本研究グループでは高等学校理科の共通基礎科目「理科基礎(仮称)」の構築に向け, カリキュラム案を作成した. 特徴としては, エネルギー概念を中心とした物理, 化学, 生物, 地学の4分野を統合することでAgency(エージェンシー)を育み, 学習者主体の視点を重視している. 具体的には, 「理科基礎1分野(物理・化学)+理科基礎2分野(生物・地学)+理科探究基礎」の6単位3科目必修である. 「理科基礎1 分野」と「理科基礎2 分野」の学習内容は, 中学校理科の学習内容の延長で, 生徒にとって学びやすく,また,Agency(エージェンシー)を育む「実験デザイン・評価」の時間を各科目で20 時間確保している. また, 「理科探究基礎」では, 実験・観察を行い, 探究の過程を通して, 課題を解決するために必要な基本的な資質・能力を育成する.
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