島田療育センターは1961（昭和36）年5月1日に日本で初めての、（今でいう）重症心身障害児の施設として設立された。当時は重症心身障害児という言葉もなく、施設の存在を裏付ける法律もなく、経済的にも保障されたものは研究費と称するものだけであった。そのため病院という形式で経営を保証できる方式を採用した。病院である以上医師である院長が必要となり、設立にかかわった小林提師が院長を引き受けることになったという。その後様々な人が島田の存続のために努力し、今日を迎えている。経営も常に苦しい状態で、様々な人々が立ち上がり、当時は大きな社会問題ともなったという。施設の存在が法律的に認められたのは、1967（昭和42）年の児童福祉法の改正の時である。そこには当分の間、重症心身障害児施設を本法律に位置づけることとなる。その当分の間が2006（平成18）年の自立支援法（総合支援法）と児童福祉法改訂まで続くことになる。 重症心身障害児（者）の世界では、法律のない時代から様々な法律の変化に応じて、たくさんの人々がかかわってきた。当事者本人、そのご家族、またその折々に応援してくれた方々の真摯な気持ち、思いを心に刻んでいく必要があると考えます。その気持ちを土台にして先に進んでいくことがことのほか大事だと思っています。 35年ぶりに小林先生の気持ちをつなぎたいと本学会を引き受けました。小林先生の歩んでこられた軌跡をたどるとともに、著書「福祉の心−誰のための福祉か−」（珠真書房1978年発行）に書かれている重症心身障害児（者）に対する思い、そのご家族に対する愛情をご紹介したいと思います。 略歴 木実谷　哲史（きみや　さとし） 1951年京都府京都市生まれ。1977年慶應義塾大学医学部を卒業。慶応義塾大学病院、静岡赤十字病院、河北総合病院に勤務。1991年に米国デューク大学、UCバークレイ大学、カナダトロント大学で医療経済学を学ぶ。河北総合病院副院長を経て1995（平成7）年に島田療育センター副院長、1997（平成9）年から院長、2021（令和3）年から名誉院長。その間、日本重症心身障害福祉協会理事長、全国施設協議会議長を歴任。現在、国士舘大学体育学部教授、山野美容福祉短期大学教授を兼務。

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甲状腺超音波検査に比べ耳鼻咽喉科・頭頸部外科が行う頭頸部超音波検査は，これまで手技の整備や普及が遅れていた。そこで，古川政

師，古川まどか医師により頭頸部超音波研究会が結成され，手技の標準化や普及活動が行われてきた。耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会の関連学会で医師に対してのハンズオンセミナーを行う他，日本超音波学会や日本乳腺甲状腺超音波医学会などでメディカルスタッフに対してもハンズオンセミナーを行い，成果を得ている。今後さらなる頭頸部超音波検査の普及をしていくためには，オンデマンド教育やプロジェクションマッピングを利用した遠隔ハンズオンなどに取り組んでいく必要があると思われる。

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私たち中学生はいわゆるデジタルネイティブと呼ばれる世代である。しかし、教育現場には、いっこうにICT化の波が来ない。私は学校のゼミで教育のICT化について研究し、iPadを実際に活用している学校に行き、現場の先生の声を聞いたり、教育以外の現場でのiPad導入事例を聞いたりしているうちに、ICT化がこれからの私たちの生活にいかに必要かを実感した。

そこで、どうすればITアレルギーのある教育現場に、ICT化を自然に受け入れて貰えるかを考えたところ、三つのキーワードにたどり着いた。それは「カンタン・楽・やってみたい」。今日この学会に参加されている先生方が、この三つのキーワードを基に事例を発信し、どんどん周りを巻き込んでいくことで、教育ICT化の波を起こせるのではないだろうか。

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「安全な外科手術手技の確立」には多くの手術をこなすだけではなく，5つの心構えが必要である．第一に上手い人の手術を良く見る．上手い人の手術を一生懸命見るのみではなく，批判的な眼で改良点を見つける努力も重要である．第二に術前準備を万端に行う．術前画像を十分評価し，門脈塞栓術等の適応を見定めることが安全性向上に繋がる．第三に術後経過を慎重に評価する．新知見を得ることもできる可能性がある．第四に他施設に学ぶ．学会等で他施設の工夫を勉強し，取り入れることは重要である．第五に世界を見て，世界に問う．さらに，視野を広げるため，海外の施設と共同研究し，情報発信することで自分の世界でのレベルが良く分かると思う．これらの五つの姿勢は外科医の知識，度量を広げる上で重要である．多くの手術を経験した上に，以上の5つの姿勢を備えて手術に臨めば，「安全な外科手術手技の確立」は達成されるものと確信している．

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Cysts of foregut origin are most commonly found in the ileum, and they are usually lined with respiratory or/and gastrointestinal epithelium. We report a case of lingual foregut cyst lined by both of these epithelium.

　The patient was a 3-year-old boy. In July 2016, he was referred to our hospital because of tongue swelling. MRI showed an internal homogeneous and well-circumscribed high signal mass on T2-weighted images. He was followed up under the clinical diagnosis of thyroglossal duct cyst. However, in October 2019, its mass increased, so it was excised under general anesthesia. Histology revealed the cystic lesion was lined by epithelium comprised of pseudostratified columnar ciliated cells and ectopic gastric mucosa including the gastric glands. There was no cord lesion like a tongue canal in the operation findings, no ectopic thyroid gland in the histological findings, and there were no past reports of thyroglossal duct cysts containing both respiratory and gastric epithelium, therefore the final diagnosis in our case was lingual foregut cyst, rather than thyroglossal duct cyst. No recurrence has been observed in the 12 months following the operation.

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74歳の女性。2000年に，子宮頸癌にて子宮内放射線照射の既往あり。2001年秋頃より外陰部に黒色病変が出現した。拡大傾向があるため，2002年7月24日，藤沢市民病院皮膚科を受診した。同部位の生検を施行し，Bowen病と診断された。同年8月8日，手術目的にて当科を紹介受診した。初診時，両側陰唇から会陰にかけて，馬蹄型を呈する黒色局面が認められた。2002年8月および9月に，切除術を施行した。5カ月後再発し，2003年6月，12月に再手術を施行したが，断端陽性であったため，放射線治療施行中である。

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