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クエリ検索: "江戸川区立南葛西第二中学校"
3件中 1-3の結果を表示しています
  • 1970・80年代と比較して
    *浅井 直美, 石井 克枝
    日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
    2012年 55 巻 B1-5
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/02/01
    会議録・要旨集 フリー
    〈目的〉中学校の調理実習授業は、授業時間数の減少と子どもの実態の変化により困難な状況になっている。調理実習授業のあり方を検討するためには、中学生の調理に関する実態を明確にする必要がある。
       そこで、中学生の家庭生活における調理に関する経験はどのように変化してきたかを1970年代と1980年代の先行研究と比較をすることとした。1970年代は、食の外部化は少なかった時代であり、1980年代は、食の外部化率が急激に増加している時代である。この2つの年代と比較することで、食生活の変化が子どもの家庭生活における調理に関する実態にどのような影響を及ぼしたのかを明確にし、調理実習授業のあり方を検討する参考資料とする。
    〈方法〉2011年2月、東京都E区立M中学校、1・2年生計376名を対象に質問紙法による調査を実施した(回収率100%)。
       調査内容は、家庭生活状況、調理へのモチベーション、家庭における調理経験についてである。この結果を、清水(1973)(1974)(1977a) (1977b)、岡野,清水(1976) (1977)、田部井,仙波(1991)の調査研究結果と比較した。spssを用いて集計し、Χ2検定を行った。
    〈結果と考察〉中学生の家庭における調理の実態は、約30~40年前の小・中学生と比較して、大きく変化していることがわかった。
       まず、家庭での調理手伝い頻度と包丁使用頻度が大きく下がっていた。それに伴い、調理用具の認識についても下がっており、調理経験の有無によって差が認められた。しかし、おろし金、すりこぎ、落としぶたは、全体での認識が低く、調理経験の有無による差がなかった。これらは家庭で使用されなくなってきたことによると考えられた。
       家庭での調理の内容は、手伝いにおいては、小学校題材の内容が多いが、一人調理の場合は、食の多様化の影響を受け、様々な料理に挑戦していた。
       男女間の有意差は、調理に対するモチベーションや家庭での調理経験、食事に関する手伝いや包丁使用頻度にみられ、男子より女子が調理に対して意欲的で、家庭において調理や食事に関する活動を行っていた。学年が上がるほど男女差は広がっていたが、現代は1980年代ほど大きな差ではなかった。
       調理へのモチベーションが高く、家庭での一人調理の頻度が40年前と同じ程度であることから、現代の中学生は、調理の手伝いをしたくても家庭生活の中で調理をする場面が減少しているために、調理手伝い頻度や包丁使用頻度が下がっていると考えられた。
    〈引用文献〉
    岡野純,清水歌. (1976). 「食物」分野における児童の家庭生活の実態に関する研 究 (資料).家政学雑誌,27(6), 455-459.
    岡野純,清水歌. (1977). 「食物」分野における児童の家庭生活の実態に関する研 究: 6年生児童の調理作業について(資料). 家政学雑誌, 28(8), 577-581.
    清水歌. (1973). 家庭科教育と小学生の家庭生活の実態に関する研究(第1報) : 「家庭」分野について. 京都教育大學紀要.A, 人文・社会, 42, 69-95.
    清水歌. (1974). 家庭科教育と小学生の家庭生活の実態に関する研究(第3報) :  「調理」「裁縫」について.  京都教育大學紀要.A, 人文・社会, 44, 49-58.
    清水歌. (1977a). 「調理」に関する児童の知識・経験に関する研究(第1報) : 調理 作業について. 家政学雑誌, 28(1), 67-75.
    清水歌. (1977b). 「調理」に関する児童の知識・経験に関する研究 : 調理器具類 について. 京都教育大學紀要.A, 人文・社会, 51, 37-56.
    田部井恵美子,仙波圭子. (1991). 児童, 生徒の包丁の使用実態及び技能の変容. 日本家庭科教育学会誌, 34(1), 31-37.
