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クエリ検索: "神経栄養因子"
2,348件中 1-20の結果を表示しています
  • 高坂 新一
    昭和医学会雑誌
    1992年 52 巻 5 号 570-578
    発行日: 1992/10/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
  • 浅田 史成
    日本保健福祉学会誌
    2018年 24 巻 2 号 29-33
    発行日: 2018/03/30
    公開日: 2018/07/18
    ジャーナル フリー
  • 服部 達哉, 中嶋 一行, 高坂 新一
    日本内科学会雑誌
    1994年 83 巻 4 号 591-596
    発行日: 1994/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    パーキンソン病は黒質ドーパミン作動性神経細胞の変性が病変の主座となっている.さらに進行性の疾患であり,老化とも密接に関わっていると考えられる.神経系の一生に大きな影響を与えると考えられる
    神経栄養因子
    について,ドーパミン系に作用する
    神経栄養因子
    を中心に概説した.
  • 宮田 雄平
    日本医科大学雑誌
    1997年 64 巻 5 号 467-470
    発行日: 1997/10/15
    公開日: 2009/07/10
    ジャーナル フリー
  • 武井 延之
    化学と生物
    2008年 46 巻 1 号 24-31
    発行日: 2008/01/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    神経栄養因子
    とは神経細胞に作用し,分化,成熟,生存維持,機能調節に重要な役割を果たす,分泌性のタンパク質分子である.これらの受容体の多くは受容体型チロシンキナーゼであり,二量体化して,互いをリン酸化して活性化し,シグナルを細胞内に伝えている.脳における
    神経栄養因子
    の機能について,疾患との関連も含め解説する.
  • 佐藤 文憲, 三股 浩光, 野村 威雄, 藤田 義嗣, 野村 芳雄, 濱田 泰之
    日本泌尿器科学会雑誌
    2000年 91 巻 3 号 407-
    発行日: 2000/03/20
    公開日: 2017/04/06
    ジャーナル フリー
  • 金村 尚彦, 坂 ゆかり, 森山 英樹, 今北 英高, 武本 秀徳, 木藤 伸宏, 高柳 清美, 西原 賢, 伊藤 俊一, 五味 敏昭
    理学療法学Supplement
    2010年 2009 巻 O2-004
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/05/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】足底皮膚には,末梢神経が存在しており,様々な感覚情報を中枢へ伝達している.神経の生存や維持には,
    神経栄養因子
    が必要となる.先行研究では,トレッドミル走行運動により,成獣ラット脊髄や,ヒラメ筋などの
    神経栄養因子
    mRNA発現量が増加することが報告されている.しかし足底皮膚に存在する
    神経栄養因子
    mRNAの発現や運動による影響については明らかにされていない. 本研究では,ラット足底皮膚における
    神経栄養因子
    mRNAの発現量に対する走行運動の影響を検討することを目的とした.

    【方法】Wistar系雄性ラット22匹(10週齢)を対象とした.走行群(走行期間;1日群, 5日群,4週間群),非走行群とランダムに分けた.走行群は,小動物用トレッドミルを使用し,走行速度17m/min, 傾斜0°,走行時間1時間の条件で運動を課した.すべてのラットにおいて,餌や給水は自由に摂取させた.実験終了後,足底皮膚パッドを採取した後,急速凍結した.パッドをTRIzol Reagent (Invitrogen Co.,CA,U.S.A)を加えホモジナイザーにて粉砕後, total RNAを抽出した.次にcDNAの作成について, High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)を使用した.逆転写反応により作成したcDNAを鋳型とし,最後に
    神経栄養因子
    mRNAプライマーを用い,リアルタイムPCR法にてmRNA発現量を検討した.使用した機器はOpticon (Bio-Rad Laboratories, Inc. USA)であった.プライマーは,
    神経栄養因子
    である,brain-derived neurotrophic factor (以下,BDNF),neurotrophin-4(以下,NT4)とその受容体であるtyrosine kinase B(以下,TrkB)を使用した.各mRNA発現量はbeta-actin mRNA発現量で正規化し,走行群,非走行群についてmRNA発現量を比較するために,クラスカル・ウォリス検定とボンフェローニ補正によるマン・ホイットニー検定を用いた.

