中心市街地の空洞化と衰退が続いていた富士宮市の再生を目標に、街なかを歩くことから始めた活動「富士宮やきそば学会」が見出したのが庶民のあじ「やきそば」だった。行政予節、宣伝広告毀を使わずに経済効果200億円を生んだ。安全で安心、地産・地消を前提に置き、仲間たちが次々と打ち出した「情報戦略」、B-1グランプリ2連覇を達成した秘訣、地域プランド(市民ブランド)として商標登録され、さらなる飛躍を期待されるにいたった経過、行政とのフードバレー構想(食によるまちおこし)、今後の展望と課題について考察する。また、「やきそば」を通して、地産・地消を基本として豊富な水を見直すとともに、富士山のすそ野での農畜産業体験(総合学習一富士山学習)を基に、自然、歴史、文化、産業、伝統等々を巻き込んだ学習が展開されている。子供の学習意欲、学習課題、課題追求を受け止めてくれるのは、教科害でもなければ教師でもない。何よりも、それが子供達にとって「誇らしい学習」なのである。そこに今後のわが国の食育に対する将来を見ることができるのではなかろうか。この取り組みが、地方に発信され多くの市町村で取り入れられることを期待する。
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