【目的, 対象】パニック障害(PD)患者における過敏性腸症候群(IBS)発症頻度と, IBSの合併がPDの病態に対してもつ意義を明らかにするため, PD患者85名と健常対照75名を対象に検討を行った.【結果】PD群のIBS発症率は24%と健常群に比し有意に高率で, IBS症状の先行例が70%であった.腹部症状を含め, 窒息感, 胸部痛または不快感, めまい感, 現実感消失, コントロールを失うことに対する恐怖, 異常感覚の症状は, IBS合併群が非合併群に比べ有意に重症度が高かった.【まとめ】IBSを中心とする機能性消化管疾患は, PDの発症要因となる可能性がある.IBSの合併はパニック発作時症状の自覚程度を強化する.
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