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クエリ検索: "津軽山地"
60件中 1-20の結果を表示しています
  • *佐藤 比呂志, 石山 達也, 斎藤 秀雄, 中田 守, 加藤 直子, 阿部 進
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2021年 2021 巻 R14-O-1
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/05/31
    会議録・要旨集 フリー

    はじめに 震源断層の形状や活動性を明らかにすることは、発生する地震・津波災害や地震発生の中期予測にとって重要である。東北日本のような逆断層が卓越する地域では、しばしば断層関連褶曲が形成され、地表近傍での活断層と新第三系基盤岩中の断層の関係が複雑である。また、

    津軽山地
    の両縁のように逆断層が幅の狭い隆起帯を形成する場合には、地下での活断層システム全体の検討が必要になる。ここでは、文部科学省の「日本海地震・津波調査プロジェクト」において実施した2020年津軽半島横断地殻構造探査[1]と既存の地学資料に基づいて、津軽半島とその周辺の震源断層について述べる。

    データ取得 測線は青森湾西側から

    津軽山地
    を経て、深浦町千畳敷にいたる59 kmの区間である。反射法地震探査では標準区間においては50m間隔で受振器を展開し、バイブロサイス4台を用いて100m間隔で発震した。稠密区間(3区間、計35 km)では受振点間隔を25m、発震点間隔を50mとした。屈折法による速度構造解析のため、50ないし100回の多重発震を16点で行った。

    構造探査断面の地質構造 測線周辺の地質構造は、西傾斜の断層によって特徴づけられる。これらの断層群は、日本海拡大期に形成されたもので、

    津軽山地
    区間や白神山地区間では、P波速度5.4km/s以上の岩体(先新第三系)が周辺に比べ深く、沈降域は西傾斜の正断層運動と整合的な、東側で変化率が大きい非対処な形状を示している。
    津軽山地
    は東翼急傾斜、西側緩傾斜の非対称複背斜であり、東翼には津軽断層が分布する。津軽断層の東側には、この断層から分岐した青森湾西断層などの活断層が分布する[2]。
    津軽山地
    の西翼には、活断層である
    津軽山地
    西縁断層帯[3]が位置するが、山地東翼の断層群に比べ総変位量は少なく、地質構造からは津軽断層などの東翼のバックスラストと解釈される。西傾斜の津軽断層の上盤側で、厚い新第三系に相当する速度構造を示すことは、この断層が日本海拡大期に正断層として形成されたと推定される。1766年明和津軽地震(M7.0)の震央は、津軽断層の深部延長上に位置することから、この断層が震源断層である可能性が高い。津軽平野の鮮新世以降の短縮変形にともなう沈降運動は微弱で、大局的には津軽断層の上盤側に位置することと調和的である。
    津軽山地
    の隆起運動は、全体としては正断層の反転運動としてとらえることが可能であり、反転の過程で東翼にfootwall shortcut thrustを生み出し、津軽断層の東側に活断層を形成させた。こうした構造運動のみでは、青森平野から青森湾の先第三系基盤の低下については、説明することができない。この領域の深い堆積盆地の形成をもたらした要因としては、秋田-山形堆積盆地のような中絶リフトを考慮する必要があろう。

    津軽平野西縁断層 

    津軽山地
    には褶曲した厚い新第三系が分布し、平野との境界部では舞戸層や鳴沢層(鮮新-更新統)が急傾斜帯を形成している。速度構造から見て、山地の新第三系基盤は、平野側より低下し、堆積盆地の反転運動を示している。西側の白神山地で厚い堆積層を示す舞戸層は、上部では東方に向かって層厚が増加する。これは津軽平野西縁断層(新称)の正断層から逆断層への反転運動を示している。舞戸層の浮遊性有孔虫から[4]、この変形は3.5 〜1.2Maに開始された可能性が高い。 白神山地北縁の日本海沿岸には、海成段丘が分布することが知られている[5]。酸素同位体ステージ5e(12.5万年前)の海成段丘面高度は、津軽平野西縁断層の隆起側では西方に向かって次第に上昇し、ステージ5eの旧汀線高度は、100〜80 m程度となる。津軽平野西縁断層は重力異常にもよく現れており、西側隆起の構造として岩木山南西麓まで追跡できる。断層深部の傾斜は40度と推定されるので、ネットスリップは1 mm/年に達する可能性のあるA級の活断層となる。まとめ 活断層-震源断層システムは、現在とは異なるテクトニクスの元で形成された断層が、再活動しているケースが一般的である。従って震源断層の形状推定には、地球物理学的なイメージングとともに構造地質学的な検討が重要である。

