スラグや貝殻などの産業副産物を主としたリサイクル材料の港湾用途への研究が盛んに行われており, セメントコンクリートや各種固イヒ体の骨材等に適用されている。それら骨材をより多量に使用できることは望ましいが, スラグなどの骨材中には金属鉄が存在している場合があり, 錆びて体積膨張を起こし構造物に損傷を与えることが懸念される。結合材に硫黄を用いた硫黄固化体は, 骨材が密に充てんされているためその含有量は高く, かつ緻密な構造であるため高い遮水性を有していることから, ヒ記の課題を克服する材料の一つとして有効であると考える。さらに硫黄固化体は, 高強度, 高耐海水性, 安全性, 良好な海洋生物の着生など港湾構造物に適した特徴を有している。ここでは, 硫黄固化体の港湾構造物への適用に関する現在までの取り組み状況について報告する。
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