雌馬に性腺刺激ホルモン放出ホルモン類縁物質 (ブセレリン) を, 繁殖季節である3月から5月の期間に投与し, 発情持続時間・排卵・受胎成績などについて調べた.
サラブレット種ならびに中半血種合計89頭にブセレリン0, 10, 20, ないしは40μgを発情開始後に投与した.
発情徴候は試情により, 排卵は直腸検査によって確認し, 妊娠診断は超音波画像診断を併用した.
1) 中半血種25頭に, ブセレリン10~40μgを投与し, 発情持続時間・排卵までの日数・交配回数を検討したが処置量間に有意差は認められなかった (P<0.05).
2) サラブレット種56頭について, ブセレリン20μg投与から排卵までの日数 (平均値2.7日: 3.3日, 投与群: 対照群以下同じように記す), と交配回数 (1.0回: 1.2回) の改善に投与効果が認められた (P<0.05).
3) 持続性発情馬に, ブセレリン20μ9を投与した結果4日以内に全例排卵し, うち3頭が1回交配で受胎した.
以上のことから, 発情徴候発現後にブセレリン20μg投与により, 繁殖成績の向上が期待できると考える.
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