粘土鉱物への吸着反応は多くの元素の環境動態に影響するが、その構造やメカニズムには不明点が多い。解明には、XAFS法と
第一原理計算
の相補的利用が有効であるが、計算において、吸着反応に重要な水を考慮すると膨大な計算コストがかかり、水も含めた粘土鉱物の
第一原理計算
はこれまであまり行われていない。そこで本研究では、揺らぎの大きい水分子に古典的溶液論を適用し、鉱物界面や吸着イオンに
第一原理計算
を適用するESM-RISM法を用いることで、水も含めた吸着反応の
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を行うことを目指した。計算モデルはカオリナイトに吸着したSrとし、Srを鉱物層表面から少しずつ離れるように配置した。結果の妥当性を検証するため、Srを吸着したカオリナイト試料についてXAFS測定を行い、計算結果と比較した。その結果、
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とXAFS法の両方において、Srは主に内圏錯体として吸着するという整合的な結果を得た。
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