目的:本研究の目的は,半側空間無視(USN)患者におけるPosner課題反応時間の信頼性を明らかにすることとした。
方法:対象者は,右利きの初発の右半球脳卒中患者のうちBehavioral Inattention Test 131点以下の者とした。対象者のPosner課題反応時間を測定し,Bland-Altman分析,級内相関係数(ICC)Case 1,最小可検変化量(MDC)95を算出した。
結果:右不一致条件の反応時間は660.4 ms±150.1 ms(1回目)と648.5 ms±133.7 ms(2回目),左不一致条件は820.7 ms±236.1 ms(1回目)と842.8 ms±247.0 ms(2回目)であった。Bland-Altman分析では,全ての条件で95 %信頼区間は0を含んでいた。また,全ての条件で回帰は有意では無かった。ICC Case1は全条件で0.70以上であり,MDC95は125.1〜196.4 msであった。
結論:USN患者を対象にしたPosner課題反応時間は高い信頼性を有することが明らかになった。
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