本研究では可視面分光サーベイMaNGAデータを用いて、近傍
棒渦巻銀河
の星種族年齢分布を調査した。サンプルセレクションにはGalaxy Zooカタログを利用し、顕著な棒構造を持つ棒銀河サンプルと、棒構造を持たないコントロールサンプルを作成した。星質量ごとの傾向を調べるため、これらのサンプルをlogM/Msun = 10.0-10.5, 10.5-11.0, 11.0-11.5の3グループに分類した。各グループにおける天体数は、棒銀河サンプルが5, 24, 19天体、コントロールサンプルが25, 48, 38天体となった。棒銀河サンプルの光度加重平均年齢分布は、中心の3 kpcで平坦となり、外側の領域ではコントロールサンプルより0.2-0.4桁高かった。これは、棒状構造によって中心では星形成活動が誘発され、外側では低下したことを示す。一方、質量加重平均年齢の分布は両サンプルとも全グループにおいて中心ほど増加した。この傾向は、棒状構造を持っていても、他の銀河と同様にインサイド-アウトの進化をすることを示す。
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