    【説明と同意】本実験は,大学動物実験倫理審査委員会の承認を得て行った.

    【結果】走行群と非走行群の群間の比較では,NT4およびTrkB,のmRNA発現量に有意差を認めた(p<0.05).BDNFmRNAはすべての群において発現を認めなかった.多重比較検定では,NT4 mRNA発現量において,5日走行群は,非走行群,1日走行群により有意に増加していた(p<0.05).また4週群走行群は,5日走行群に対して有意に発現量が減少していた(p<0.05).TrkB mRNA発現量においては,非走行群に対し,5日走行群が有意に増加した(p<0.05).

    【考察】本研究では,BDNFとNT4の受容体であるTrkB受容体mRNAの発現量に対する運動の影響を比較した.
    神経栄養因子
    は,脳,脊髄,後根神経節や筋などで発現していることが報告されているが,皮膚ではケラチノサイトなどで産出されている.これらの
    神経栄養因子
    は,胎生期で神経系の発生や,生後の神経の維持に関わっており,さらに神経損傷後の再生にも,この因子が影響を及ぼしている.本研究で対象としたBDNF,NT4とその受容体であるTrkBは,触覚・圧覚・振動覚の感覚神経や運動神経に関係している.本研究の結果では,足底皮膚においてはBDNFの発現を認めなかったが,NT4mRNAとTrkBmRNAの発現量を認めた. Gomez-Pinillaらは,脊髄とヒラメ筋を対象に走行におけるBDNFmRNAの発現量について,検討した.その結果,1日走行群では
    神経栄養因子
    の発現量は,非走行群と比較して発現量に差がなかったが,5日走行群では,筋における発現量が有意に高くなったと報告した.測定部位は,異なるが先行研究と同様に
    神経栄養因子
    の発現量は,運動開始後ではすぐに変化を認めないが,5日では発現量が高くなることが示唆された.運動を行ったことにより生体環境が変化し,
    神経栄養因子
    の発現量が変化した慢性効果として考えられる.今後は,運動強度や時間による
    神経栄養因子
    mRNAの発現量の影響について検討する必要がある.

    【理学療法学研究としての意義】神経の生存や維持に重要な役割を果たしている
    神経栄養因子
    のmRNAの発現量に着目し,研究を行った.走行運動は,循環器や運動器などだけではなく,皮膚に存在する
    神経栄養因子
    mRNA量発現量にも影響を与えることが示唆された.運動療法の効果について,エビデンスを提供できるものと考える.
  • 本吉 和美, 羽藤 直人, 蒋渕 勇人, 暁  清文
    喉頭
    2011年 23 巻 2 号 62-65
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2012/04/12
    ジャーナル フリー
  • 金村 尚彦, 村田 健児, 国分 貴徳, 今北 英高, 武本 秀徳, 森山 英樹, 前島 洋, 高柳 清美
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 O-KS-08-6
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに,目的】

    加齢に伴い,神経機能の低下を引き起こす。走行運動における

    神経栄養因子
    に着目した先行研究では,脊髄内において
    神経栄養因子
    の活性化が報告されているが,対象が成体ラットであり,週齢の違いによる運動の影響は明らかではない。本研究では,神経生存や維持に関わる
    神経栄養因子
    と神経可塑性に関する他の因子との関連性を明らかにすることを目的とした。

    【方法】

    Wistar系雄性ラット10週齢(走行群5匹,非走行群3匹),6ヶ月週齢(走行群5匹,非走行群3匹),1年齢(走行群5匹,非走行群3匹),2年齢(走行群5匹,非走行群3匹)を対象とした。走行群は,小動物用トレッドミルにて,走行速度5.8m/min,走行時間1時間の条件で運動を課した。走行群,非走行群とランダムに分けた。実験終了後,脊髄(L3-5)を摘出し,total RNAを抽出した。逆転写反応により作成したcDNAを鋳型とし,