  • 1970・80年代と比較して
    *浅井 直美, 石井 克枝
    日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
    2012年 55 巻 3-1
    発行日: 2012年
    公開日: 2014/02/01
    会議録・要旨集 フリー
    〈目的〉中学校の調理実習授業は、授業時間数の減少と子どもの実態の変化により困難な状況になっている。調理実習授業のあり方を検討するためには、中学生の調理に関する実態を明確にする必要がある。そこで中学生の調理技能・技術について実態調査を行い、数値的な比較ができる1970年・1980年代の先行研究と比較をし、現代の中学生の調理技能・技術を明確にすることを目的とする。
    〈方法〉2011年4月、東京都E区立M中学校、3年生16名(男女8名ずつ)、2年生20名(男女10名ずつ)の計36名の生徒を対象に小学校の調理実習内容である、野菜の薄切り、じゃがいもの皮むき、ほうれん草をゆでる、野菜炒め、みそ汁を調理させ、その様子を観察評価した。清水(1970)、田部井,仙波(1991)の調査研究結果と比較した。また、野菜の薄切りとじゃがいもの皮むきについては、C大学1・2年生32名対象に同様の調査を実施し、中学生との比較を行った。SpssおよびExcelを用いて集計し、t検定を行った。
    〈結果〉
    1)包丁の持ち方・食品の押さえ方 望ましい持ち方が1970年代の中学生は66%であったが、本調査では45~62.6%と減少し、持ち方が不安定で調査の間に持ち替えている生徒が多かった。食品の押さえ方も、1970年代は半数以上が望ましかったが、本調査では、適切でない押さえ方が56.3%と半数を超えていた。
    2)野菜の薄切り 1980年代の中学1・3年生との比較では完全枚数率と1切片の薄さについては、本調査の結果とほとんど変わらない良い成績であった。しかし、切る速さは、2倍以上遅く、大学生についても1980年代の中学3年生より遅い結果であった。また、本調査において男女間、学年間についてt検定を行ったが、いずれも有意な差は認められなかった。
    3)じゃがいもの皮むき 所要時間は、1980年代より多くかかった。廃棄率についても1980年代より多かった。しかし、皮むき時の手つき・皮の状態については、1980年代と差はなかった。本調査において手つきと皮の状態について男女間に有意差が見られ(p<0.05)、男子より女子の方が成績が良かった。大学生は、廃棄率と所要時間は1980年代の中学生と同程度であったが、手つき・皮の状態については、良い成績であった。
    4)小学校題材の調理場面の観察評価 それぞれの調理を観察評価した結果を示し、できていない項目を明らかにすることにより、指導のポイントを示した。ほうれん草のゆで方では、洗い方、ゆで時間ができていない生徒の割合が高く、この点が指導のポイントであった。ゆで時間については沸騰を見取ることができないことが原因であることがわかった。野菜炒めでは、調味の仕方、炒め時間、切り方についてできていなかった。適切な塩の計量と炒め時間の指導および料理に適した切り方について指導のポイントとなることがわかった。みそ汁では、火加減が強すぎたために、だし汁が蒸発し、減少しただし汁にレシピ通りの分量の味噌を入れたことにより塩分濃度の高い仕上がりになっていた。火加減の調節の仕方および調味の仕方に指導のポイントがあることがわかった。
    5)調理実技調査の得点化と相関関係 各調査項目のデータを技能が高い場合は得点が高くなるように換算し、野菜の薄切りから「切る技能点」、じゃがいもの皮むきから「むく技能点」、小学校題材の観察評価から「加熱総合点」を算出した。これらの技能点と調理経験との関係を見たところ、調理経験と技能点との間に相関はなく、影響を及ぼすものではなくなっていることが示された。
    〈引用文献〉 清水 歌. (1970). 疱丁作業(薄うちの仕方)に関する研究-1-打ち方の手つきについての調査. 家政学研究, 17(1), 70-75.
