われわれは, 下総療養所に入所中である難治性女子長期在院分裂病群48例に対しSBSスケールによる, その社会性の評価を行い, 次のような結論に達したので報告する. われわれは, スケールをさらにA. 社会的交流, B. 情緒の障害, C. 奇妙な行動, D. 問題行動, E. 能動性の障害, F. 合計点, の5つのカテゴリーに分け, そのプロフィールを作成し適応困難例の類型化を試みた. 高度の落ち込みを大文字, 軽い落ち込みを小文字で示すと, 12の類型が得られた. しかし大文字の入るものが極めて高率にみられ, 院外生活の不可能例が多いことが暗示された. AE型, aE型の百分率が最も高く, それぞれ22.9および20.8であつた. 彼らは, 分裂病母集団の中では難治性の少数例に過ぎないにせよ, その生活の質的充実をはかり, 生き甲斐ある人生の道を与えてゆくことは, 精神科医の責務であろう.
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