Streptomyces hygroscopicus subsp.
aureolacrimosusの代謝生産物であるmilbemycins有効成分(A
1, A
2, A
3・A
4混合物,B
1, B
2・B
3混合物,C
1・C
2混合物)およびそれらの分割母体である粗抽出物(褐色油状物質(以下BOMと略称))の殺ダニ特性について検討した。
1, 活性の強いmilbemycins成分はA
3・A
4混合物,B
2・B
3混合物,C
1・C
2混合物であり,ナミハダニでは全発育ステージに対して活性が高かったが,ミカンハダニの卵期に対しては劣った。
2, BOMでは各有効成分が相加効果として作用していると考えられた。
3, 各有効成分およびBOMの致死量以下の処理は成虫に対して麻痺作用があり,後に蘇生した。
4, BOMは太陽光下で容易に分解され,また暗黒条件下の植物体上でも容易にその活性は低下した。
5, BOMはマシン油との配合でミカンハダニ卵に対して高い共力作用が認められた。
6, BOM乳剤はナミハダニ鉢試験で有効であったが,ミカン園でのミカンハダニ防除効果は不安定であった。しかし少量のマシン油との配合散布は,きわめて高い防除効果を示した。
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