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クエリ検索: "第四胃変位"
261件中 1-20の結果を表示しています
  • 加藤 康宏, 山本 弘武, 東 正之
    獣医情報科学雑誌
    1992年 1992 巻 29 号 17-23
    発行日: 1992/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    近年, 乳牛の
    第四胃変位
    (以下, 四変) の発生は, 乳質のグレードアップで粗飼料給与が増えているにもかかわらず増加傾向にある。また, これまでは経過を長引かせて経済的損失を増大させてはならないとしながらも, 開腹手術に踏み切るための明確な判断を示したものはない。そこで1986年1月から1989年12月までの4年間 (625頭) について, 管内の四変発生状況および治療状況をカルテから調査し, 発生傾向・治療方法などについて検討した。
    その結果, 四変の発生は1986年2.9%に対し1987年3.6%, 1988年4.2%, 1989年4.0%と有意 (P<0.01) に増加していた。発生年齢と産次では, 1986年に比べ1987~1989年は, 1~4歳 (1~3産) が増加していた。また, 分娩前後の発生割合では, 産後1箇月を越える牛と産前での発生が徐々に増加していた。
    筆者らは, 前回第二胃内の金属異物と四変との関連について示唆した。そして, 低年齢・低産次化・産前での発生などの増加傾向からも, 本症の予防には, 若齢牛や産前の牛の第二胃内の金属異物除去を積極的に行なうべきであると思われた。
    治療方法では, 内科療法だけで治癒した牛の平均治療回数は5.8±4.4回 (以下, M±SD) , 内科療法の後最終的に開腹手術した牛は, 7.4±3.7回と一番長かったが, 開腹手術日から抜糸までは, 4.3±2.0回と内科療法に要する日数よりも有意 (P<0.01) に短かった。
    また, 手術牛の乳量は, 発生後4日以降に施術された牛の第1回目の検定では乳量の回復が認められず, 第2回目以降に正常となった。
    以上の結果から, 内科療法で発生後2日以内に四変の消失が認められなかった時は, ただちに開腹手術に踏み切ることが必要であり, これにより, 治療回数や乳量などの経済的損失を最小限にとどめることができると思われた。
  • 超音波診断装置を用いた検討
    加藤 敏英, 星 史雄, 渡辺 栄次, 漆山 芳郎, 板垣 昌志, 酒井 淳一, 武田 宏造, 佐藤 淳一
    東北家畜臨床研究会報
    1986年 1986 巻 9 号 28-36
    発行日: 1986/12/05
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    乳牛の第四変位に伴う胆嚢の形状の変化について、超音派診断装置を用いて検索した。その結果、
    第四胃変位
    牛における胆嚢は、健康牛のそれに比較して著しく腫脹・拡張し、かつ運動性が消失して、胆汁うっ滞の状態にあることが理解された。
    第四胃変位
    の整復手術を施した牛の胆嚢は、正常へと漸次回復を示したが、それは臨床症状の回復とほぼ平行して認められた。一方、創傷性第二胃横隔膜炎および肝硬変に罹患した牛についても同様に検索したが、胆嚢の腫大は認められなかった。したがって、
    第四胃変位
    に伴う胆嚢の腫大は、
    第四胃変位
    に特異性の高い変化であると考えられる。また、健康牛における胆嚢は、一定のリズムで収縮・弛緩を繰返す知見を得ることができた。
  • 酒井 淳一
    東北家畜臨床研究会誌
    1993年 16 巻 2 号 57-70
    発行日: 1993/11/18
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    哺乳子牛の
    第四胃変位
