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クエリ検索: "秋保石"
13件中 1-13の結果を表示しています
  • *髙嶋 礼詩
    日本地質学会学術大会講演要旨
    2022年 2022 巻 T5-O-6
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    アパタイトは多くの珪長質火成岩類や凝灰岩類に含まれる重鉱物で,埋没続成に強い性質がある(Morton and Hallsworth, 2007).この鉱物の微量元素含有量(Mg, Cl, Mn, Fe, Ce, Y)はマグマの化学組成や酸素・ハロゲン分圧によって大きく変化することから,とりわけ火山ガラスの変質した鮮新世より古い時代のテフラや溶結凝灰岩の識別・対比に用いられるようになりつつある(Sell et al., 2011; Takashima et al., 2017, 2021).一方,凝灰岩や溶結凝灰岩は,建築石材としてよく用いられるが,これらの識別・同定は火山ガラスがほとんどの場合変質し,風化を強く受けているために困難な場合が多い.このような石材でもアパタイトは残存している場合が多く,その微量元素組成を基に,遺跡や文化財などに使われている石材の産地同定も可能になった(内山・髙嶋,2019;髙嶋・斎藤,2020).本講演ではアパタイト微量元素組成を用いた層序学,文化地質学的研究についてレビューし,今後の課題について考察する.

    白亜紀凝灰岩の対比:蝦夷層群の惣芦別川層~羽幌川層(120~80Ma)に挟まる約60層の凝灰岩のアパタイト微量元素組成を測定した結果,いずれの凝灰岩もCl, Mg, Mn, Fe, Y, Ceの6つの元素含有量を基に識別可能なことが明らかになった.さらに広域に追跡可能な凝灰岩を3層準で見出すことができた.

    紀伊半島における中新世中期の火砕流-火山灰の対比:紀伊半島には中新世中期に複数のカルデラ(熊野,熊野北,大台,大峰カルデラ)が形成されたことが知られている.これらのカルデラの大部分は深く浸食されることにより,地下深部が露出しているが,カルデラの表層に堆積した火砕流の多くは消失している.紀伊半島の中新世中期のカルデラ地下に存在していた火砕岩脈と火砕流堆積物,遠方に堆積した火山灰層のアパタイトの微量元素組成を分析した結果,これらの火山砕屑岩類は相互に対比可能で,さらには各カルデラの噴火順序も層序的に復元することが可能となった.

    東北日本における後期中新世の火砕流-火山灰の対比:東北日本では,中新世後期に多数のカルデラが形成されたことが明らかにされている.しかしこれらのカルデラの形成年代の詳細については不明な点が多く,火山灰の分布範囲についてはほとんど明らかにされていない.本研究では東北日本の各カルデラの火砕流堆積物のアパタイト微量元素組成を測定した結果,それぞれの火砕流堆積物の識別が可能なことが示唆された. 西南日本の南海トラフで掘削された深海コア(DSDP Site 297, ODP Site 808c,IODP Site C0011, 0012)には中新世中期の年代を示す区間,東北地方三陸沖の深海コア(ODP Site 1150, 1151)には中新世後期の区間に多くの火山灰層が挟まる.現在,Site 297およびSite 808cからは熊野カルデラ由来の火山灰層がアパタイト微量元素組成により発見することができたが,今後,これら海洋コアの火山灰層のアパタイト微量元素分析を行うことにより,中新世の広域テフラの認定や.中新世カルデラ群の詳細な噴火順序を層序学的に明らかにできる可能性がある.

    石材産地の特定:宮城県内には中新世に形成された凝灰岩が石材として多く利用されてきた.代表的なものとしては中期中新世の富沢石(槻木層中部),塩釜石(網尻層基底部),潜ヶ浦石(松島層中部),野蒜石(松島層最上部),

    秋保石
    (湯元層)などが挙げられる.貞山堀,岩沼教会,竹駒神社馬事博物館,東北大学金属材料研究所付近囲障などで使われてきた由来不明の凝灰岩石材に関して,アパタイトの微量元素組成を測定したところ,貞山堀は塩釜石,岩沼教会は富沢石,竹駒神社と東北大学片平キャンパスのものは
    秋保石
    と組成が一致し,各石材の産地特定が可能となった.  以上のように今後アパタイト微量元素組成を用いた凝灰岩分析は様々な分野で応用できる可能性がある.

    文献

    Morton, A., Hallsworth, C., 2007. Developments in Sedimentology 58, 215–245. Sell, B. K. et al., Geology 39, 303–306. 内山隆弘・髙嶋礼詩,2020.Bull. Tohoku University Museum, 19, 39-50 Takashima et al., 2017. Quaternary Geochronology, 41, 151-162. Takashima et al., 2021. Island Arc DOI: 10.111/Iar.12404.髙嶋礼詩・斎藤広通,2021.Bull. Tohoku University Museum, 20, 9-20