    文献[1]佐藤比呂志ほか,2021年石油技術協会春季講演会 地質探鉱部門個人講演 17, 2021.[2]地震調査委員会:青森湾西岸断層帯の長期評価について,16p., 2004a.[3]地震調査委員会:

    津軽山地
    西縁断層帯の長期評価について, 18p., 2004b.[4]根本直樹:化石,48, 17-33, 1990.[5]小池一之,町田 洋編: 日本の海成段丘アトラス, 122p., 2001.

  • 宮内 崇裕, 青森県主要起震断層調査委員会, 飛田 健二, 野溝 昌宏, 斉藤 秀樹
    活断層研究
    1999年 1999 巻 18 号 14-22
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2013/03/22
    ジャーナル フリー
    The Tsugaru Mountains are bounded by active faults and flexures along both western and eastern margins. The western marginal fault zone are reexamined by large-scale airphotograph interpretation, leveling and seismic refractive survey. This fault zone are characterized by west-dipping flexure with east-dipping fault (back thrust) in the southern part, and is not recognized in the northern and central part. Thus, the parameters of this fault zone was revised to be ca.15km long and in the vertical slip rate of ca.0.2m/ka in the late Quaternary time. The Namioka flexure near the fault zone has relatively high vertical slip rate of 0.7m/ka. These active tectonic structures are possibly sesimogenic, but their last events still unclear with implication of the historical 1766 earthquake (M71/4).
  • 根本 直樹
    第四紀研究
    2014年 53 巻 4 号 205-212
    発行日: 2014/08/01
    公開日: 2014/10/24
    ジャーナル フリー
    新第三紀以降の津軽半島におけるテクトニクスを概観し,鮮新世以降の地質構造を概説した.
    津軽半島における新第三紀以降の地史は,他の日本海沿岸地域と類似する.前期中新世に日本海誕生に伴う火山活動によりグリーンタフが形成され,中期中新世には日本海拡大に伴い浅海から深海へと沈降した.鮮新世以降,東北日本弧は東西圧縮の応力場に置かれ,津軽半島では逆断層やドームなどの地質構造が発達した.その地質構造を反映して,津軽半島の地形は北東部,中軸部および南西部の三つの隆起帯と,それらの間の低地〜丘陵地から構成される.
    津軽山地
    東麓に分布する津軽断層の東方には,平行する断層と撓曲が認められ,鮮新世以降断層の活動場が東へ移動して陸域を拡大させた.
    津軽山地
    西麓では,南端に
    津軽山地
    西縁断層が分布するのみで,他の断層は認められない.津軽半島南西部地下には段丘堆積物に覆われて背斜軸が伏在する.
  • 吾妻 崇
    第四紀研究
    1995年 34 巻 2 号 75-89
    発行日: 1995/05/31
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    津軽半島に分布する段丘をIm面・IIf面・IIIm面・IIIf面・IVf面・Vm面に区分し,そのうちのIIIm面を最終間氷期最盛期に形成された海成段丘に対比した.IIIm面の旧汀線高度は,津軽半島北部(高度13~41m)と東部(高度14~30m)で波長約30kmの波状変形に加えて,北部では短波長(約3km)の波状変動を示す.
    津軽山地
    東西両縁の活断層(活動度B~C級)は,段丘上に平野側へ傾き下がる撓曲崖(変位量10~30m)やその背後の逆向き低断層崖(変位量2~10m)を形成し,半島が東西圧縮場にあることを示す.段丘の変動様式は,基盤となる新第三系の分布と関係し,おもに鮮新世の固結度の小さい堆積岩が分布するところで変位が大きい.第四紀後期には,半島東部でより山地・平野境界部の地殻変動が活発である.
  • 力石 國男, 林 敏幸
    雪氷
    1995年 57 巻 3 号 221-228
    発行日: 1995/09/15
    公開日: 2010/02/05
    ジャーナル フリー
    既存の気象観測資料(気温,風向風速,降雪量または降水量)を解析して,豪雪都市として知られる青森市の降雪量と地上の風系との関係を調べた.青森市の降雪量が多い時には,青森県下の風系が組織化され,風上に風の収束域が形成されることが明らかになった.この収束域は,
    津軽山地
    の稜線に沿って吹く北西風と,八甲田山系を迂回する南西風が青森市の西方で合流するすることによって形成されている.この地形による風の収束は,上昇気流を引き起こし,雪片を生成させると推定される.従って,寒気の流入と
    津軽山地
    および八甲田山系の存在が,青森市の局地的な大雪の原因になっていると結論される.
  • *高橋 直也, 石村 大輔, 太田 凌駕, 荒井 悠希, 山根 悠輝
    日本地理学会発表要旨集
    2024年 2024s 巻 814
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/19
    会議録・要旨集 フリー

