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クエリ検索: "日本語の一人称代名詞"
6件中 1-6の結果を表示しています
  • 角野 充奈, 浦 光博
    実験社会心理学研究
    2008年 47 巻 2 号 105-117
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/03/19
    ジャーナル フリー
    人々には,他者の言動に対応した属性を推論する傾向があり(対応推論),その傾向は,他者の言動が社会的に拘束されていると知っていても生じることが明らかにされている(対応バイアス)。対応バイアスは,容易には消失しないことから,非常に強固な現象であると捉えられているが,それゆえに,対応バイアスやその基礎となる対応推論を促進・抑制させる要因について検討した研究も存在する。本研究では,日本語における一人称代名詞「私」が明示,もしくは,省略された文章が,対応推論に及ぼす効果について,2つの研究で検討を行なった。研究1では,Jones & Harris(1967)の態度帰属の実験方法を踏襲し,書き手が立場を選択できない状況で書いた,
    日本語の一人称代名詞
    が明示された文章を読んだ場合に,省略された文章を読んだ場合よりも,対応推論が促進されることが示唆された。研究2では,
    日本語の一人称代名詞
    の有無に加え,書き手の真の態度を正確に判断するよう実験参加者に教示するか否かを状況操作して検討を行なった。その結果,正確な判断をするよう教示されずに一人称代名詞のある文章を読んだ場合に,最も対応推論が促進されることが示唆された。文化的背景に基づく要因と対応バイアスや対応推論との関連性,および,今後の研究の課題について考察した。
  • スッカスィ ベンチャラット
    通訳翻訳研究
    2021年 21 巻 97-117
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/05/09
    ジャーナル フリー
    Direct speech is regarded as a standard interpreting style. In Thai interpreting, however, this style can create difficulty when the gender of the primary speaker and the interpreter(s) differs because first-person pronouns and formality-marking particles in Thai correspond with the gender of the person speaking. This study examines how Japanese-Thai interpreters have interpreted Japanese first-person pronouns in court settings. It also investigates how reporting verbs and formality-marking particles are used. The analysis includes the performance of five interpreters from authentic and mock trials, combined with interview data. The results show that only one interpreter used Thai first-person pronouns, and did so in accordance with the gender of the primary speaker. Additionally, two types of formality-marking particle usage were identified across all interpreters: those based on the interpreter’s gender, and those based on the primary speaker’s gender. The latter, however, could be considered to increase the cognitive load of the interpreter.
  • 間淵 洋子
    計量国語学
    2024年 34 巻 5 号 372-376
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
  • 田中 牧郎
    日本語の研究
    2023年 19 巻 1 号 134-142
    発行日: 2023/04/01
    公開日: 2023/10/01
    ジャーナル フリー
  • 金水 敏
    社会言語科学
    2023年 26 巻 1 号 37-48
    発行日: 2023/09/30
    公開日: 2023/10/31
    ジャーナル フリー

    本稿では,定延 (2011) に示された「性・格・品」の連動」および靳 (2016) で観察された「権力による性差の中和」現象の詳細な構造について検討していく.主たる理論的枠組みとしてポライトネス理論を用い,「権力による性差の中和」を「(女性の発話における話し相手への)フェイス・リスク配慮の原則」から説明する.またこれとは別に,「(女性の発話における)品位保持の原則」を設定し,なおかつこの原則もまた女性の発話を弱める効果を持つことを主張する.

  • 簡 月真
    日本語の研究
    2006年 2 巻 2 号 61-76
    発行日: 2006/04/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本稿では,台湾でリンガフランカとして用いられている日本語を対象に,一人称代名詞の運用の実態およびその変容のメカニズムの究明を試みる。台湾高年層による日本語自然談話に日本語一人称代名詞のほかに閩南(びんなん)語一人称代名詞の使用が観察された。これは,日本語一人称代名詞の形式面と運用面の複雑さを回避するために,形式と運用規則が単純でかつ優勢言語である閩南語一人称代名詞が採用された,いわゆる単純化の結果である。ドメイン間の切換えから,閩南語一人称代名詞は台湾高年層のin-group形式の役割を果たしていることがわかる。ただし,日本語能力の低いインフォーマントの場合,日本語一人称代名詞への切換えはない。ドメインおよびインフォーマントの日本語能力に応じた使用の連続体から,閩南語の一人称代名詞は連体修飾語の場合に現れやすい傾向があること,言語構造面の単純化と連動して言語行動面においても単純化が漸次的に進行しつつあることが指摘できる。独自の体系を持つ台湾日本語は,日本語の変容のあり方を探るための貴重な例となっている。
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