られたことが、ADLの再獲得、自宅復帰に繋がったと考える。精神疾患合併症例の術後リハは、疾患特有の精神症状の理解とそれに応じた個々の対応をリハ計画に加えプログラムを安全に進めることが重要であると考えられた。

  • 澤島 佑規, 矢部 広樹, 足立 浩孝, 田中 善大
    理学療法学Supplement
    2020年 47S1 巻 O2-70
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/31
    会議録・要旨集 フリー
  • ~Trailing positionでの荷重・体重移動練習の効果~
    川副 泰祐, 上野 愛, 金 誠熙, 湯田 健二
    理学療法学Supplement
    2020年 47S1 巻 O2-69
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/31
    会議録・要旨集 フリー
  • 岩村 元気, 関田 惇也, 西上 智彦, 大野 敦生, 嘉手苅 唯, 椢原 勇人, 木村 遊, 鈴木 弥生, 高須 孝宏
    理学療法学Supplement
    2020年 47S1 巻 O-206
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/03/31
    会議録・要旨集 フリー
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