    研究背景

    河床材料の形状は粒子の運搬条件を規定しており, 基盤岩石の力学的な特性や,流域内での土砂生産過 程を反映する.河道における下流方向への粒子形状 の変化は,単純な傾向(例えば,ステルンベルグの 法則)を示さないことがあるため,河道の幾何特性 や土砂生産過程との関係性を明らかにすることが河 川地形の発達を考える上で重要となる.粒子形状の 変化傾向を検討するには,地質が比較的単純な地域 を対象に詳細な計測を行うことが望ましく,粒径に 加えて粒子の円磨度を定量することで,河床材料の 生成・輸送過程をより精緻に議論できるようになる だろう.そこで本研究では,青森県

    津軽山地
    の母沢 において河床材料の粒径と円磨度を岩種ごとに計測し,流域地形の形成過程を粒子形状の変化傾向から 検討した.

    対象地域・手法

    母沢は

    津軽山地
    の玉清水山から西に流下する河川で あり,源流部から下流に向かって約4 kmの区間を調 査対象とした.この区間の上流側には玄武岩類が, 下流側には硬質頁岩が分布し,ダムや擁壁などの構 造物は存在しない.この区間において15地点で粒径 の計測を行い,そのうち6地点で円磨度を計測した. 粒径は,各地点で100–200 m程度の区間に存在する複 数の砂礫堆を対象として線格子法で計測し,その区 間の代表的な粒径が得られるようにした.各地点で 300粒子以上の中間軸を計測し,岩種ごとに粒径と存 在比を求めた.その結果14地点において頁岩の計測 数が100に満たなかったため,同じ手法で頁岩の計測 数が100になるまで計測した.円磨度については,4 粒度階(2–4 mm, 4–8 mm, 8–16 mm, 16–32 mm)の粒 子をふるい分けして採取し,画像解析(Zheng and Hryciw, 2015; Ishimura and Yamada, 2019)によっ て計測した.同様の調査を支流,崖錐において実施し,支流由来の粒子と,斜面から河道へと直接供給される粒子の形状について検討した.

    結果・考察

    河床材料の粒径および円磨度の変化傾向は,岩種に よって異なり,玄武岩類の粒子は,D30以上の粒径ク ラスで下流細粒化し,それよりも細粒のクラスはほ とんど変化しなかった.円磨度は,粒度によって傾4.向が異なっていた.16–32 mm,8–16 mmの粒子は上流 側の4地点において円磨度がほとんど変化せず,玄武 岩礫を含む支流から比較的円磨の進んだ粒子が流入し た後に円磨度が増加した.4–8 mm,2–4 mmの粒子は流 下方向に向かって円磨度が一度増加したのち徐々に減 少した.その後,最下流の計測地点に向かって少し円 磨度が増加したが,その増加量は8 mmより大きい粒子 の変化量よりも小さかった.これは,粒子の破砕によ って生まれた低円磨度の粒子は,粒径の小さいものが 多いことが原因だと考えられる. 頁岩粒子の粒径は,上流から5番目の調査地点より上流ではほとんど変化しないのに対し,それよりも下 流にいくにつれて徐々に増加する.粒径が増加し始 めた地点は,頁岩が渓岸に広く露出し始める地点と概ね一致する.これは,粗粒物質が渓岸から継続的に供給された結果,頁岩の粒径が全体的に増加した ことを示唆する.円磨度は,全粒度について最上流で急増するが,頁岩が広く露出し始めるとあまり変化しなくなった.粒径の変化と同様に,斜面から供 給される粒子の影響を強く受けたことで平均円磨度があまり変化しなくなったと考えられる.最下流の 計測地点では,粒径8 mm<の粒子の円磨度が増加した 一方で,8 mm未満の粒子の円磨度はあまり変化しな かった.玄武岩と同様に,破砕によって生まれる低 円磨度の粒子の影響が粒度によって異なることを示 唆する.

