日本ウズラの
白内障
誘発試験に対する供試動物としての有用性を調べる目的で本試験を行った。2週齢の雄ウズラに2, 4-dibromo-4-nitrophenolまたは2, 4-dinitro-anisoleを単回経口投与し,
白内障
発生の有無を経時的に検索した。陽性対照として2, 4-dinitrophenolを投与した。1.2, 4-dinitrophenolの36および43mg/kg投与により, 可逆性
白内障
が14/16例 (87.5%) に投与後1, 2時間目の観察で認められ始め, 1~12時間持続した後消失した。2.2, 6-dibromo-4-nitrophenolの20および25mg/kg投与により, 2/13例が死亡した。生存動物において, 可逆性
白内障
が7/11 (63.6, %) に投与後1, 2時間目の観察で認められ始め, 6~15時間持続した後消失した。3.2, 4-dinitroanisolの120および1501ng/kg投与により6/14例が死亡した。生存動物において可逆性
白内障
が8/8 (100%) に投与後1, 2および4時間目の観察で認められ始め, 1~13時間持続した後消失した。日本ウズラは, 化物物質の眼毒性 (
白内障
) 評価用動物種として, また
白内障
の実験発症モデルの一つとして利用できると思われる。
抄録全体を表示