    および捻転の病態について検討した。主要な臨床所見は、食欲不振、鼓腸、下痢または排糞の停止、腹痛およびピングテストの陽性反応であった。X線単純撮影による特徴的所見は、第四胃の液状水平線像であった。金属性反響音の聴取されなかった例では、第四胃造影により第四胃軸上での捻転像が観察された。この病態に対して「第四胃軸捻転」の病名が提唱された。酪農家と肥育農家における本病の発生状況は、それぞれ0.5%および1.03%であり、週齢による発生の有意な偏りが認められた。第四胃軸捻転の子牛の第四胃の生理的機能と形態的発達について健康な子牛と比較検討した。第四胃造影により、第三・四胃口の閉塞によるガスの排出障害が認められた。アセトアミノフェン法による排出能の亢進と、空腹時血中ガストリンおよびCCK濃度は高値を示し、全乳摂取後の血中濃度の変化は認められなかった。本病の発生要因として未熟な第四胃の生理的、形態的機能が存在していることが明らかであった。治療法としては、非外科的療法も外科的療法と同等の効果を上げることがわかった。
  • 加藤 肇, 荻野 敦, 伊藤 智仁, 大西 守
    日本獣医師会雑誌
    2009年 62 巻 2 号 135-138
    発行日: 2009/02/20
    公開日: 2016/09/03
    ジャーナル フリー
    ホルスタイン種乳牛における遺伝性横隔膜筋症の原因遺伝子の1つであるHeat Shock Protein 70 (Hsp70)遺伝子の変異が,
    第四胃変位
    発生の要因である可能性について調査を行った.北海道根室地区のホルスタイン種乳牛で,
    第四胃変位
    を発症し,整復手術を受けた495頭の牛を調査対象とした. 遺伝子型解析はPCR法により,変異ホモ型,ヘテロ型および正常ホモ型の遺伝子型に区分した. 結果は,変異ホモ型1頭,ヘテロ型59頭,正常ホモ型435頭で,変異型遺伝子頻度は0.0616で,
    第四胃変位
    未発症牛492頭の変異型遺伝子頻度0.0986に比べて有意に低かった. この結果より,
    第四胃変位
    発症とHsp70変異型遺伝子との関連はないことが示唆された.
  • 一條 俊浩
    産業動物臨床医学雑誌
    2015年 6 巻 2 号 39-53
    発行日: 2015/11/01
    公開日: 2015/12/02
    ジャーナル フリー
     肥育牛における
    第四胃変位
    の発生は増加傾向にあるが詳細な研究は極めて少ない.そこで肥育牛における
    第四胃変位の発生状況を調べるとともに第四胃変位
    の病態を臨床所見,臨床生化学的検査および第四胃液の性状を解析し,
    第四胃変位
    発症後の術後予後判定に関する要因について検討を加えた.はじめに,肥育牛における第四胃左方変位と右方変位の発生状況と臨床所見の特徴を明らかにする目的で,肥育牛における
    第四胃変位
    について診療カルテを基に解析した.大規模肥育農場を中心に
    第四胃変位
    が多発傾向にあり,発生頻度は左方変位が右方変位に比べ高く,死亡例は右方変位の方が多かった.右方変位では併発した合併症が死亡に関連し,治療回数も多かった.また,血清生化学検査から右方変位では捻転に伴う電解質の低下が症状の重篤化に繋がっていた.左方変位の発症時期は血中ビタミンA濃度の低下月齢とほぼ一致していた.治療法は外科的整復手術が有効であることが確認された.次に,肥育牛の品種(JB:黒毛和種とF1:交雑種)における第四胃左方変位の病態および臨床所見の特徴を比較する目的で,左方変位と診断されたJBとF1を用いて,初診日に血液および血清生化学検査を行った.また,整復手術前後の臨床所見および転帰を調べ両品種間で差異があるか検討した.さらに,F1の左方変位手術時に得た第四胃液を用いて,性状(pH, ヨウ素デンプン反応および細菌検査)について検討した.その結果,初診日の血液および血清生化学検査ではF1はJBに比べ有意差を認める項目が多かった.発生機序はデンプン割合の高い配合飼料とビタミンA制限飼料の長期給与が第四胃運動の停滞(pHの低下,第一胃由来の未消化デンプン小球と多種の細菌の流入)を招くことにより変位が誘発されたと考えられた.また,肥育牛の第四胃左方変位の術後予後に関与する因子を調べることを目的に,F1の左方変位における手術前後の血漿および血清生化学データの再現性を検討した.また,グルコース負荷試験を行い血液化学パラメータの中で血漿グルコースと血清インスリンが予後判定因子になりうるか検討した.その結果,肥育牛の左方変位において,予後不良群のみで整復手術前後に健康牛に比べ血漿グルコースが高値を示し手術前後に良好牛に比べ,血清インスリンが低値を示した.また,確定診断のため行ったグルコース負荷試験では変位牛において,血清インスリンが負荷60分後に低値を示し血漿グルコースが負荷90分後に高値を示した.これは膵臓β細胞の機能不全に由来すると推測された.したがって血漿グルコースと血清インスリンの測定は術後予後判定因子に利用できることが示唆された.