    まとめ

    山地河川の源流部では河道を運搬される堆積物の総 量が比較的少ないため,粒子形状の変化要因が狭い 範囲内で変化する.本研究の結果は,岩種ごとに粒 子形状の変化が大きく異なることを意味しており, その原因を明らかにする上では,粒径と円磨度の変 化を同時に調べることが有用である.

    謝辞 本研究は,公益財団法人国土地理協会2022年度学術研 究助成を受けたものである.文献.Ishimura and Yamada (2019) Scientific reports, 9, 10251. Zheng and Hryciw (2015) Géotechnique, 65(6), 494-506.

  • 小原 良孝
    哺乳類科学
    1999年 39 巻 2 号 299-306
    発行日: 1999年
    公開日: 2008/07/30
    ジャーナル フリー
  • 力石 國男, 菅谷 重平, 前田 秀樹
    雪氷
    1989年 51 巻 4 号 253-264
    発行日: 1989/12/30
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    青森市が日本有数の豪雪都市になっている原因を考察するため, 青森県内の日平均気象データ及び秋田の高層気象データを統計的に解析した.その結果次のような降雪特性が明らかになった。まず, 青森の降雪は他の地域の降雪との相関が良くなく, 青森付近だけ独特な降り方をしている.また, 青森の降雪は秋田の高層気象との相関が高く, 青森に多量の雪が降る日には, 上空に寒気が流入してきて, 対流混合によって水蒸気が高度1500~3000mまで運ばれている.さらに, 青森の降雪は地上気象との相関も高く, 気温が低く風が強いほど降雪量が多い.また, 雪を運ぶ風の向きはほぼ南西の方向に一定している.このような降雪と高層気象及び地上気象 (気温, 風向・風速) などとの高い相関は, 津軽地方の他の地域では見られない特徴である.
    これらの青森市の降雪特性は次のように解釈される.まず, 青森の降雪が他の観測点と相関が低いのは, 青森が山脈などの地形により他の地域から隔絶されており, 降雪に対するこれらの地形の影響が大きいためである.また, 高層気象と相関が高いのは, 青森の降雪が本質的に山雪であることを示唆している.さらに, 地上気象との相関が高いのは, 青森の場合には気温の低下・風速の増加に伴って上昇気流が生ずる一定の場所があり, 風の向きがそこで生成された雪片を青森に運ぶ方向に一定しているためである.雪片を運ぶ風の向きはほぼ南西であるので, 雪片の生成場所としては, 八甲田山系の西~北西側斜面上空が挙げられる.すなわち, 青森の雪は八甲田山系の西~北西側斜面上空にできた山雪が風に乗って里に降ったものであると考えられる.
  • 津軽地方における1台のドップラーレーダーによる観測
    児玉 安正, 真木 雅之, 安藤 真一, 大槻 政哉, 稲葉 修, 猪上 淳, 越前 直哉, 中井 専人, 八木 鶴平
    気象集誌. 第2輯
    1999年 77 巻 5 号 1039-1059
    発行日: 1999/10/25
    公開日: 2009/09/15
    ジャーナル フリー
    日本海上で冬季季節風が吹くと、多くの背の低い対流性雪雲が大気混合層内に生じ、日本列島に多量の降雪をもたらす。津軽地方の複雑な地形の影響を受けた雪雲と気流の振舞いを1台のドップラーレーダーによる観測で調べた。標高が200~700mの背の低い山脈である
    津軽山地
    の風上側~15kmの領域に山地に平行に伸びる帯状の弱風域がみられ、そこで雪雲の雲頂が上方に盛り上がっていた。一方、
    津軽山地
    の上空とその風下では風速が増加すると共に雪雲の雲頂が急激に低下していた。山越えする二層流体の2次元の理論によると、ゾンデ観測から得られた環境パラメータ下では、山脈の風上の部分ブロッキング、山頂から風下での下降流と風下ジャンプを伴う流れが予想された。観測的な限界から十分な確認ができなかった下降流と風下ジャンプを除くと、観測結果はこの理論的予想と矛盾しない。弱風域の入り口での下層収束は雪雲を上方へ発達させていた。しかし上方への発達にともなう降雪強度の増加は確認できなかった。標高が1000mを越える白神山地や岩木山の北方から津軽平野の中部を通って陸奥湾まで、西南西-東北東の方向に伸びる顕著な帯状の強降雪域が観測された。この帯状降雪域を維持するメカニズムとして、白神山地と岩木山、及び
    津軽山地
    の鞍部の地形的影響を検討した。
  • 松本 建速
    第四紀研究
    2003年 42 巻 1 号 1-12
    発行日: 2003/02/01
    公開日: 2009/08/21
    ジャーナル フリー
    東北北部地域の8~11世紀の土器胎土と第四紀層粘土を,誘導結合プラズマ発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectrometry: ICP-AES)によって分析した.土器胎土の化学組成は,遺跡周辺の第四紀層の粘土の化学成分に類似していた.東北北部地域では,土器胎土や第四紀層の粘土に含まれるCa,Na,Kは,日本海側から太平洋側に向かって系統的に増減していた.これらの元素の含有量の変化傾向は,東北地方の第四紀火山噴出物の場合と類似していた.そして,土器胎土とされた第四紀層の粘土は,周辺の第四紀火山噴出物が起源であると予想した.
