中小靴メーカーである株式会社マルミツは、大手シューズ・メーカーのOEMメーカーであったが、2000年に自社ブランドであるネグローニを立ち上げた。しかし、企業規模が小さいためマーケティングには多大な資金を使うことはできない。ところがマルミツは、ネグローニ・スパイダーというブランド・カーを製作し宣伝に利用することや、カラーオーダーという独自のシステムを開発し百貨店でイベントを開催するといった強力な企画を効果的に利用する事によって、自社ブランドを効率的に確立することに成功した。この成功の裏には、他企業とのコラボレーションをうまく利用したマルミツの戦略があった。本稿は、マルミツの自社ブランド立ち上げの過程を記述したものである。
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