  • 一條 俊浩, 松田 敬一, 高畑 幸子, 佐藤 繁
    日本家畜臨床学会誌
    2005年 28 巻 2 号 42-46
    発行日: 2005/11/10
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    肥育牛における
    第四胃変位
    (DA)の発生状況と臨床所見を明らかにする目的で、宮城県内における平成11-15年度のDA発生状況と平成14-15年度に発生したDA牛の臨床所見を調査した。11年度から15年度にかけて左方変位(LDA)の頭数と頭数比は約2倍に増加したが、右方変位(RDA)は同様の値を示した。管内における大規模肥育牛群であるH牛群では、宮城県全体に比べて頭数比がLDAで6-8倍、RDAで2-3倍の高値で推移した。LDAの発生は18-23ヵ月齢で多い傾向がみられた。また県内の診療センターで診療した278頭では、初診日にはLDAとRDAのいずれも食欲低下、第一胃および第四胃運動低下、第四胃有響音が高率に認められた。整復手術はLDAで99頭(全体の41.6%)、RDAでは9頭(22.5%)で実施され、手術時にはLDAでRDAに比べて第一胃の容積減少と硬固感、第四胃のアトニーとガス貯留が高率に認められた。これらのことから、肥育牛におけるDAの病態は乳牛と異なる可能性があり、DAの発生にはビタミンA欠乏症による食欲低下や導入後疾病による慢性的なエネルギー不足が関与していることが示唆された。
  • 伊東 登, 小岩 政照, 初谷 敦, 横田 博, 黒澤 隆
    日本獣医師会雑誌
    1999年 52 巻 6 号 362-365
    発行日: 1999/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    第四胃変位
    手術前後に各6例のホルスタイン種乳牛について, 血糖, 血清総コレステロール, 遊離脂肪酸 (NEFA) およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ (AST), γ-グルタミルトランスフェラービ (γ-GTP) の活性値ならびにケトン体 (3-ヒドロキシ酪酸とアセト酢酸) を測定した.ケトン体, NEFA, ASTは術前に高く, 術後は低く,
    第四胃変位
    と血清ケトン体やNEFAの増加との関連が推測された.総コレステロールは手術前後に変化は認められず, γ-GTPは一定の変動傾向を示さなかった.
  • 和田 恭則, 武藤 眞, 松浦 健二
    日本獣医師会雑誌
    1993年 46 巻 10 号 833-836
    発行日: 1993/10/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    補液を主とする治療後, 大網右腹壁固定術を実施した重症の
    第四胃変位
    牛の中で, 合併症なく回復した6例 (回復例) と予後不良の18例について, 臨床所見および主要病変を比較した. 予後不良牛の主要病態または病変は, 感染症例4例, 脂肪肝例5例, 第四胃捻転例4例, その他の例5例であった. 感染症例と第四胃捻転例は回復例に比べて好中球百分率, 血中尿素窒素値が高く, リンパ球百分率, カリウム値が低かった. 第四胃捻転例では塩素値が低かった. 脂肪肝例は回復例に比べてGOT値, 尿中ケトン体の陽性率が高かった. 以上の成績から, 白血球数とその百分率, 血中尿素窒素値, カリウム値などは感染症例および第四胃捻転例の予後不良の指標となり, また, 高いGOT値および尿中ケトン体は脂肪肝例の予後不良の指標となると思われた.