    長石を構成する主要元素のうち,Ca,Na,Kを用いてK/Na+CaとCa/Na+Kという指標を作った.マフィック鉱物を構成する主要元素のうちTi,Fe,Mgと,粘土鉱物を構成する主要な元素であるAlを用いて,Ti/Al+Fe+Mgという指標を作った.それらの指標の値は,日本海側地域から太平洋側地域へと系統的に変化していた.これらの指標の値から,東北北部地域に関しては土器胎土の産地推定が可能である.
    その結果,今回分析された東北北部地域の8~11世紀の土師器は,遺跡周辺で作られたものがそれぞれの遺跡で利用されており,広範囲での流通はなかったことがわかった.
  • 海津 正倫
    地理学評論
    1976年 49 巻 11 号 714-735
    発行日: 1976/11/01
    公開日: 2008/12/24
    ジャーナル フリー
    津軽平野の沖積世における地形発達史を,地形・地質調査,珪藻分析などに基づいて明らかにした.
    沖積世の初期における平野の形成は,入り込んだ溺れ谷を埋積する状態で進行し,河谷によって堆積構造の違いが認められる.溺れ谷の両岸に発達する段丘面の埋積は,海水準の上昇とも関連して,堆積の場の急激な拡大をひきおこし,堆積物の顕著な細粒化を導いた.海進による水域の拡大は五所川原市付近まで達したが,その中心は西に片寄っていた.当時の水域に注ぐデルタとして形成された上位沖積面は以後の海退に伴って開析された.その後,谷中に樹林が生育したり,下流側の地域で泥炭が顕著に形成されるような,あまり洪水のおこらない安定した時期を経て,それらをおおう下位沖積面堆積物の堆積をみた.水域の拡大期は5,500y.B.P.頃まで,海退期を経て,安定期は2,500y.B.P.頃を中心とした時期,下位沖積面形成期は2,000y.B.P.頃以降と考えられる.
  • 齋藤 信夫
    植生学会誌
    1998年 15 巻 2 号 107-115
    発行日: 1998/12/25
    公開日: 2017/01/06
    ジャーナル フリー
      1.本州の最北端,青森県の津軽半島に発達するミズナラ林の種組成と分布傾向を調査した.その結果,ミズナラ-カシワ群落,ミズナラ-サワシバ群集,ミズナラ-オオバクロモジ群集を識別できた.
      2.ミズナラ-カシワ群落はクルマバソウ-カシワ群集に近い群落であるが種組成は異質の群落である.津軽半島のミズナラ-サワシバ群集は北海道のミズナラ-サワシバ群集とは組成的には異なる可能性がある.また,東北地方のミズナラ-サワシバ群集も同様に北海道のものとは異なる.ミズナラ-オオバクロモジ群集は日本海岸気候域に広く分布し,階層的には多雪地に強く結びつく木本類や草本類が低木層以下に生育することが特徴といえる.
      3.ミズナラ-オオバクロモジ群集は津軽半島内陸部に多く分布する傾向があり,ミズナラ-サワシバ群集は小泊村,平舘村,今別町などの津軽半島北部の渓谷沿いに局部的に分布している.ミズナラ-カシワ群落は岩木川,増川川,蟹田川などに起因する河岸段丘斜面や海岸近くの海岸段丘斜面などに分布している.
      4.気候要因との関連では,ミズナラ-オオバクロモジ群集は多雪,多湿,寒冷傾向の地域に分布している.ミズナラ-サワシバ群集は他の群落に比べ降雪量が少ない地域に分布しているが,地形要因,土地的要因などもはたらいているものと推測される.ミズナラ-カシワ群落の分布には季節風や海からの風が関係していることが推測される.
  • 力石 國男, 大西 健二
    雪氷
    1991年 53 巻 4 号 281-289
    発行日: 1991/12/30
    公開日: 2009/08/07
    ジャーナル フリー
    青森市内11ヶ所の毎時の降雪量データ(期間は1987年12月&sim;88年3月)を解析して,基準観測点の降雪量と相関の高い領域が,青森市の平均的な風の方向に沿って分布していることを示した.また,青森県内127ヶ所の日降雪量データ(期間は1979&sim;85年の1&sim;2月)を解析して,代表的な観測点に対する相関係数の分布から雪雲の平均的な移動経路(上空の風)を推定した.雪雲は県内全般に西風によって運ばれているが,青森市周辺では八甲田山系を迂回する風により,また,津軽半島北部では
    津軽山地
    の影響による北西風によって運ばれている.これらの上空の風は,アメダスによる地表の風の観測値と大体一致している.一方,弘前,黒石などの津軽平野南部では,雪雲は岩木山を迂回する北西風によって運ばれるものが多い.
  • 運動から文化・歴史を活用した大規模公園へ
    清藤 栄
    ランドスケープ研究
    1998年 62 巻 4 号 338-339
    発行日: 1999/03/29
    公開日: 2011/07/19
    ジャーナル フリー
  • *高橋 直也, 荒井 悠希
    日本地理学会発表要旨集
    2023年 2023s 巻 P042
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/06
    会議録・要旨集 フリー