    神経栄養因子
    発現と他の神経形成関連因子,神経ペプチド,アポトーシス関連因子,神経突起伸長関連分子発現動態について,PCR array法(84遺伝子)により検出した。各週齢の非走行運動に対する走行群において2倍以上の発現を認めた遺伝子を抽出した。

    【結果】

    非走行群に対して2倍以上の遺伝子発現が検出された項目について結果は,10週齢では,高発現遺伝子は,検出されなかったが,低発現遺伝子は,3遺伝子(細胞分化関連遺伝子)であった。6ヶ月齢では,高発現遺伝子は,検出されなかったが低発現遺伝子は,23遺伝子(

    神経栄養因子
    一受容体,神経新生,成長因子,アポトーシス関連因子)であった。1年齢では,高発現遺伝子は6遺伝子(
    神経栄養因子
    一受容体,神経ペプチド),低発現遺伝子は,1遺伝子(アポトーシス)であった。2年齢は,高発現遺伝子は26遺伝子(
    神経栄養因子
    一受容体,神経ペプチド,神経新生),低発現遺伝子は,1遺伝子(アポトーシス)であった。

    【結論】

    長期の運動を行うことにより,

    神経栄養因子
    ,神経形成成長因子等が選択的に増加し,アポトーシス因子が低発現となった。
    神経栄養因子
    が運動によって脊髄神経自体での発現が増加したことや,末梢器官で発現したその因子が脊髄内の血管や神経の逆行性輸送によって脊髄へ到達し,脊髄内のmRNA発現量が上昇し,脊髄神経が活性化されている事が示唆された。運動による機能改善は,神経単独ではなく,神経活動を活性化させる関連因子について多面的な機能連関での分析が必要となる。また週齢による遺伝子発現活性化の違いも明らかとなった。神経生存に作用する因子の影響を多面的に解析する事により,神経可塑性に対する運動の効果を明らかにできる可能性がある。

  • 古川 昭栄
    ファルマシア
    1997年 33 巻 11 号 1245-1249
    発行日: 1997/11/01
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
  • 中山 智加男
    ファルマシア
    1992年 28 巻 11 号 1260-
    発行日: 1992/11/01
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
  • 金村 尚彦, 今北 英高, 坂 ゆかり, 木藤 伸宏, 森山 英樹, 武本 秀徳, 高柳 清美, 新小田 幸一
    理学療法学Supplement
    2009年 2008 巻 P3-125
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/04/25
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】足底皮膚には,感覚器が存在し,感覚情報を脳に伝達する重要な役目を担っている.その受容器や末梢神経の維持,生存には
    神経栄養因子
    が必要となる.先行研究では,トレッドミル走行運動により,成獣ラット脊髄や,ヒラメ筋などの
    神経栄養因子
    mRNA発現量が増加することが報告されている.足底皮膚に存在する
    神経栄養因子
    mRNAの発現や老化の影響,さらに運動による影響については明らかにされていない. 本研究では,バランス運動を行い,老齢ラット,若齢ラットの足底皮膚を対象に,
    神経栄養因子
    mRNAの発現量に変化について比較検討することを目的とした.