  • 田口 清, 廣田 和久, 伊藤 純一, 石田 修, 高橋 英世, 田中 実
    日本獣医師会雑誌
    1990年 43 巻 2 号 93-97
    発行日: 1990/02/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    第四異変位が多発した7軒の農家 (3件の高泌乳農家を含む) の飼料給与について調査した. これらの農家では乾乳後期のDM, TDN, CPの充足率が低下していて, とくに高泌乳農家ではCPの不足が泌乳後期から継続し, その他の農家では泌乳初期まで続いていた.
    これらの農家の合計18頭の乾乳牛のメタボリックプロファイルテストでは, 血糖ヘマトクリット, BUN, 総蛋白, アルブミンおよびコレステロールのエステル比の低下と, GOTの増加が有意に認められた。
    第四異変位の栄養学的要因は, 低栄養充足状態と搾乳用飼料への変換の重複することによると考えられた.
  • 佐藤 繁, 小野 秀弥, 植松 正巳, 畠山 直一郎, 角田 元成
    日本家畜臨床学会誌
    2003年 26 巻 1 号 21-26
    発行日: 2003/07/31
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    周産期疾患の発症乳牛における乾乳期の前駆所見を明らかにする目的で、健康牛(159頭)と乳熱・ダウナー牛(18頭)、ケトーシス牛(13頭)、
    第四胃変位
    牛(11頭)において分娩前後の血中成分の推移を検討した。乳熱・ダウナー牛では健康牛に比べて総コレステロール(分娩前4~2週)と尿素窒素(分娩前8~6週)、乳酸(分娩前6~4週)が高値、カルシウム(分娩前4~2週と2~0週)が低値を示す傾向が認められた。ケトーシス牛では遊離脂肪酸(分娩前2~0週)と乳酸(分娩前6~4週)が高値を、
    第四胃変位
    牛では遊離脂肪酸(分娩前4~2週)と総コレステロール(分娩前6~4週)、乳酸(分娩前4~2週)が高値を示す傾向が認められた。疾病牛における乾乳期の血中成分は、泌乳後期や乾乳期の飼料摂取状況やルーメンコンデイションと関連があり、血糖や遊離脂肪酸、総コレステロール、カルシウム、乳酸など血中成分の異常は、分娩後における疾病の発症と関連のあることが示唆された。
  • 和田 恭則, 武藤 眞, 松浦 健二
    日本獣医師会雑誌
    1995年 48 巻 6 号 387-390
    発行日: 1995/06/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    大網右腹壁固定術を施した
    第四胃変位
    牛40例について, その予後と肝臓脂肪沈着の関係を検討した. 予後不良牛6例では全例, 肝臓脂肪沈着が重度であったが, 回復牛34例の肝臓脂肪沈着は, 重度11例, 中等度7例, 軽度8例, 正常5例, その他3例であった. 予後不良牛は回復牛に比べて初診時の症状が重く, ヘマトクリット値, ALP活性が回復牛の脂肪沈着重度例に比べて高かった. さらに, 脂肪沈着中等度以下の回復例に比べると, 予後不良牛のヘマトクリット値, 総ビリルビン値, GOT, LDH, ALP活性はいずれも高く, 尿中ケトン体の濃度と陽性率も高かった. 以上の成績から,
    第四胃変位
    牛では, ヘマトクリット値, ALP活性および肝臓脂肪沈着の程度が予後の指標になると思われた.