    1. 研究背景・目的

    岩盤強度は,岩盤河川の河床勾配に影響する主な要素の一つである.隆起速度のような,河床勾配に影響する条件が同じである場合,岩盤強度が大きいほど河床勾配が急になる傾向がある.一方で,明らかに岩盤強度に差がある場合でも,河床勾配に変化が見られないことが多々ある.Sklar and Dietrich (2004)は,数値モデルを用いて,河床材料による侵食の促進・抑制効果が卓越する場合は,岩盤強度の差が河床勾配にあまり反映されなくなることを示した.これは,岩盤強度の差による河床勾配の変化が,河床材料の効果によって打ち消されることを示唆している.そのため本研究では,河床材料の多寡によって,岩盤強度と河床勾配の関係がどの程度変化するのか,を明らかにすることを目的した.

    2. 対象地域・手法

    津軽山地
    の袴腰岳周辺に分布する河川を対象に,現地調査と,10mメッシュの数値標高モデル(DEM)を用いた地形解析を行なった.対象とした河川では,上流側に新第三系の玄武岩類が,下流側に新第三系の砂岩や泥岩が露出している.玄武岩類が分布する範囲の河床勾配は,堆積岩分布域の勾配よりも1–3倍大きく,岩盤強度の差が河床勾配に強く現れている場所とそうでない場所が存在する.現地調査では,流路幅・深さ,河床材料の粒径,河床における岩盤の露出率を計測し,その結果を用いて,河床材料を始動,運搬するために必要な河床勾配を計算した.また,岩盤の露出割合から推定した堆積物供給量と運搬量の比(Chatanantabet and Parker, 2008)と,運搬ステージ(シールズ数と限界シールズ数の比)を用いて,河床材料による侵食の促進・抑制効果を検討した.河床勾配は集水面積に強く依存するため,集水面積の影響を補正した指標(ksn: normalized steepness index)を用いた.

