本研究は, 駅における券売機の使い方に関する説明表示を, 記号論によって分析したものである。複数の駅の説明表示を一定の範囲で記録し, メタ言語としての記号から, 対象言語の記号へ置き換え, 「製品の使い方」のシンタックスに当てはめ, 比較検討する。結果として, 次のようなことがわかった。第1に, 券売機の使い方, そのものに関するよりも, すなわち, どの券売機を選ぶかに関する説明表示が多い。また, 1996年に導入されたJRの新型券売機は, 汎用機として使い方, およびパネル形状の傾斜型が定着, 記号としての識別性がよく, 券売機選択に効果をあげている。第2に, ユーザー層, および, ユーザーの学習の程度の違いによって, 説明表示の内容に変化が見られ, シンタックスの複雑さも異なってくる。
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