  • 伊藤 めぐみ, 神吉 剛, 佐々木 直樹, 山田 明夫, 猪熊 壽
    日本獣医師会雑誌
    2008年 61 巻 7 号 533-535
    発行日: 2008/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    第四胃変位
    罹患牛20頭 (AD群) の呼気中, 第一胃内, 第四胃内の水素 (H2) およびメタン (CH4) 濃度を測定し, 健康牛10頭 (健常群) のそれらと比較した. 第一胃内のH2濃度とCH4濃度はAD群と健常群で有意差がなく, さらにAD群の第一胃内のH2濃度とCH4濃度は第四胃内のそれらと有意差がなかった. しかし, 呼気中H2濃度はAD群と健常群でそれぞれ5.2ppmおよび22.1ppm, CH4濃度はそれぞれ694.8ppmおよび6, 036.0ppmであり, AD群は健常群よりも有意に低値を示した (P<0.01). 以上より,
    第四胃変位
    発生の前提条件である「第四胃内ガスの過剰蓄積」は, あい気反射抑制に基づく第一胃内ガスの第四胃への過剰流入が関与していることが示唆された.
  • 高橋 孝幸, 佐藤 繁, 吉目木 勝策, 石川 則彦
    東北家畜臨床研究会誌
    1993年 16 巻 1 号 1-4
    発行日: 1993/07/31
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    初診時あるいは治療経過中に第四胃左方変位と診断した乳牛24例に対して、シサプリド製剤(アセナリン)を経口投与し、その治療効果を検討した。
    シサプリドは、原則として50mg(アセナリンとして20錠)を1日3回経口投与した。併用薬としては、25%ブドウ糖液、あるいは25%ボログルコン酸カルシウム剤を用い、いずれも静脈注射した。その結果、24例中9例(37.5%)は、シサプリド投与翌日に左側腹部や〓部における金属性有響音および第四胃の拍水音が消失して食欲が回復し、著効と判定した。8例(33.3%)金属性有響音や拍水音が軽減して食欲が発現し、有効と判定した。また、他の7例(29.2%)は症状に変化がなく無効と判定した。
    以上のことから、シサプリドの経口投与は、乳牛の第四胃左方変位に対し、治療効果があるものと推察さ典た。
  • 日本家畜臨床学会誌
    2002年 25 巻 2 号 72-74
    発行日: 2002/11/08
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
  • 更科 孝夫, 一条 茂, 納 敏, 樋口 徹, 石川 高明
    日本獣医師会雑誌
    1985年 38 巻 7 号 442-448
    発行日: 1985/07/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    第四胃変位
    における第一胃と第四胃液のvolatile fatty acid (VFA) の意義を知るため, 正常牛でのVFA濃度の季節的変化と給与飼料のVFA生産に及ぼす影響, 絶食牛と
    第四胃変位
    牛でのVFA濃度の比較を行い次の結果を得た.
    1) 正常牛の第一胃および第四胃液の総VFA, 酢酸, プロピオン酸および酪酸の濃度は6~8月に増加した.
    2) 貯蔵コーンサイレージ成分比では6~10月にかけて酪酸および揮発性塩基態窒素が増加し, 総VFA, 酢酸および乳酸が減少した.
    3) コーンサイレージと配合飼料の混給により, 第四胃液の総VFA濃度は第一胃液総VFA濃度の増加と並行して増加した.
    4)
    第四胃変位
    牛の第一胃液の酪酸濃度は正常牛と差がなく, その他のVFA濃度は正常牛より低かった. また, 第四胃液ではプロピオン酸を除く他のVFA濃度には正常牛との差がなかった.
    5) 正常牛の絶食により第一胃, 第四胃液の総VFA濃度, プロピオン酸および酪酸モル比は減少したが, 酢酸モル比は増加した.