  • 柳津 英敬
    日本観光研究学会全国大会学術論文集
    2022年 37 巻
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/06/23
    会議録・要旨集 フリー
    観光を取り巻く環境が変化する中、わが国の多くの温泉地では宿泊者数が減少傾向にある。本研究では、仙台市の秋保地区を対象とし、これまでの温泉地としての発展過程を概観するとともに、各種統計資料をもとに近年における宿泊者数や観光入込客数などの変化を分析した。その結果、秋保地区は、バトラー(1980)が示した観光地ライフサイクルの「停滞期」の傾向があることが確認された。一方、東日本大震災後、飲食や物販など多様な事業者の進出が相次ぎ、観光入込客数は増加しているが、地区全体の活性化が図られるまでには至っていない。今後、「衰退」を回避し「再生」に向かっていくためには、地区が一体となった取組みや変化に対応した戦略が必要である。
  • 西城 光洋, 長島 康雄
    仙台市科学館研究報告
    2012年 21 巻 70-72
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/09/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    小学校における地層観察授業の試みとして,はぎ取り標本を用いたプログラムを構築し,実践を行った。沈降実験など,関連実験の結果を直接観察にフィードバック可能であり,学習効果も高い。
  • 岩井 淳一
    地球科学
    1949年 1949 巻 1 号 23-27
    発行日: 1949/11/05
    公開日: 2017/07/22
    ジャーナル オープンアクセス
  • 笹田 友三郎
    東北地理
    1950年 2 巻 2-3 号 76-82
    発行日: 1950年
    公開日: 2010/10/29
    ジャーナル フリー
  • 増田 孝一郎
    化石
    1982年 31 巻 47-49
    発行日: 1982/06/21
    公開日: 2017/10/02
    ジャーナル フリー
  • 大竹 照光, 大塚 尚寛, 齊藤 貢, 阿部 洋祐
    Journal of MMIJ
    2007年 123 巻 6_7 号 329-335
    発行日: 2007/07/25
    公開日: 2010/02/25
    ジャーナル フリー
    The rock slope of mined-out quarry is very bad condition for revegetation because it is steep and disturbed. However, in order to recover an ecosystem of mined-out quarry, it is necessary to create a plant growth base on the rock slope and allowing trees to grow.
    We carried out some fundamental studies on the plant growth base creation on the rock slope ,using forest top-soil. First, we researched the thickness of plant growth base and base soil properties at the site of the rock slope in the forest area. Then we carried out the stability of plant growth base soil on the rock slope by using plane slide stability analysis formula.
    The main results obtained in this study are as follows:
    1) The thickness of 10-15cm plant growth base soil is required in order for tree growth.
    2) In the conventional plane slide stability analysis, the thickness of base soil expressed by perpendicular thickness was changed into the method of expressing by actual thickness.
    3) The thickness of plant growth base which can be created on the base rock slope inclination of 60 degrees is 20cm.
    4) The cohesion of soil is indispensable for the plant growth base;if cohesion of the base soil is zero, we cannot create the plant growth base on the rock slope using this soil.
  • 河田 健
    日本建築学会計画系論文集
    2013年 78 巻 693 号 2373-2378
    発行日: 2013/11/30
    公開日: 2014/07/10
    ジャーナル フリー
    This paper analyzed the design process and contents of The Saito Ho-on kai Museum.
    •At the beginning,It was a building program of The Saito Ho-on kai Headquarters, Tsuyoshi Ogura was a jdging committee of competition. Next year it became a museum program, and design was requested to him.
    Design was able to be known 67 Drawings, the Saito Ho-on kai owns.
    • In planning, Not only an exhibition but library , hall ,etc were planned. It is positioned as a developmental process of The Museum Architecture which inherited from The National Museum of Nature and Science.
  • 加藤 愛雄
    地震 第1輯
    1939年 11 巻 2 号 70-82_2
    発行日: 1939/02/25
    公開日: 2010/03/09
    ジャーナル フリー
  • 大熊 喜邦
    日本鑛業會誌
    1938年 54 巻 636 号 220-226
    発行日: 1938年
    公開日: 2011/07/13
    ジャーナル フリー
  • 青木 直昭
    地質学雑誌
    1960年 66 巻 772 号 17-26
    発行日: 1960/01/25
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
  • 小林 巌雄
    地質学雑誌
    1962年 68 巻 798 号 141-151
    発行日: 1962/03/25
    公開日: 2008/04/11
    ジャーナル フリー
  • 齋藤 駿介
    人文地理
    2022年 74 巻 1 号 1-26
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/04/19
    ジャーナル フリー

    本稿では,近代仙台における法定都市計画の展開と市域拡張の関係を,周辺町村の動向に着目しながら明らかにする。仙台都市計画の主眼は周辺町村の市街化・工業化に置かれ,その展開に呼応して市域拡張が3次にわたって実施された。仙台市主導の第1次市域拡張は先行して指定された都市計画区域と同域を対象としており,直近の法定都市計画に必要な領域を取り込むという目的が明確であった。一方,第2・3次市域拡張は,隣接村からの強い要望の下で実施された。この背景には,法定都市計画の進展が周辺地域に都市計画・市域拡張の恩恵を意識させ,それと同時に周辺地域内での競争意識を駆り立てたことがあり,仙台では先行する市域拡張が次なる市域拡張を惹起させていた。さらに,都市計画は一貫して市域拡張の必要性を主張する根拠として引用されたが,合併の必要性が差し迫ってはいなかった第2・3次市域拡張ではその役割がより強調された。こうして法定都市計画と市域拡張の実施による「大仙台」建設への期待は高まり続けたが,実際には都市計画事業の進捗は大幅に遅延していた。以上の考察から,近代仙台における法定都市計画は実際の都市空間を改変する技術としての意義以上に将来的な近代都市「大仙台」建設のビジョンを示す意義が重視されており,市域拡張は「大仙台」の展開領域を具体的に提示することで遅延しがちな法定都市計画を補完する役割を果たしていたと考えられる。

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