    【方法】本実験は,広島大学動物実験倫理審査委員会の承認を得て行った.Wistar系雄性ラット,若齢運動群(10週齢,6匹),若齢非運動群(10週齢,6匹),老齢非運動群(2年齢,3匹),老齢運動群(2年齢,6匹)を対象とした.運動群は,自家作製した外乱刺激装置(傾斜角± 7&ordm;,振盪回旋数25 rpm)上で1日1時間,4週間運動を負荷した群,非運動群は自由飼育した群とした.実験終了後,足底皮膚パッドを採取し,急速凍結し,ホモジナイザーにて粉砕後, total RNAを抽出した.
    神経栄養因子
    mRNAプライマーを用い,リアルタイムRT-PCR法にてmRNA発現量を検討した.プライマーは,
    神経栄養因子
    (NT3, NT4)とその受容体(TrkB, TrkC)を使用した.各mRNA発現量はβ-actin mRNA発現量で正規化し,運動群,非運動群についてmRNA発現量を比較するために,クラスカル・ウォリス検定とボンフェローニ補正によるマン・ホイットニー検定を用いた.

    【結果】運動群と非運動群について,NT3, NT4, TrkB, TrkCにおけるmRNA発現量は,有意な差を認めた(p<0.01).多重比較検定では,NT3 mRNAにおいて,老齢運動群に対し,若齢非運動群,若齢運動群が,それぞれ有意に減少した(p<0.05).NT4 mRNAにおいて,老齢運動群に対し,若齢非運動群が有意に減少した(p<0.05).TrkB mRNAでは,老齢運動群に対し,若齢運動群が有意に減少した(p<0.05).TrkC mRNAでは,老齢運動群に対し,若齢非運動群,若齢運動群が,それぞれ有意に減少した(p<0.05).

