心包の兪穴・募穴である厥陰兪及び〓中に対して鍼刺激を行い, 瞬時心拍数を測定しその結果を西條らの動的自律神経機能検査法を用いて, 刺激前値に対する刺激後の効果の相違を観察検討した。測定は, 刺激前に安静仰臥後及び立位3分後に1分間, 刺激時に2分間・刺激後に仰臥位, 立位を3回繰り返しそれぞれ3分後に1分間行なった。その結果刺激後1回目の測定では, 2種の刺激間の自律神経機能関与度の変化に差は見られなかったが, 刺激後3回の測定を通して見ると, 厥陰兪刺激では, 自律神経機能関与度の変化の方向に一定の傾向が見られず, 変化も小さかったが, 〓中刺激では, 自律神経機能関与度を持続的に高めると共に大きい変化を表す傾向が見られた。
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