本研究は, 名古屋市の中心部を流れる堀川を対象に, 現地観測および数値解析を用いて水質変化の特性を検討したものである. 平成17年8月から12月の現地観測により, 濁度, DO, クロロフィルaの平均的な空間分布特性とそれぞれの関連が示され, 名古屋市が行っている曝気装置の効果や影響範囲, 中川運河からの導水の影響を受けた松重橋付近のDO値の上昇などの実態も明らかとなった. 特に, 冬季 (11月15日から12月3日) にDO値の増加がみられ, 中川運河からの導水が強く関与していることが推察された. また, 冬季の水質変化を対象に, 数値解析による再現計算を行い妥当な結果が得られた. 各種境界条件を変更した解析結果から, 堀川の水質変化は中川運河からの導水の影響を強く受けることが示された.
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