    【考察】本研究の持続的外乱刺激装置による運動において,若齢群に対しては,
    神経栄養因子
    ならびにその受容体におけるmRNA発現量は変化がなかった.しかし老齢群においては,その発現量は,増加することが示唆された.加齢による影響として,生後神経生存には,neurotrohpin-Trkが関係していたが,高齢期の神経生存には, GDNF-GFRα1/RETへ移行するという報告がある.今後,他の
    神経栄養因子
    についてや,運動負荷の種類や程度の影響についても検討する必要がある.
  • 佐藤 拓己
    日本薬理学雑誌
    2002年 120 巻 5 号 327-334
    発行日: 2002年
    公開日: 2003/01/28
    ジャーナル フリー
    神経栄養因子
    は神経細胞の分化を促進し,その生存を維持する作用のある一群のタンパク質である.
    神経栄養因子
    は成人の脳においても,神経細胞の生存を維持するのみではなく,神経回路を保全/修復し,高次神経機能を再生させる作用があることが期待される.しかし実体がタンパク質であるために個体レベルで用いるのは困難である.そこで低分子化合物に
    神経栄養因子
    様作用を持たせることが試みられている.中枢ニューロンにも適用可能な
    神経栄養因子
    様低分子プローブの条件としては,1)中枢ニューロンの生存維持作用を有すること,2)中枢ニューロンの神経突起伸展/再生作用を有すること,3)脳血液関門(BBB)を通過すること,4)化学合成が容易であることである.世界中で数種類の化合物が報告されている.主なものは以下の3つの低分子化合物ある.1)スタウロスポリン様アルカロイド,2)イムノフィリンリガンド,3)シクロペンテエノン型プロスタグランジン(PG)である.KT7515/CEP1347,GPI1046及びNEPP11はそれぞれグループ1),2),3)の代表的な低分子プローブである.我々が創製したNEPP11は核内受容体との結合を介して,種々の遺伝子の発現を誘導する.NEPP11は種々のストレスタンパク質の誘導を介して
    神経栄養因子
    様作用を発現することが明らかになり,ニューロンにおけるストレスタンパク質の新たな生理作用が注目されている.例えばNEPP11のニューロン生存維持作用の発現には,ヘムオキシゲナーゼー1(HO-1)の誘導が必要であることがわかった.HO-1誘導はニューロンにおいてストレス耐性を獲得するための基本的なメカニズムであることから,NEPP11はpost-mitoticなニューロンにおいてHO-1誘導の生理的な意義を探るための低分子プローブとして注目される.本総説では
    神経栄養因子
    様低分子プローブを概観し,それを可能にする分子基盤について述べる.
  • ─運動による神経栄養因子の発現とシナプスの修飾─
    前島 洋
    理学療法学Supplement
    2016年 43S3 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/10/20
    会議録・要旨集 フリー
  • 前島 洋, 金村 尚彦, 国分 貴徳, 村田 健児, 高柳 清美
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 A-P-03
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】今日、中高齢者の健康促進、退行性疾患の予防を目的とする様々な取り組みが盛んに行われている。特に高齢期以降の転倒予防を意識し、バランス機能の向上を目的とする様々な運動は広くヘルスプロモーション事業において取り入れられている。一方、運動は、中枢神経系、特に記憶の中枢である海馬におけるbrain derived neurotrophic factor(BDNF)をはじめとする
    神経栄養因子
    の発現を増強し、アルツハイマー病を始めとする退行性疾患発症に対する抑制効果が期待されている。BDNFはその受容体のひとつであるTrkBに作用し、神経細胞の生存、保護、再生といった神経系の維持に関わるシグナルを惹起する。一方、別のBDNFの受容体であり、BDNFの前駆体であるproBDNFに対して高いリガンド結合性をもつp75 受容体への作用は、神経細胞死を誘導するシグナル活性を惹起する傾向を併せ持つ。そこで、本研究の目的は、中高齢者の運動介入において広く取り入れられる低負荷なバランス運動の継続が記憶・学習の中枢である海馬におけるBDNFとその受容体(TrkB,p75)の発現に与える影響について、実験動物を用いて検証することであった。【方法】実験動物として早期より海馬を含む辺縁系の退行と記憶・学習障害を特徴とする老化促進モデルマウス(SAMP10)を用いた。10 週齢の成体雄性SAM 14 匹を対照群と運動群の2 群(各群7 匹)に群分けした。