慢性心房細動 (Caf) および発作性心房細動 (Paf) の電気的除細動 (DC) 時に, アプリンジン (AD) 前投与がDC効果を高めるかどうかを検討した.方法: Caf患者28例およびPaf患者10例を対象として, 除細動時にADを前投与する群: AD (+) 群と前投与しない群: AD (-) 群とに分けて除細動効果を比較検討した.結果: Caf例では, AD (+) 群18例とAD (-) 群10例間で患者背景に差を認めず, DCによる洞調律 (SR) 復帰は16/18例, 1/10例とAD前投与によるCaf停止促進効果を認めた (p<0.001) .Paf例では, AD (+) 群3例とAD (-) 群7例の全例がSRに復帰し, 除細動エネルギーは66.7J, 150JとAD (+) 群がAD (-) 群より低い傾向にあった.また, AD投与による合併症は認めなかった.総括: 心房細動のD0時にADを前投与することで, CafではSR復帰を容易にし, Pafでは除細動閾値を低下させる可能性が示唆された.
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