レーザードップラー式血流画像化装置を用いて、 健常被験者10名の皮膚におけるヒスタミン・イオントフォレーシスで生じる紅斑の面積を測定した。膨疹面積とかゆみ強度は従来通りそれぞれ、 定規を用いた目視による方法、 被験者自身の評価法で計測した。また、 ヒスタミンH
1受容体拮抗薬である塩酸オロパタジン5mg錠を1回内服もしくは12時間間隔で2回内服させ、 初回内服24時間後におけるヒスタミン誘発皮膚反応に対する抑制効果をプラセボと比較して検討した。その結果、 塩酸オロパタジンの1回内服群、 2回内服群ともにプラセボと比較して紅斑面積と膨疹面積、かゆみ強度のいずれも有意に抑制された。レーザードップラー式血流画像化装置は、 不整形で不鮮明な辺縁のために従来の目視による評価が難しかった紅斑の測定を正確にでき、抗ヒスタミン薬の効果判定にも有用であることが示された。
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