快適衣服設計のために, 胴部圧迫時に生じる衣服圧と圧迫感覚値との関わりについて検討した.
1) 超音波断層装置により描出された画像から, 成人女子3名について胴部横断面を作成し, 衣服圧の生じる皮下構造を観察した.
胴部横断面形状には個人差がみられ, 皮下脂肪の厚さや分布に衣服圧が影響されると考えられた.また呼息相では腹筋群が収縮していた.
2) 被験者28名にウエストカフを装着し, フロント, フロントサイド, サイド, バックサイド, バックの計測点で, ポーチ型圧センサーから衣服圧を測定した.また圧迫感の回答を圧迫感覚値に変換した.10~60mmHg加圧した時の衣服圧の対数値 (X) と圧迫感覚値 (Y) との関係は, ウエバー・フェヒナー式によく適合していた.圧迫感度はフロントサイドで最も高く, バックで最も低いことから, 衣服設計時に, フロントサイドについては特に配慮すべきことが明らかになった.
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