松永 亨, 荻野 仁, 浅井 英世, 白石 孝之, 河村 正三, 大西 信治郎, 上田 良穂, 小林 恵子, 伊藤 依子, 坂本 裕, 川崎 順久, 小川 茂雄, 土橋 信明, 渋井 弘一, 渡辺 洋, 和田 昌士, 板橋 隆嗣, 藤巻 豊, 馬場 駿吉, 木下 治二, 森 慶人, 鈴木 賢二, 島田 純一郎, 岩田 重信, 内藤 雅夫, 西村 忠郎, 徳田 寿一, 本堂 潤, 小出 明美, 河合 岩, 向井 研, 丸尾 猛, 伊藤 晴夫, 和田 健二, 稲垣 光昭, 波多野 努, 征矢野 薫, 加藤 眞二, 高野 剛, 鈴木 康夫, 松永 喬, 田中 治, 森 望, 石田 稔, 有賀 秀治, 宮本 浩明, 芦田 健太郎, 眞銅 昌二郎, 三好 敏之, 仙波 治, 仁村 多美子, 田矢 直三, 津田 守, 堀 哲二, 大川内 一郎, 奥村 隆司, 稲留 欣一, 原田 康夫, 夜陣 紘治, 鈴木 衛, 田頭 宣治, 中田 将風, 竹林 脩文, 和田 秀毅, 屋敷 建夫, 築家 大介, 野田 益弘, 黒川 道徳, 村上 譲, 菊屋 義則, 吉岡 達生, 大山 勝, 勝田 兼司, 橋本 真実, 古田 茂, 前山 拓夫, 小幡 悦朗, 小川 敬, 坂本 邦彦, 松山 博文, 小川 和昭, 清田 隆二, 森山 一郎, 田淵 えり子, 深水 浩三, 桑原 章吾, 清水 喜八郎, 出口 浩一
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1. Cefixime (CFIX) の急性陰窩性扁桃炎に対する有効性, 安全性を客観的に評価するため, Cefroxadine (CXD) を対照薬として二重盲検群間比較試験を実施した。CFIXは1回100 mgを1日2回朝・夕食後, CXDは1回250 mgを1日3回朝・昼・夕食後経口投与した。
臨床効果検討症例数は202例 (CFIX群103例, CXD群99例) で患者背景においてCFIX群に重症例が有意に (P<0.01) 多く分布していた。
2. 主治医臨床効果は, CFIX群で著効63例 (61.2%), 有効28例 (有効率88.3%), CXD群で著効54例 (54.5%), 有効37例 (有効率91.9%) であり, 両薬剤群間に有意差は認められなかつた。委員会の3日目判定ではCFIX群で有効率40.8%, CXD群47.9%で両薬剤群間に差は認められなかつたが, 7日目判定においてCFIX群の有効率79.8%に対してCXD群93.4%であり両薬剤群間に有意差 (P<0.05) が認められた。主治医判定と委員会7日目判定の有意差検定結果で認められた差異については, 主治医判定と委員会判定の判定方法の差異に加えて, 両薬剤群間の委員会判定に用いたデータの観察日の偏りが影響している可能性が高いと考えられた。細菌学的効果はCFIX群93.4%CXD群96.9%と両薬剤群とも良好な菌消失率を示した。
3.安全性の検討例数は226例 (CFIX群110例, CXD群116例) で, 副作用の発現は消化器症状と発疹がCFIX群に6例 (5.5%), CXD群に5例 (4.3%) 認められ, 臨床検査値の異常としてCFIX群にGOT, GPTの上昇1例が認められたが, 両薬剤群間に差は認められなかつた。
4.有用性検討例数は201例 (CFIX群102例, CXD群99例) で, CFIX群で極めて有用65例 (63.7%), 有用25例 (有用率88.2%), CXD群で極めて有用54例 (54.5%), 有用37例 (有用率91.9%) と両薬剤群共優れた有用性を示し, CFIXは急性陰窩性扁桃炎の治療薬として, CXDの約1/3の量で同等の効果が期待できる有用性の高い薬剤と考えられた。
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