第四紀研究
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「考古遺跡からみた津軽の人と自然」特集号(その1)
津軽半島における新第三紀以降のテクトニクス
根本 直樹
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2014 年 53 巻 4 号 p. 205-212

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抄録

新第三紀以降の津軽半島におけるテクトニクスを概観し,鮮新世以降の地質構造を概説した.
津軽半島における新第三紀以降の地史は,他の日本海沿岸地域と類似する.前期中新世に日本海誕生に伴う火山活動によりグリーンタフが形成され,中期中新世には日本海拡大に伴い浅海から深海へと沈降した.鮮新世以降,東北日本弧は東西圧縮の応力場に置かれ,津軽半島では逆断層やドームなどの地質構造が発達した.その地質構造を反映して,津軽半島の地形は北東部,中軸部および南西部の三つの隆起帯と,それらの間の低地〜丘陵地から構成される.
津軽山地東麓に分布する津軽断層の東方には,平行する断層と撓曲が認められ,鮮新世以降断層の活動場が東へ移動して陸域を拡大させた.津軽山地西麓では,南端に津軽山地西縁断層が分布するのみで,他の断層は認められない.津軽半島南西部地下には段丘堆積物に覆われて背斜軸が伏在する.

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© 2014 日本第四紀学会
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