    田部井恵美子,仙波圭子. (1991). 児童, 生徒の包丁の使用実態及び技能の変容. 日本家庭科教育学会誌, 34(1), 31-37.
  • 家庭科の地域貢献
    *井元 りえ, 亀井 佑子, 浅井 直美, 西原 直枝, 滝山 桂子
    日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
    2015年 58 巻 P12
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/01/08
    会議録・要旨集 フリー
    【研究目的】   本研究は、小中高生を対象とした児童福祉施設における「縫い物・編み物講座」の実践から考察を行うものである。この実践のきっかけは、「生活やものづくりの学びネットワーク」の東京実行委員会が家庭科で扱うものづくりの魅力を一般の方々に伝える活動をしたいと考え、著者が在勤の江戸川区の社会教育担当者に問い合わせを行ったことに始まる。その結果、小中高生を対象とした児童福祉施設の指導者から「最近の子どもたちは手先を動かす機会が少なく生活力が低いと思われるので、是非ものづくり講座を開いてほしい」という要望があり、講座を実施することとなった。   そこで、本研究は、その実践事例の分析を通して、小中高の子どもを対象とした地域におけるものづくり講座の内容や意義を考察し、家庭科としての地域貢献の在り方を探り、また教材の内容や対象者に応じた教授法などについて学校家庭科への示唆を得ることを目的とする。 【研究方法】  ものづくり講座の実施にあたっては、「生活やものづくりの学びネットワーク」の東京実行委員会が内容について企画し、ネットワークのメーリングリストで講師を募った。そして実行委員と会員ボランティアが講師となった。場所は、2ヶ所の児童福祉施設(小学生の健全育成の施設と中高生対象の児童福祉施設)で、実施回数は4回(2014年夏と冬に2回ずつ)であった。夏には、マスコットホルダー(小学生対象)とティッシュボックスサイズのポケットティッシュ入れ(中高生対象)を、冬には小学生対象と中高生対象の両方において編み物(鎖編み、あや取りひも、リンゴのエコたわし等)を教材とした。なお講座の当日には、午前中に講師向けの講習会を行い、技術の習得と指導方法の確認を行い、午後に講座を開催した。  本研究では、講座後に実施した受講者および講師への質問紙調査を基に、ものづくりに対する受講者の反応や感想、および講師の意見や感想について分析・考察を行った。 【結果及び考察】主な結果と考察は以下の通りである。 1.  「作品が上手にできましたか?」という問いに対して、「とても上手にできた」と答えた受講者が33%、「上手にできた」が60%であった。「あまり上手ではなかった」は7%であった。講師対受講者の比率が1対1に近く、懇切丁寧な指導ができたことも、子どもたちの満足度が高かった一因であろう。 2.  小学生の受講生については、延べ人数で1年生1名、2年生5名、3年生11名、4年生5名、5年生6名であった。低学年や中学年における家庭科の実施可能性について示唆を得た。 3.  「むずかしかったところ」について受講者の回答は次の通りである。中高生を対象としたポケットティッシュ入れでは、10名が、返し縫い、ボタン付け、ゴムの縫い付け、まつり縫いなどを挙げた。編み物講座では、小学生は、編み始め、毛糸を通す時に丸が小さくなってしまった、などを10名が挙げ、また中高生は、たち上がり、糸の押さえ、手の使い方などを8名が挙げた。現在の家庭科の中には編み物は含まれておらず、講師の中にも編み物経験の浅い人もいたが、午前中に行った講習において、技術の習得や授業実践の交流ができたことが有意義であったとの意見が得られた。 4.  「家庭科は好きですか?」という質問に対して、「はい」と答えたのは15名、「いいえ」と答えたのは2名であった。 5.  講師となったのは、様々な校種の家庭科教員およびネットワークに所属する手芸家などの専門家であったため、それぞれの教材開発、指導法などを生かし、講座を運営できた。 謝辞:「生活やものづくりの学びネットワーク」の東京実行委員会の皆様には多大なご協力を頂き、御礼申し上げます。
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