運動介入のバランス運動として、マウスの協調性試験としても用いられるローターロッド運動(25rpm、15 分間)を週3 回の頻度で4 週間課した。運動介入終了後、採取した海馬を破砕してmRNAを精製し、reverse transcription-PCRのサンプルとしてcDNAを作成した。作成したcDNAを用いてリアルタイムPCR法を用いたターゲット遺伝子発現量の定量を行った。ターゲット遺伝子として、BDNFとその受容体であるTrkBおよびp75 の発現をβ-actinを内部標準遺伝子とする比較Ct法により定量した。統計解析として対応のあるt検定(p<0.05)を用いて、運動介入の効果を検証した。【倫理的配慮、説明と同意】本研究は埼玉県立大学実験動物委員会の承認のもとで行われ、同委員会の指針に基づき実験動物は取り扱われた。【結果】4 週間のバランス運動介入によるBDNFおよびその受容体TrkBの遺伝子発現に対する有意な介入効果は認められなかった。一方、p75 受容体の発現は運動介入により有意な減少が認められ、運動介入効果が確認された。【考察】BDNFはTrkBへの作用により神経細胞における「生」の方向へのシグナルを強化し、一方、p75 の作用により神経細胞における「死」の方向へのシグナルを増強する。このことから、2 つのBDNF受容体に対する陰陽の作用バランスが神経細胞の可塑性において重要と考えられている。本研究の結果からリガンドであるBDNFの発現およびTrkBへの運動介入効果は認められなかったが、細胞死へのカスケードを増強すると考えられるp75 の発現は運動介入により減少していた。P75 受容体の発現減少により神経細胞の「死」方向へのシグナルカスケードの軽減が期待されることから、本研究で用いた運動介入は海馬における退行に対して抑制効果を示唆する内容であった。以上の所見から、中高齢者の運動介入に広く取り入れられている有酸素的効果を一次的に意図しない低負荷なバランス運動が、海馬における神経系の退行抑制を通して、認知症の予防を始めとする記憶・学習機能の維持に対しても有効に作用する可能性が期待された。【理学療法学研究としての意義】本研究は、理学療法、とりわけ運動療法において重視されているバランス機能の向上を目的とする運動の継続(習慣)が認知機能の維持・向上に対して有効であることを示唆する基礎研究として意義を有している。
  • 上原 美南海, 国分 貴徳, 大野 元気, 金村 尚彦
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 A-P-03
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】
    神経栄養因子
    は神経細胞の発生・成長・維持・再生を促進させる物質の総称であり,グリア細胞株由来栄養因子 glial cell line-derived neurotrophic factor(以下,GDNF)はその中の一つである.先行研究では,走行運動によりラット脊髄やヒラメ筋などの神経成長因子,脳由来
    神経栄養因子
    mRNA発現量が増加することが報告されている.しかしGDNFを対象とした研究は少なく,その影響は未だ不明である.本研究では,ラットヒラメ筋におけるGDNF,その受容体である受容体型チロシンキナーゼRET(以下,RET)mRNAの発現量に対する走行運動の影響を,成体ラットおよび老齢ラットで比較・検討することを目的とした.【方法】Wistar系雄性ラット21 匹(老齢群2 年齢13 匹,成体群9 週8 匹)を対象とした.さらに走行群,非走行群とランダムに分類した(老齢走行群7 匹,老齢非走行群6 匹,成体走行群5 匹,成体非走行群3 匹).走行群は小動物用トレッドミルを使用し,傾斜0 度,走行速度10.8m/minにて60 分を1 日1 回,週5 回,1 ヶ月間の条件で運動を課した.全てのラットにおいて,餌や給水は自由摂取とした.実験終了後ヒラメ筋を採取し,急速凍結した.採取したヒラメ筋はホモジナイズし,total RNAを抽出後,逆転写反応によりRNAからcDNAを合成した.得られたcDNAを鋳型とし,GDNF,RET,内部標準遺伝子となるGAPDHのmRNAプライマーを用い,リアルタイムPCRの比較Ct法によってmRNA発現量を検討した.各群のmRNA発現量を比較するために一元配置分散分析を用い,下位検定にはScheffeの方法による多重比較を用いた.有意水準は5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】本研究は大学動物実験倫理審査委員会の承認を得て行った.【結果】GDNF,RET mRNA発現量ともに,成体非走行群に対し成体走行群,老齢走行群,老齢非走行群で有意に発現量が高値を示した(p<0.01).老齢非走行群の発現量を1 とすると,GDNF mRNA発現量は老齢走行群で1.72 倍,成体走行群で0.8 倍,成体非走行群で0.02 倍,RET mRNA発現量は老齢走行群で1.17 倍,成体走行群で2.55 倍,成体非走行群で0.07 倍であった.