    3. 結果・考察

    津軽山地
    の西側に位置し,特徴の異なる3つの河川(田ノ沢,大倉沢,敷場沢)を対象に現地調査を行った.田ノ沢の調査区間には玄武岩類のみが分布し,本流と支流ではksnが2倍程度異なる(すなわち,集水面積が同じ地点の勾配が2倍異なる).大倉沢では岩種ごとにksnが大きく異なっているのに対し,敷場沢ではksnが岩種に依存していない.田ノ沢では,急勾配の区間の中央粒径D50が,勾配が緩い区間のD50の1.5倍であった.河床材料の始動,運搬に要する勾配を比較したところ,田ノ沢の本流と支流のksnの変化は,粒径の差で概ね説明できることがわかった.同様に,大倉沢で見られた岩種ごとのksnの差は,概ね粒径の差で説明可能であった.これは,大倉沢においては,河床に露出した岩盤の強度差による勾配変化が,粒径の差による勾配変化よりも小さいことを意味する.ただし,河床に存在する礫のほとんどが玄武岩類であり,玄武岩類の最大礫径が堆積岩の最大礫径よりも大きいことから,岩盤強度が,礫の耐破砕・摩耗性や,礫が斜面から河川に流入する際の礫径に影響している可能性がある.玄武岩類,堆積岩ともに同程度のksnであった敷場沢では,玄武岩類区間と堆積岩区間のD50がほぼ同じであったが,河床材料の始動,運搬に要する勾配は,堆積岩区間でより小さくなった.玄武岩類が分布する区間と堆積岩が分布する区間を比べると,運搬ステージは概ね同じであるが,堆積岩区間の方が岩盤の露出割合が高い傾向にあった.このことから,岩盤強度の差による勾配変化が,河床材料の影響によって相殺されている可能性があるが,地形解析結果や,更なる現地調査によってより詳細に検討する必要がある.

    謝辞.

    本研究は,公益財団法人国土地理協会 2022 年度学術研究助成を受けたものである.

    文献.

    Chatanantavet, P. and Parker, G. 2008. Experimental study of bedrock channel alluviation under varied sediment supply and hydraulic conditions. Water Resources Research 44: W12446.Sklar, L. and Dietrich, W. 2004. A mechanistic model for river incision into bedrock by saltating bed load. Water Resources Research 40: W06301.

  • 小田切 聡子, 島崎 邦彦
    地震 第2輯
    2001年 54 巻 1 号 47-61
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    ジャーナル フリー
  • 秋田 寛己
    北方森林研究
    2020年 68 巻 7-9
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/22
    ジャーナル フリー
  • 檜垣 大助, 小岩 直人, 亀井 翼, 北村 繁
    第四紀研究
    2014年 53 巻 4 号 191-192
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    ジャーナル フリー
  • 中泊町 総合戦略課
    風力エネルギー
    2017年 41 巻 4 号 601-604
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
  • 第1報青森県における初発生並びにその発生実態について
    荒井 茂充, 佐藤 保, 阿部 信夫, 村井 智子, 藤田 謙三, 藤村 建彦
    北日本病害虫研究会報
    1984年 1984 巻 35 号 85-88
    発行日: 1984/11/10
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    青森県においても1983年6月8日、本州では最北端の県としてイネミズゾウムシの発生が、弘前市石川で確認され、県下全域調査の結果、8市町村、5069.8haに及び、初発生としては広い発生分布が認められた。発生程度は、弘前市及び南津軽郡平賀町で高かったが、越冬成虫密度は全般に低いものと考えられた。本県への侵入経路は不明であるが、二次的な分布地域の拡大には、自動車の関与していたことが示唆された。また、1983年の4~5月の高温と強風がこれを助長していたことも考えられた。
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