本研究は,小・中・高等学校の児童・生徒を対象に,環境概念の形成に関係するものとして選択された16の事象について,(1)各事象に関する概念の内容と範囲(内包と外延)を明らかにする,(2)事象を提示するメディアの種類と組合せを変え,概念の表出内容がどのように変容するかを解析することにより,概念形成に対する教授メディアの効果を明らかにするとともに,教授・学習過程構成の最適方略決定の資料を得る,ことを意図して行われたものである。得られた結果の概要を述べると,(1)については,児童・生徒が表出した概念の内容は,(1)提示事象そのもの(定義,構成物,商品名など),(2)事象から派生または関連をもつ事象,(3)用途,(4)場所,(5)その他,に大別され,(1)〜(5)の構成比により提示事象をいくつかのグループに分類できることが明らかになった。また,(2)については,提示メディアとして用いた文字・音声,映像のうち,概念の表出量には音声メディアが,その質には文字と映像メディアが影響を与えることが解明された。
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