鹿児島県下において, 1979年1月から1982年5月までの間に100頭の牛が, 多くは前駆症状なく, 突然の横臥, 発熱, 食思不振, 神経症状を呈し, 急死あるいは廃用され, 検索の結果,
Haemophilus somnus感染症と診断した.
発病牛はほとんどが黒毛和種の肥育牛であり, その発生は7~12カ月齢に多く, 多くのものが発病してから1日以内に死亡あるいは廃用された. また, 導入から発症までの期間は3ヵ月以内が多かった.
病理学的には, 脳脊髄における血栓塞栓性髄膜脳脊髄炎が特徴的であったが, そのほかに全身諸臓器に血管変性, 血栓, 化膿巣の形成が見られ注目された.
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