本稿では，COVID-19の影響下において，オンラインによる学習教材を開発して実践し，教室での授業と比較する質問紙調査を実施した。中学生155名，高校生237名を対象者にした調査結果では，中学生で「理解度」，高校生で「積極的な参加」を除くすべての項目で回答に有意な差がみられた。中でも「参加の容易さ」，「ハードウェア設定の障壁」，「発言の容易さ」については，中高共通で回答に有意な差がみられ，教室での授業に比べて，オンライン授業は，参加が容易であり，授業に積極的に参加できると評価した生徒が多かった。さらにオンライン授業のためのハードウェアの準備は，参加の障壁ではなかった生徒が多かった。これらのことから，本稿で示したオンライン教育について，生徒の前向きな反応が明らかになった。

本実践では，技術・家庭科技術分野「材料と加工の技術」におけるブックエンド製作実習で，中学1 年生141 名を対象に安全能力の概念を利用した安全学習カードを用いた授業を実践し，その有用性を検証した。授業実施前後に安全能力の下位概念に即した質問紙調査を作成，実施し，その結果，下位概念では，事後の各項目の平均がすべて増加していたり，標準偏差が概ね減少した。中位概念については「安全行動力」以外の5 項目で有意に向上し，ブックエンド製作実習および安全学習カードに関する学習の成果を示すことができたと考えられる。また，授業実施後に受講生徒へ，自らの安全などを振り返る感想を自由記述させてテキストマイニングしたところ，すべての中位概念に関する具体的な記述がみられ，共起関係に関する分析でも，本実践の教育効果を示すことができたと考えられる。

　本研究では，中学校「技術」において中高連携を意識して，情報セキュリティに関する新たな教材および実習を取り入れた授業を提案した。中学1年生204名を対象に試行授業を行い，授業実施前後に質問紙調査を実施し，その有用性を検証した。試行授業では，対象生徒にとって身近で関心が持てるような題材を選択したり，視覚的な体験ツールを用いて実習活動を行った。その結果，授業実施後に「知識・技能」，「思考・判断・表現」および「主体的に学習に取り組む態度」の要素平均得点が有意に増加した。