西日本皮膚科
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治療
そう痒を伴う尋常性乾癬に対する塩酸オロパタジンの臨床効果の検討
久保田 由美子中山 樹一郎
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2009 年 71 巻 4 号 p. 438-443

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抄録

尋常性乾癬では半数以上の患者がそう痒を有しているといわれ,またそう痒は症状の悪化やQOL(quality of life)への影響を及ぼすことが多いことから,乾癬治療における重要な症状のひとつである。今回,外用治療中の尋常性乾癬37名に対し塩酸オロパタジンを用いて,そう痒を中心とした臨床効果とQOLの変化を多施設(複数)で検討した。そう痒と潮紅,鱗屑,浸潤,肥厚の皮膚症状はともに,投与1週目より有意に改善し,4週後まで経時的に改善し,最終全般改善度は改善以上が64%,やや改善以上は93%であった。また,そう痒による日常生活の制限や,睡眠障害も投与1週目から経時的に有意に改善され,塩酸オロパタジンは従来の報告の如く尋常性乾癬におけるそう痒と皮膚症状を改善するだけでなく,QOLの改善にも有用であることが示された。

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© 2009 日本皮膚科学会西部支部
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