魚類行動の條件附に於て, 種々の賞罰法が使用されてゐるが, 單に“exploratory drive”のみに依る行動の條件附は, 私の知る限りに於ては, 殆ど行はれてゐないやうである。茲に“exploratory drive”とは, H. W. Nissen も認めてゐる如く, この“drive”の發現に要するintra-organicの並に還境的條件が未知であるから, その定義も亦困難である。彼によれば, “動物を驚かさない珍しい新状態が, hunger, thirst, sex, matemal 等の'drive'を一時的に遲延せしめ, 先づ, exploration を喚起するのである。この行動は running, climbing, sniffing 及び vibrissae を動かすことのやうな單なる一般的行動の'drive'以上のものである。”私は, この“exploratory drive”が上記の種々の“drive”と同様のものであるならば, この“drive”を利用して魚類行動の條件附も可能ではなからうかと考へたのである。極めて豫備的且つ
杜撰
ではあるが, 各位の御示教を仰ぐ次第である。
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