  • 山岸 則夫, 李 仁炯, 大星 健治, 安藤 道雄, 高木 光博, 中川 昭
    日本家畜臨床学会誌
    2004年 27 巻 1 号 13-19
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
    1牛群で2年間に分娩したホルスタイン経産牛のべ160頭に対し、乾乳後期に、毎週1回一定時刻に臨床検査(第一胃の内容量および性状、尿pHおよびケトン体濃度のスコア評価)を行い、それらの所見と周産期疾病との関係を検討した。さらに、血液生化学検査を行い、上記の臨床検査の有用性を判断した。周産期疾病は160頭中64頭に発生し、その内訳はケトーシス(n=27)、
    第四胃変位
    (n=17)、産褥期子宮疾患(n=12)ならび乳熱(n=8)であった。周産期疾病の罹患牛では、分娩1週前に分娩2週間前に比べて第一胃の内容量と尿pHのスコアが有意な低値を示した。血液検査所見において、周産期疾病の罹患牛では、健康牛に比べて血清FFA濃度の高値やBUN、T-Cho、Glu、iPとMg濃度の低値傾向が認められ、エネギーバランスの低下が示唆された。乾乳後期における定期的な臨床検査によって、周産期疾病の発生を予測することは可能と思われた。
  • 石川 高明, 一条 茂, 納 敏
    日本獣医師会雑誌
    1987年 40 巻 5 号 324-328
    発行日: 1987/05/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    第四胃変位
    牛の血液, 第一胃液および第四胃液の臨床生化学的変化を知るため, 左方変位と右方変位の各15例について, 開腹手術前および手術後7日目の所見について検査した.
    手術前において, 血液所見では血液の濃縮, 血清CI, KおよびCa濃度の低下がみられ, 第一胃液ではCl濃度の上昇とNa濃度の低下, 第四胃液では総VFA濃度の増加のうち, とくに酪酸濃度の増加が目立った。
    以上の諸変化は, 食欲不振と変位により貯留した第四胃液の逆流または吸収不良によったものと考察された。
    その他の変化では, 手術前における肝臓機能の低下が認められた.
  • 和田 恭則, 武藤 眞, 松浦 健二
    日本獣医師会雑誌
    1993年 46 巻 1 号 7-11
    発行日: 1993/01/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    臨床獣医師が
    第四胃変位
    と診断し, 加療後重症と判断した乳牛 (ホルスタイン種) 47頭に補液を主とする治療を行った後, 大網右腹壁固定術を実施した.今回は消化器の捻転を伴った7頭を除いた40頭について調査し, 29頭が回復し11頭が予後不良であった.予後不良の原因や予後の指標を探るため臨床経過, 臨床検査および病理解剖所見を検討した.予後不良群は回復群に比べ初診時に臨床症状が重度であり, 血中尿素窒素, 総ビリルビン, 無機リンが高く, アルブミン, A/G, カリウムが低かった.予後不良群は手術後に好中球数, 血中尿素窒素, アルカリフォスファターゼが高く, リンパ球数, アルブミン, A/G, 総コレステロールが低かった.病理解剖所見では腹膜炎, 第三胃炎, 胸膜肺炎, 脂肪肝がみられた.以上の成績から初診時, 手術後のいくつかの臨床検査所見が予後の指標として示唆された.
  • 日本家畜臨床学会誌
    2006年 29 巻 3 号 138-143
    発行日: 2006/11/10
    公開日: 2009/04/22
    ジャーナル フリー
  • 和田 恭則, 武藤 眞, 松浦 健二
    日本獣医師会雑誌
    1996年 49 巻 3 号 168-171
    発行日: 1996/03/20
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    第四胃食滞発生乳牛13例についてその発生原因を検討した.13例のうち12例が
    第四胃変位
    に継発していた.開腹時に第四胃食滞を発見した6例のうち第四胃拡張が認められなかった5例は回復したが1例は死亡した.病理解剖時に発見した7例中6例は
    第四胃変位
    整復術が施こされていた.これらの症例では第三・四胃口の拡張や潰瘍, 第四胃拡張や潰瘍, 腹膜炎が認められた.病理組織学的所見では第四胃壁の筋層における広範な肉芽形成や血栓形成, 平滑筋の空胞変性などが認められた.以上から, 第四胃食滞は重度の
    第四胃変位
    や捻転をともなった第四胃右方変位により第四胃が機能的, 器質的な障害を起こし発生したと考えられた.
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