NMR現象において,ラジオ波(RF)パルスの照射で励起した核スピンが基底状態に戻る過程を“緩和”と呼ぶ.
T2緩和は横緩和とも呼ばれ,横方向の磁化ベクトルが時間(
t)とともに減衰する緩和過程のことである.NMR信号の
T2緩和挙動は
I⁄
I0=exp(−
t⁄
T2)と表され,この式の時定数(
T2)が
T2緩和時間である.したがって
T2緩和時間とは,RFパルス照射によって発信されるNMR信号が36.8%に減衰するまでの時間と定義することもできる.
またNMR緩和には,
T2緩和のほかに回復型の
T1緩和(縦緩和)がある.
T1緩和時間は,NMR信号の縦磁化が63.2%まで回復するのに要する時間と定義される.
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