【考察】本研究では,ラットヒラメ筋におけるGDNFとその受容体であるRET mRNAの発現量に対する運動の影響および,ラットの週齢の違いによる影響を比較した.成体期において運動による発現量の増加がみられたのは,筋が持つGDNFおよびRET mRNA生産能力が,運動によって向上したことが考えられる.また,老齢期では有意な差こそ認められなかったものの走行群で発現量が増加傾向であった.過去の研究結果から,運動により骨格筋でのBDNF発現量が高まることは一貫して確認されているが,GDNFでも同様,運動により発現量が高まることが示唆された.Ulfhakeらは,老齢期の神経生存に関わる因子はBDNFからGDNFへ移行すると報告しており,本研究においてもそれを支持する結果となった.神経の生存・維持に関係する因子が週齢によって変化し,特に老齢期における神経生存や維持にはGDNFが深く関わっていると推測された.GDNFは強力な運動ニューロン栄養因子と考えられており,発生過程における運動ニューロンのアポトーシスをGDNFが抑制すること知られている.また,GDNFがRETを活性化しシグナル伝達を引き起こすRETのリガンドであり,GDNFがRETのリガンドとして作用するためにはもう一つの受容体であるGFRα1 が必要であることも複数の報告で示されている.GDNFは筋肉や脊髄に発現が強く,RETおよびGFRα1 の発現は脊髄や後根神経節を初めとした様々な末梢神経系にみられている.脊髄運動ニューロンにRET-GFRα受容体複合体が存在し,標的組織の筋肉にGDNFが高発現することから,GDNFは筋肉からの逆行性輸送により運動ニューロンに作用すると考えられている.以上のことも踏まえると,本研究では運動介入が神経・筋機能の成長や退行の抑制に効果的であることが推察された.今後は運動条件や筋の種類の違いにより,
    神経栄養因子
    mRNAの発現にどのように影響するのかについて検討する必要がある.また,GFRα1 とRETの発現の関連なども検討することで,GDNFの理解がより深まると考える.【理学療法学研究としての意義】GDNFは神経細胞の生存や再生などに非常に重要な役割を担っており,特に脊髄運動ニューロンの発生と分化,生存に深く関与している.本研究では運動介入が神経・筋機能の成長や退行の抑制に効果的であることが推察され,運動療法の効果についてエビデンスを提供できるものと考える.
  • 老化促進モデルマウスを用いた検討
    前島 洋, 國西 遼, 濱崎 歩, 大谷 拓哉, 黒瀬 智之, 出家 正隆
    理学療法学Supplement
    2011年 2010 巻 PI1-007
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/26
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】急速な超高齢化社会を迎える今日、高齢者における健康促進、退行性機能障害の抑制を目的とする運動習慣の育成が地域において盛んに行われている。高齢者におけるウォーキングを始めとする低負荷運動が神経系の退行抑制に働く一つの科学的論拠として、運動により惹起される
    神経栄養因子
    の発現が注目されている。
    神経栄養因子
    の一つであるBrain derived neurotrophic factor(BDNF)は、in vitro実験において脳に発現するシナプス受容体であるグルタミン酸作用性NMDA受容体や骨格筋に発現するシナプス受容体であるアセチルコリン受容体(AchR)に対して機能修飾してシナプス活性を促進する。BDNFもまた運動による発現増強が報告されているが、老化による各器官における発現修飾に関する知見は乏しい。そこで、本研究では、運動発現において直接的に動員される大脳皮質運動野および骨格筋において、老化および運動がBDNFおよび主要シナプス受容体の発現に与える影響を明らかにすることを目的とした。
    【方法】雄性老化促進モデルマウス20匹を用いた。老齢群として35週齢マウスを運動群と対象群に区分し、成体群として10週齢マウスを同様に区分し、計4群を設けた。1日40分の低負荷トレッドミル走行(6.4m/分)を4週間行い、介入後、大脳皮質運動野およびヒラメ筋を採取、破砕してサンプルとした。各サンプルに対して逆転写反応を行い、cDNAを作成の後、リアルタイムPCR法を用いた定量的PCR法によりターゲット遺伝子のmRNA発現を定量した。ターゲットとして、BDNFに加えて、大脳皮質運動野においてはNMDA受容体のNR2A, NR2Bサブユニットを、筋においてはアセチルコリン受容体βサブユニット(AchRβ)の発現を計測した。2元配置分散分析法により老化および運動の効果について検定を行った。
    【説明と同意】本研究はヒトを対象としない動物実験であり、広島大学動物実験委員会の承認のもとで行われた。
