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クエリ検索: "打木赤皮甘栗かぼちゃ"
6件中 1-6の結果を表示しています
  • 形田 夏実, 𠮷田 国光
    地理空間
    2016年 9 巻 2 号 189-204
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/04/04
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究は,石川県金沢市において伝統野菜として生産される15品目の「加賀野菜」を事例に,それらの生産および流通の動向を分析することで,農産物のブランド化が小規模な都市近郊産地の生産振興にいかなる役割を果たすのかを明らかにした。15品目の生産・流通の動向を分析した結果,15品目は三つに分類できた。一つ目はブランド化が経済的役割を有し,生産農家の基幹的収入となっている品目であった。二つ目はブランド化が経済的役割を有しているものの,農家の基幹的収入となっていない品目である。この品目は生産農家の補完的な収入手段にとどまるが,希少性などを要因として北陸以外の地域にも出荷されていた。三つ目はブランド化の経済的役割が低く,農家の基幹的収入となっていない品目である。生産量の少なさと流通範囲の狭さは,金沢市という地域を単位として認定される加賀野菜の独自性を高めていると考えられる。
  • *吉田 国光, 形田 夏実
    日本地理学会発表要旨集
    2015年 2015a 巻 517
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/05
    会議録・要旨集 フリー
    1.研究課題
    本研究では,石川県金沢市において「伝統野菜」として生産される15品目の「加賀野菜」を事例に,それらの作物の生産および出荷の動態を分析することで,小規模な都市近郊産地の存続に向けて農産物のブランド化が果たす経済的・非経済役割を明らかにすることを目的とする.
    2.研究手順と対象地域

    研究手順としては,まず統計資料などをもとに対象地域の農業的特徴とその変遷を検討し,「加賀野菜」としてブランド化される品目の概況を示す.次に,金沢市農産物ブランド協会への聞き取り調査で得たデータをもとに,農産物のブランド化をめぐる組織体制や制度について整理する.さらに,対象地域における各品目の生産部会への聞き取り調査をもとに,15品目の生産と流通の動態を,慣行栽培と「加賀野菜」栽培との差異に着目して分析することから,各品目のブランド化が産地の存続に果たしてきた役割を明らかにする.  研究対象地域に選定した石川県金沢市は近世より城下町として発展してきた.市街地周辺部では自然条件の微細な差異に応じて様々な農業生産が展開している.気候条件として,夏期は高温で降雨が少なく,冬期には降雨・雪が多く日照時間は少ない.地形条件としては金沢市中心部の東西部を犀川と浅野川が流れ,南東部は山地となっている.中心部から周辺部へと広がる金沢平野では金沢市の水田が卓越している.海沿いには砂丘地が広がり,サツマイモやダイコン,スイカ,ブドウなどの畑作・果樹作が盛んである,2010年国勢調査によると,産業別就業者の割合は第1次産業で1.5%,第2次産業で22.0%,第3次産業で76.5%となっている.このうち農業就業者は減少傾向にある.
    3.「加賀野菜」をめぐるブランド化の諸相
    F1種の登場以降,「加賀野菜」を含む在来品種の生産農家は減少傾向にあった.こうしたなかで種の保存・継承の気運が高まり,1990年に金沢市地場農産物生産安定懇話会が組織され,在来品種の保存に向けた取り組みが開始された.1992年には加賀野菜保存懇話会が新たに組織され,保存対象となる在来品種を「加賀野菜」と命名した.1997年には,金沢市特産農産物の生産振興と消費拡大の推進を目的とする金沢市農産物ブランド協会が設立され,「加賀野菜」を通じた農業振興が取り組まれるようになった.「加賀野菜」は「昭和20年以前から栽培され,現在も主として金沢で栽培されている野菜」と定義され,「金時草」,「ヘタ紫なす」,「加賀太きゅうり」,「せり」,「加賀れんこん」,「さつまいも」,「たけのこ」,「源助だいこん」,「
    打木赤皮甘栗かぼちゃ
    」,「金沢一本太ねぎ」,「加賀つるまめ」,「二塚からしな」,「くわい」,「赤ずいき」,「金沢春菊」の15品目が認定されている.  これら15品目の生産・流通の動態を分析した結果,15品目は3つに類型化できた.まず1つ目として,「さつまいも」,「れんこん」,「加賀太きゅうり」,「源助だいこん」では生産量が多く,県外流通の割合も高かったことから,ブランド化が生産者へ経済的メリットを与えているといえる.これらの生産者の多くは専業農家であり,これらの品目から得られる農業収入の割合も高かった.これらの品目の生産者は金沢市という小規模産地の中核的存在といえ,ブランド化が産地の存続に一定の経済的役割を果たしていると考えられる.2つ目の「ヘタ紫なす」,「加賀つるまめ」,「金沢一本太ねぎ」,「くわい」,「赤ずいき」,「金沢春菊」,「せり」,「二塚からしな」では生産量が少なく,流通も県内を中心としていた.ブランド化が生産者へ与える経済的メリットは小さいといえる.しかし,これらの品目の生産農家数は僅かとなっており,ブランド化が在来品種の保存に一定の役割を果たしていると考えられる.在来品種の保存自体に経済的メリットは見出しにくいものの,「加賀野菜」に必須の要素となる「歴史性」を担保する非経済的役割を果たしていると考えられる.3つ目の「たけのこ」,「金時草」,「
    打木赤皮甘栗かぼちゃ
    」については,先の2類型の中間的な性格を有していた.以上のことから,「加賀野菜」として統一されたブランドが構築される一方で,作物の特徴によってブランド化の意義は異なる様相を呈し,金沢市という都市近郊の小規模な農業産地の存続に様々な役割を果たしていた.
  • 小林 雅裕
    石川県農業短期大学研究報告
    2003年 32 巻 19-21
    発行日: 2003/12/20
    公開日: 2018/04/02
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • 中山 結人, 萩野 貴斗, 石原 久美子, 阿部 亮吾
    地理学報告
    2019年 121 巻 71-75
    発行日: 2019年
    公開日: 2022/01/28
    ジャーナル オープンアクセス
  • 榎本 俊樹
    日本食品科学工学会誌
    2003年 50 巻 9 号 379-385
    発行日: 2003/09/15
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
  • 小川 滋之
    E-journal GEO
    2020年 15 巻 1 号 165-172
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/18
    ジャーナル フリー

    近年,日本各地において伝統野菜や地方野菜などのタネ(固定種)の重要性が認められるようになり,種苗交換会はそれらの多様性を保全する取組みとして開催されている.本稿では,埼玉県日高市の農家ネットワーク「たねのわ」が主催する種苗交換会の出品品種と参加者の特徴を報告し,その可能性と課題について考察する.参加者は,近隣の山地部や平地部を含めたさまざまな地域から集まり,約半数は営利を目的としない非農家であった.このことは各地の多様な品種が集まり,採算性が低い品種の生産も守られていることを示唆している.出品品種の特徴は,いずれかの地域の在来野菜に由来する固定種であり,採種,挿し芽,苗作りが容易なことであった.これまでに報告されていない,近隣の山地地域に所縁がある在来野菜についても多くを見出すことができた.これらから,種苗交換会は在来野菜の固定種の保全や発掘において重要であり,明確に貢献していると結論した.

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