    【結果】大脳皮質運動野において、BDNFは老化により僅かではあるが、有意に発現の減少が認められた。同様に老化によるNR2AおよびNR2Bの有意な発現減少が認められた。大脳皮質運動野における運動による効果は認められなかった。一方、ヒラメ筋においては、老化によりBDNFは劇的に発現が増強し、運動によっても有意な発現増強が認められた。その結果、ヒラメ筋において運動によって惹起されるBDNF発現増強は老齢マウスにおいて顕著であった。また、AchRβ発現も老化により有意に増強が認められた。
    【考察】老化により中枢運動野においてはBDNF発現が抑制される一方、末梢ヒラメ筋では劇的な発現増強が認められた。それぞれのシナプス受容体についてもBDNF発現と同様に老化による発現修飾が認められた。このことは、老化によるBDNF発現への修飾は器官により異なることを示すとともに、骨格筋での老化によるBDNF発現増強は、末梢器官における老化由来の退行進行に対する抑制的意義を持つことが推察された。特に高齢骨格筋において運動により惹起されるBDNF発現の増強が顕著であったことからも、低負荷運動の習慣が特に高齢者の神経・筋システムの維持・保護に有効であることが示唆された。
    【理学療法学研究としての意義】今日、障害からの回復を目的とする理学療法に対して、予防を目的とする理学療法的視点の重要性が唱えられている。本研究の成果は高齢者における予防的運動療法の有効性に関する科学的エビデンスとして貢献することができる。
  • 橋本 謙二
    脳と精神の医学
    2009年 20 巻 1 号 55-60
    発行日: 2009/03/25
    公開日: 2010/04/27
    ジャーナル フリー
  • 渡部 真也, 豊下 祥史, 川西 克弥, 會田 英紀, 越野 寿
    日本補綴歯科学会誌
    2014年 6 巻 2 号 167-175
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/23
    ジャーナル フリー
    目的:これまで,咬合・咀嚼機能と高次脳機能の関連性について多くの研究がなされているが,そのメカニズムの詳細は不明である.神経細胞の分化と成熟,樹状突起の分枝,シナプス新生や可塑性という段階を経て,神経回路の発達と機能発現が起こるには,脳由来
    神経栄養因子
    によるコレステロールの合成が強く関与している.本研究では,咀嚼動態の変化が,脳由来
    神経栄養因子
    の発現とコレステロール合成に及ぼす影響について検討した.
    方法:ラットに固形飼料と液体飼料を給餌する2群を設定し,8週間飼育した後,脳組織を小脳,延髄,視床下部,中脳・海馬・線条体の複合体,および大脳皮質の5つの部位に切離し,脳由来
    神経栄養因子
    の遺伝子発現量をリアルタイムRT-PCRにて測定した.次に大脳皮質における脳由来
    神経栄養因子
    のレセプターについて免疫染色を行った.さらに脳組織の各部位のコレステロール量を測定した.
    結果:固形飼料を給餌した群は液体飼料を給餌した群に比較して,大脳皮質における脳由来
    神経栄養因子
    の発現,そのレセプターの発現およびコレステロールの合成が有意に高かった.
    結論:本研究結果から,咀嚼が学習記憶機能に関与するとされる脳由来
    神経栄養因子
    を介するコレステロール合成に影響を与えることが示唆された.
  • 山下 武志
    心電図
    2016年 36 巻 4 号 334-343
    発行日: 2016年
    公開日: 2018/02/11
    ジャーナル フリー
    心房細動により生じる自律神経リモデリングは,実験動物およびヒトにおいて報告されているが,その報告は電気的リモデリングや器質的リモデリングに比べると圧倒的に少ない.そこで,心臓外科手術において摘出される左心耳標本を用いて,交感•副交感神経の分布を描写し,その密度に関与する臨床指標の同定とその基礎的なメカニズムについて考察した.自律神経密度は患者個体により大きく異なっており,臨床指標との関連を見出しにくいものの,心房線維化の進行した症例では副交感神経のdenervationが認められやすかった.一方,交感神経および副交感神経の密度は,心房に含まれる
    神経栄養因子
    の蛋白発現に依存し,その発現によって個体による多様性が生じていると考えられた.副交感神経の
    神経栄養因子
    であるBDNFは幼弱な筋線維芽細胞に発現する一方で,交感神経の
    神経栄養因子
    であるNGF,LIFはマクロファージに発現していた.このような観察は,末梢神経一般に見られるWallerian degenerationに酷似しており,病態に伴う神経障害とその再生という概念が適応できるものと考えられる.
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